2016年9月28日発行

オートデスクイベントレポート
ものづくりの最先端を体験できるAutodesk University Japan 2016開催!

オートデスクは、2016年9月8日に「Autodesk University Japan 2016」を開催。製造、建築、土木、メディア&エンターテイメントなどの業界において、最新のものづくりを体験できる貴重なカンファレンスに多数の来場者が訪れた。今回のCAD情報では、大盛況のうちに閉幕したAutodesk University Japan 2016をレポートする。

数多くのメリットを享受できる業界別コレクションの優位性

スティーブ ブラム氏
米国オートデスク社 ワールドワイド・セールス・サービス担当上級副社長

2016年9月8日、東京の芝公園にあるザ・プリンス パークタワー東京で、「Autodesk University Japan 2016」が開催された。今年で9回を迎えるオートデスク主催の一大イベントは、製造、建築、土木、メディア&エンターテイメントなどの業界において、詳細を見据えながら業務に役立つ情報を「学び」、さらに参加者の方々が「交流」の場としてご活用いただけるカンファレンスとして大いに盛り上がりを見せた。

イベントのスタートを飾る基調講演の司会進行は、オートデスク株式会社 マーケティング統括本部長 田中克典氏が務め、冒頭でCEOのカール バスのビデオによる挨拶が上映された。そして、この9月1日にオートデスクに入社したロボットのPepper(ペッパー)がサプライズで登場。会場を大いにわかせた。

パトリック ウィリアムズ氏
米国オートデスク社 アジア太平洋地域担当上級副社長

基調講演は、米国オートデスク社 アジア太平洋地域担当上級副社長 パトリック ウィリアムズ氏に引き継がれ、時代の変化とともに必要とされるツールにも変化が必要とされていることを強調。オートデスク製品は、その変化に対応するとともに、業務の生産性を高め、より新しく斬新なアイディアを実現するツールであることを語った。

そしてスピーカーは、米国オートデスク社 ワールドワイド・セールス・サービス担当上級副社長 スティーブ ブラム氏へと渡された。オートデスク製品のサブスクリプション導入やクラウドサービスを飛躍的に成長させる新しいセールスおよびチャネル戦略のモデルを導入し、収益の多角化を推進するブラム氏は、「The Future of Making Things―創造の未来」をテーマに講演を進めた。オートデスク製品は、クラウドとコラボレーション機能を融合させたことで、より使いやすいツールであることはもちろん、新しいものづくりを推進するうえでの不可欠なツールであると話した。

最新テクノロジーを体験できる展示エリア

メイン会場となる展示エリアには、オートデスクが誇る最新テクノロジーを展示。注目されるドローンはもちろん、VR体験コーナーや3Dプリンターなども具体的なソリューションとともに紹介されていた。また、オートデスクデザインギャラリーでは、今年で3回目となる、”The Future of Making Things ~創造の未来~”というテーマのもと、優れたデザインや設計にまつわるストーリーを紹介。建築・土木・製造・エンターテイメント業界から先進事例10作品を展示していた。

より具体的な活用例を紹介。未来のロボットの話題も

田中 克典氏
オートデスク株式会社 マーケティング統括本部長

「Autodesk University Japan 2016」の基調講演には、日本を代表するクリエイティブな才能にあふれる2人の日本人が招待された。まず、その一人が神戸大学大学院医学研究科 特務准教授で医師・医学博士の杉本真樹氏だ。杉本氏は、医療の分野でオートデスク製品を活用している具体例を紹介してくれた。冒頭の義足の物語では、これまで既製品しかなかった義足を自分に合うようにカスタムする活用例を紹介。3次元CADを駆使して、PCの画面上でいわゆるデジタルプロトタイプを作り出す作業は、10年前には考えられなかった。また、別の事例では、手術の現場におけるプロジェクトマッピングの活用と、3Dプリンターを駆使した最新の術式や、若い医師の技術の習得に有効な疑似臓器の紹介など、訪れたお客様の好奇心を刺激する内容だった。

そしてもう一人がGROOVE X 株式会社 代表取締役の林 要氏。林氏は、冒頭で司会進行を担ったロボットのPepper(ペッパー)の生みの親であり、新世代の家庭向けロボットを実現するため、新たな挑戦を開始している。講演では、これから登場するであろうロボットについての発表はなかったものの、林氏が分析・構築したロボットに対する概念が披露された。なかでも文明の進歩とともに人間がロボットに求めることが変化し、人間の作業を肩代わりするロボットから、癒しを提供してくれるロボットに需要が移っていくという説が非常に印象的だった。

カンファレンスは、午前中の基調講演のほかに、12コマのハンズオンセミナーや製造からエンタメまでオートデスク製品を使った最新事例やノウハウなど、50を超えるセッションが開催された。また、最新テクノロジーを体験できる展示エリアでは、Autodeskの最新テクノロジーを体験できるオートデスク展示のコーナーやビジネスにすぐに役立つパートナー各社のソリューションが展示され、好評を博していた。

多数の来場者でにぎわった「Autodesk University Japan 2016」は、実りあるカンファレンスとして、盛況のうちに終了となった。