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2017年1月28日発行
現在のソフトウェア販売は、サブスクリプションモデルへの移行が進んでいる。オートデスクも昨年、永久ライセンスの販売を終了し、サブスクリプションへと移行した。単体製品の永久ライセンスの販売を終了してから1年が過ぎ、保守プランを含めた本格的な更新ビジネスがスタートしている。そこで、今一度、サブスクリプションのメリットとともに保守プランならびにサブスクリプションの更新の重要性についても紹介したい。
2016年、オートデスクは、ほとんどのオートデスクソフトウェア製品の永久ライセンスの新規販売を終了した。この変更により、オートデスク製品の販売はサブスクリプションモデルへと移行することになり、パートナー様のビジネスプランは、エンドユーザー様のサブスクリプションへの移行と保守プランの更新を中心に提案することで展開される。
では、オートデスク製品のサブスクリプションについておさらいをしたい。一般的にサブスクリプションとは、ソフトウェアの利用形態の1つで、永久ライセンスのようにソフトウェアライセンスを買い取るのではなく、一定の期間だけ、ライセンスの使用権を取得(購入)し、必要に応じて使用権の期間を更新する方式である。
オートデスクのサブスクリプションも同様の意味で使用され、オートデスク製品を一定期間に限定して利用するライセンスプランのことを指す。このライセンスプランには、数々のメリットがあり、それらのポイントをエンドユーザー様に十分にお伝えしたい。
まずは、最小限の初期投資で利用できる点。例えば、あるプロジェクトでAutoCADを使用する場合、プロジェクトの期間に応じて、3カ月、1年、2年、3年とニーズに合わせて期間を選べるので、最小限の投資で、無駄な経費を削減する効果が見込める。
また、契約期間内にリリースされた新しいバージョンへのアップデートはサブスクリプション費用に含まれているので、これまでその都度購入の必要があったバージョンアップの費用負担がなくなる。もちろん過去バージョンの利用も可能であり、外出先での利用や複数のPCでオートデスク製品が使えるなどの特典もある。
AutoCAD LTのサブスクリプションなら、事前予約制の1対1の電話サポートが標準装備され、その他の製品でもWe bサポートが標準提供されるほか、ユーザーフォーラムや、Autodesk KnowledgeNetwork (オートデスクナレッジネットワーク:AKN)などのセルフヘルプも充実している。特にAKNは、100万を超えるヘルプ、サポート、ラーニングコンテンツが日本語、英語で提供され、約1年間で世界2900万人のユーザーが有効活用しているコミュニティ(フォーラム)なので、ぜひご紹介いただきたい。
さらに、最も多くのユーザーが利用しているAutoCAD製品のサブスクリプションメンバーなら、モバイルデバイスで、いつでもどこでも、AutoCAD図面を表示、編集、共有できる公式モバイルアプリAutoCAD 360 Proを追加費用なしで利用することができる。さらに、後述のシングルユーザーライセンスであれば海外や出張先、自宅でもオートデスク製品が使えるので、作業効率のアップが期待できる。
サブスクリプションのライセンス方式には、指名ユーザー方式のシングルユーザーライセンスとネットワークで使うマルチユーザーライセンスがある。シングルユーザーライセンスは、使う人にライセンスが割り当てられるので、指定されたユーザー本人が使うのであれば、海外への持ち出しや、本社と事業所や自宅など複数のPCにインストールして利用することができる。
一方、マルチユーザーライセンスは、同時に利用するユーザー数だけライセンスを導入してネットワークで利用する方式だ。使用状況に応じてライセンス数を調整するなど、お得なライセンス運用が可能になる。
シングルユーザーではインターネット接続が必須となるが、マルチユーザーはライセンスサーバーさえあればインターネット接続による認証をしなくとも運用することができるため、エンドユーザー様の運用環境に応じた提案が可能になっている。ちなみにマルチユーザーライセンスは、オートデスク認定パートナーからの購入となるため、導入提案の際は、大塚商会の営業にご相談いただきたい。
機能/利点 | オートデスク サブスクリプション |
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主な利点 | 最新のオートデスク ソフトウェアおよび旧バージョンへのアクセス。 テクニカルサポートの標準装備、クラウドストレージ25GB。ライセンス管理やソフトウェアのダウンロード、 各種サービスへのアクセスが容易な契約ユーザー個人専用のポータルサイトAutodesk Accountの提供。 |
期間の長さ | 3ヵ月、1年、複数年(2年または3年)の期間で利用可能。 認定販売パートナーから提供されるその他のオプションも利用可能。 |
ライセンス モデル | シングルユーザー アクセスのサブスクリプション̶ライセンスが使う人に紐付けられる指名ユーザーライセンス。 指名ユーザーはほかの人とユーザーアカウントを共有することはできません。 マルチユーザー アクセスのサブスクリプション̶ネットワーク ライセンス モデル。ネットワーク ライセンス サーバにより、 ネットワーク上の任意のユーザに使用可能なライセンスが提供されます。 |
海外持ち出し特典 | 海外持ち出し特典を利用すると、自国で購入したソフトウェアを購入国以外で使用できます。 自国以外で購入した場合は、購入した国でのみ使用できます。 |
複数PCへのインストール | シングルユーザーアクセスのサブスクリプションメンバーは、どのコンピュータにでもライセンスをインストールして使用できます。 マルチユーザーのアクセス権のサブスクリプションメンバーと保守プランメンバーは、ホームユース特典により、 オフィスで使用するソフトウェアのライセンスを自宅のコンピュータにもインストールして利用できます。 |
クラウド サービス | 購入した製品に基づいて利用可能な厳選されたクラウドサービスへのアクセス。 |
クラウド ストレージ | サブスクリプションの契約期間中は25GB。 有効期限が切れるとストレージは5GBに減ります。契約期限が切れても、30日間はデータをダウンロードできます。 |
クラウド クレジット | 契約レベルで使用するために100パック単位で購入可能。 |
新しいバージョン および機能拡張へのアクセス |
新しいバージョンや拡張機能が利用可能になるとサブスクリプションメンバーに通知が送信され、 ダウンロードして利用することができます。 |
サポート | AutoCAD LTシリーズ製品はすべて、事前予約制電話サポートのAdvanced Support(アドバンスサポート)が提供されます。 その他の製品のほとんどは、WebフォームによるBasic Suppor(t ベーシックサポート)を含みます。 |
保守プランは、永久ライセンスをお持ちのエンドユーザー様が契約することで、ソフトウェアの最新バージョンと機能強化の利用、技術サポートの利用、そして多くの場合、契約の有効期間中は、特定のクラウドサービスを利用できる特典を得られるサービスだ。現在は、永久ライセンスの販売が終了しているが、これまでに保守プランをご契約のエンドユーザー様は、その契約を更新し続ける限りサービスを受けることができる。
もうお気づきと思うが、サブスクリプションも保守プランも、更新を確保することが肝要なビジネスモデルだ。それぞれのメリットをエンドユーザー様に理解いただき、使いこなしていただくことが更新につながるので、パートナー様にはエンドユーザー様への情報提供や更新のリマインドなど密なコンタクトをお願いしたい。