2018年5月28日発行

AutoCAD including specialized toolsets
新しい AutoCADは、利用者の生産性を向上させ、パートナー様のビジネスを拡大する大きなチャンス

2018年4月、販売パートナー向けのイベント「ONE TEAM Extension」がタイのバンコクで行われた。ワールドワイド・セールス・サービス担当 上級副社長のスティーブ ブラム氏によると、時代の変化とともにオートデスクがこれまで推進してきた変革は順調であるとのことだ。さまざまな変化は、パートナー様のビジネスに大きな影響を与えている。オートデスクがもたらす変化の意図と、その中でパートナー様のビジネスを拡大する方策について紹介したい。

サブスクリプションオートデスクの現状報告

オートデスクは、AutoCADをはじめとする各種CADソフトを提供し、世界のあらゆる分野のものづくりをサポートしている。革新的な技術が次々と登場し、ネットワークなどのインフラ整備が進んだことにより、オートデスクでは、数年前から従来のパッケージ販売から、サブスクリプションによるサービス提供を推し進めてきた。

2018年4月にタイのバンコクで行われた、販売パートナー向けのイベント「ONE TEAM Extension」で、ワールドワイド・セールス・サービス担当 上級副社長のスティーブ ブラム氏から、オートデスクのこれまでの取り組みと現在までの進捗についての報告があった。まず、なぜオートデスクは、さまざまな変化を起こすのか? それは、非常にシンプルで、なにがエンドユーザー様に必要なのかを模索しているからだという。

日本でも数年前からデジタルトランスフォーメーションという言葉をよく耳にするようになってきた。これは既存のアナログ作業をデジタル化することで、無駄を省き、効率を高める試みで、最近は、自動化を導入することで、さらに効率を高めようとしている。この流れは、世界的に推進されており、オートデスクの新しいデジタルセールスモデルもその一環にほかならない。この新しいデジタルセールスモデルがサブスクリプションのビジネスモデルというわけだ。

スティーブ ブラム氏によると、オートデスクのサブスクリプションは、2018年現在、非常によく機能しているとのことだ。特に、エンドユーザー様へのアクセスの広がり、そして市場ボリュームを広げている点を評価している。過去2年の平均では、四半期ごとに、約20%~30%の伸長を遂げているというから驚きだ。

オートデスクでは、サブスクリプションによる製品販売のチャンスは、4つあるとしている。それは「新規販売」「更新」「移行」「戻る」だ。移行とは、保守プランからサブスクリプションへ移行のことで、戻るとは、なんらかの理由で、AutoCADをやめたエンドユーザー様を呼び戻すこと。パートナー様のビジネスにおいて、「移行」「戻る」については、戦略的なアプローチが求められている。

業界別のツールセットを含む新しいAutoCADの登場

常にエンドユーザー様にとって、なにが必要なのかを考えているオートデスク。AutoCADファミリーと呼ばれる製品の変化を見ると、よりシンプルに業務に活用してもらいたいとう意図が見えてくる。AutoCADファミリーとは、製品名にAutoCADの名を冠する製品群のことで、AutoCAD ArchitectureやAutoCAD Mechanical、AutoCAD Electricalなどが代表的。オートデスクでは、2016年9月、それぞれの価格の統一に着手している。しかもAutoCAD Map 3Dは、半額以上の価格変更が行われている。技術の進歩は、時間の経過にともない価格的なバリューをもたらすが、それ以上に、価格を統一することで、エンドユーザー様が必要とされる製品を迷うことなく使ってもらいたいという意思の表れだろう。そしてオートデスクは、2018年、製品の統一という新しい試みを決断した。それが、「AutoCAD including specialized toolsets」だ。7つの業種専用ツールセットと、モバイルアプリ、Webアプリで構成される新製品は、製造系や土木・建築系といった業界にかかわらず利用できるため、エンドユーザー様は、製品の選択に迷うことなく、導入の意思決定が行える。また、例えば、AutoCADで行っていた業務をAutoCAD Architectureに置き換えることで、工数の削減ができ、業務効率が高まったという事例がある。これまで、AutoCADで十分とされていたエンドユーザー様にAutoCAD including specialized toolsetsをおすすめすることで、ものづくりにおける業務効率の改善や新しい発見ができるかもしれない。

パートナー様の商談機会について

AutoCAD including specialized toolsetsという新しい試みをビジネスにつなげる場合、パートナー様の商談機会としては、「新規購入」「サブスクリプション更新」「保守プラン更新」というケースが考えられる。

このケースのうち、既にサブスクリプションをお持ちのエンドユーザー様の場合、AutoCADもしくは業種別AutoCAD製品のサブスクリプションを更新するか、AutoCAD including specialized toolsetsに移行するかの選択となる。該当のサブスクリプション契約期間中であれば、無償で移行が可能だ。既に保守プランからサブスクリプションへの移行プログラムをご利用いただいたエンドユーザー様には、更新価格を利用してAutoCADもしくは業種別AutoCAD製品のサブスクリプションを更新できる。

保守プラン更新の場合は、AutoCADもしくは業種別AutoCAD製品の保守プランの更新は継続しているので更新いただくか、保守プランの更新金額で、サブスクリプションへ移行することができる。ここで注意したいのは、既に保守プランからサブスクリプションへの移行プログラムをご利用いただいている場合は、適用外になること、単体製品への移行プログラムは容易されていない点だ。今後、保守プランは、毎年値上げすることがアナウンスされている。現在、保守プランにご契約中のエンドユーザー様には、価格的に有利な移行プログラムを提案したい。

上記以外のケースは、新規購入となる。その場合は、サブスクリプションの価値とメリットをご紹介し、パートナー様のビジネスにつなげていただきたい。