2017年5月28日発行

保守プランからサブスクリプションへの切り替えで
最新のCAD環境がより低コストで効率的に整う

オートデスクは、現在、保守プランをサブスクリプションの期間ライセンスへ切り替えることで、大幅なコスト削減が図れる施策を展開している。2017年5月7日から契約更新時に、保守プランからサブスクリプションへの切り替えを行う場合、2018年5月までは、保守プランの更新価格とほぼ同額、あるいはより低いコストで切り替えることが可能だ。これにより、エンドユーザー様は最新のCAD業務をより低コストで効率的に活用できる環境が整う。その具体的なメリットやパートナービジネスの支援策などについて、オートデスクの担当者に話を伺った。

世界中でクラウドビジネスへの順調な移行が報告される

国松 いづみ氏
オートデスク株式会社 サブスクリプションセールス 日本担当マネージャー

保守プランからサブスクリプションへの早期移行を全面的に推奨しているオートデスクは、現行の保守プランをサブスクリプションの期間ライセンスへ切り替えることで実質的な値下げとなる施策を発表した。

その背景としては、保守プランで過去のバージョンのサポートを継続的に実施すると、そのためのツールなどを維持管理しなければならないため、運用管理面で大きな負担となるからだ。そのため、オートデスクでは、2017年2月20日に永久ライセンスの保守プランの複数年契約の販売を終了し、今後の保守プランの更新は1年ごとの更新のみとする。

さらに2017年5月7日から保守プランの更新価格を毎年引き上げると発表した。

オートデスク株式会社 サブスクリプションセールス 日本担当マネージャーの国松 いづみ氏は、「保守プランご利用中のエンドユーザー様にサブスクリプションの期間ライセンスへの切り替えをお勧めしている最大の理由は、クラウドサービスと連動した便利な最新機能などを、より低コストで効率的に利用できる環境が整うからです」と語る。

もともと永久ライセンスの保守プランは2002年から提供を開始し、同じ製品をアップグレードせずに利用し続けても、3世代前までの製品であれば継続的なサポートが受けられることが大きなメリットの一つだった。そのため、保守プラン加入中のユーザー様の多くは現在も旧バージョンのオートデスク製品を利用している。

ところが、最近の技術の進歩は目覚ましく、1、2年前の技術もすぐに陳腐化してしまう。一番わかりやすい例はクラウドの技術だ。例えば、会社のデスクトップPCでクラウド上のストレージにファイルをアップし、出張先のモバイルデバイスでクラウド上のストレージからファイルをダウンロードして仕事の続きを行うといったことが日常的な光景となった。

旧バージョンの製品をそのまま利用していると、こうした最新技術を活用することは難しい。だが、サブスクリプションモデルであれば、契約期間中に最新バージョンの製品を低コストで利用できるので、日々進化を続ける最先端のCAD環境を容易に構築できる利点がある。

大幅なコスト削減を実現しサポートサービスも充実

保守プランからサブスクリプションの期間ライセンスへの移行は、運用管理面でも大きなメリットをもたらす。

例えば、建築や土木、製造業では、工期が決まったプロジェクトが多い。そのプロジェクトの期間中だけオートデスク製品のサブスクリプションの期間ライセンスを追加導入すれば、最小限の導入コストで最新のCAD環境を容易に構築でき、ライセンス管理がやりやすくなる。

特に現時点で保守プランに加入しているエンドユーザー様は、次の更新時にサブスクリプションへ移行することで大幅なコスト削減を実現する好機となる。

具体的には、Product Design Suite Ultimateの保守プラン(209,000円/年)を契約中の人は、製造業向けコレクションのAutodeskProduct Design Collectionのサブスクリプション(139,650円/年)へ、2017年に切り替えることで、約33%のコストダウンを図れる。

これまでサブスクリプションには、Webのみのベーシックサポートと、Webと電話を利用したアドバンスサポートの2種類があったが、これが2017年5月7日から一本化される。従来のベーシックサポートの料金でWebと電話を利用した技術的なサポートを、契約している事業者で対象製品を使っている人なら誰でも受けられるようになる。このため、アドバンスサポートに加入していた事業者は、実質的な値下げとなる。

あたらしいサポート体制では、お客様からオートデスクに電話するのではなく、事前にWebで予約をすることで、エンドユーザー様が指定された日時にコールセンターのスタッフが直接電話をかけて、さまざまな技術的なサポートを行う体制に改善される。これにより、電話時の無駄な待機時間がなくなり、日常業務が円滑に行えるようになる。

さらに、電話による会話だけではわかりづらい面があるので、Windowsのリモートデスクトップ機能を使ったサポートも利用できる。

「オートデスクの技術者が、エンドユーザー様の画面を直接操作しながらエラーメッセージの解説などを詳しく教えてくれるので、非常に満足度は高いです」と国松氏は語る。

ビジネス機会を逃さない。安定したストックビジネスを支援

サブスクリプションに加入したエンドユーザー様は、Autodesk Accountでポータルサイトにアクセスし、その管理画面でライセンス管理が一括して行える。

さらにオートデスクでは、認定パートナー様向けポータルサイトも用意。そこで、エンドユーザー様のライセンスの取得状況を直接確認できる。ライセンス契約が満了となる期日が近づくと、その情報がパートナー様向けポータルサイトのトップ画面に事前に表示される仕組みになっている。そのため、契約更新の営業アプローチがスムーズに行え、ビジネス機会を逃さずに安定したストックビジネスを展開できるようになる。

「お客様の保守プランからサブスクリプションへの移行は、パートナー様に継続的な収益をもたらします。今回の保守プランの価格変更をきっかけに、お客様にサブスクリプションへの切り替えを積極的に推進していただきたいです」と国松氏は語る。