2018年7月28日発行

Architecture, Engineering & Construction Collection
日本仕様の「BIM/CIM」に対応する設計ソリューション
3次元データの利活用に必要なツールを網羅

国土交通省は、建築・土木分野における「BIM/CIM」への対応を強化し、3次元データの利活用を積極的に推進している。今後、それに対応できない企業は、自然と淘汰されてしまう可能性がある。そうした中、企業の大きな戦力となるのが、オートデスクが提供している「Architecture, Engineering & Construction Collection(以下、AEC Collection)」だ。国土交通省の方針に基づく3次元データの利活用に必要なツールが全てそろっているので、それらを活用することで即戦力となる盤石なビジネス基盤を構築できる。

今や建築・土木分野では「BIM/CIM」への対応が急務

国土交通省は、国際的な観点から、これまで個別に表記していた建築分野の「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」と土木分野の「CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)」の概念を見直し、地形や構造物などを含む全体の3次元化を表現する名称として「BIM/CIM」に統一すると発表した。これに伴い、今後は建築や土木分野などを問わず、建設現場における調査・測量、設計、施工、検査、維持管理などのあらゆる工程で、3次元データの利活用が求められることになる。

例えば、国土交通省は2018年度に、①総合評価落札方式・新技術導入促進型の活用により3次元データの活用による施工、監督・検査の効率化及び高度化を図るための技術開発の展開、②トンネル、ダム、河川構造物(樋門・樋管)おいて3次元データの標準的な仕様の策定、③3次元データの流通・利活用に向けたシステムの仕様などの策定を推進する。

さらに2019年度には、①橋梁、トンネル、ダム、河川構造物、港湾構造物(基礎工等)や維持管理において3次元データの活用拡大、②電子納品保管管理システムに格納された2次元図面を活用して3次元データ化する方法を開発し、転換を図る、③3次元データの流通・利活用に向けたシステムの構築を推進していく計画だ。

国土交通省のこうした3次元データの利活用の方針に伴い、建築や土木分野の3次元データ化はもはや当たり前の時代となり、それに対応できない企業は廃業する恐れすらある。

逆に言えば、3次元データを日常業務で効率的に活用できる環境を整えれば、受注量を拡大する絶好の好機となる。そして、そうした環境づくりに役立つのが、オートデスクが提供している「AEC Collection」だ。建築・土木分野における3次元データの利活用に必要なツールが全てそろっているので、国土交通省の方針に基づく「BIM/CIM」の取り組みを確実に遂行できるようになる。

利用者の要望事項を反映してRevit 2019の使いやすさが向上

AEC Collectionは、常に最先端の技術を実装しながら進化を続けている。例えば、建築系のBIM/CIMソリューションの中核を担うAutodesk Revit 2019は、利用者の要望事項を反映した新機能を実装することで、使いやすさが格段に向上している。以下、Autodesk Revit 2019の主な改善ポイントをいくつか紹介する。いずれも実作業の効率化に大きく寄与する。

・作業画面上のタブ表示機能:複数の作業ビューを切り替えながら効率的に作業が行える。 ・マルチモニターサポート機能:作業ビューのタブをクリック&ドラックすることで作業ビューを独立させ、それをほかのモニタ-に移動させて作業が行える。 ・ハッチングの背景設定機能:ハッチングの背景に対して簡単に着色できる。 ・フィルター規則機能の向上:フィルター条件に追加/条件の掛け合わせが可能になり、より複雑なフィルターの規則が行える。 ・寸法機能の向上:斜め断面の図面にも寸法表示が行える。 ・手摺機能の向上:手摺に対して部材切断機能が追加され、手摺の部分切断が行える。

また、鉄骨専用CAD/CAMシステム「FAST Hybrid」とのダイレクト連携も実現。API連携により、Revitの構造データをFAST Hybridにダイレクトに取り込み、さまざまな接合部の形状を自動生成できる。同様に、FAST Hybridで生成した鉄骨詳細モデルをRevitにインポートすることで、Revitモデルの詳細化を実現。これにより作業時間が大幅に短縮される。

土木系ツールの連携を強化。日本仕様の最適な環境を提供

 一方、AEC Collectionの土木系ツールも大きく進化。その中で特筆すべき点は、InfraWorks 2019とCivil 3D、Revitの連携強化が大幅に強化されたことだ。具体的には、InfraWorks 2019で作成した道路・橋梁・トンネルモデルをダイレクトにRevitやCivil 3Dに取り込み、詳細検討や図面化が行える。さらに、InfraWorks上で3Dモデルを変更すると、それがRevit上のデータに自動的に反映される。また、InfraWorks上で作成した道路線形に加え、横断形状などもCivil 3D上で共有可能になった。

もう一つの大きなポイントは、Civil 3Dに日本仕様の追加機能を実装されたことだ。具体的には、Civil 3Dの日本仕様プログラムとして、i‐Constructionに対応した出来形管理帳票作成機能を新たに追加。そのうえ、国総研交換標準V1.1読み込みツールを実装し、国土交通省国土技術政策総合研究所が定めた「LandXML1.2に準じた3次元設計データ交換標準(案)Ver.1.1」への対応を実現するなど、日本の市場にマッチした便利な機能を完備している。

このようにAEC Collectionには、今後大きな需要が見込まれる「BIM/CIM」の日本仕様に対応したあらゆる機能が盛り込まれている。その意味では、建築・土木分野でビジネス展開している企業にとっては、AEC Collectionの利活用が大きな戦力になることは間違いないだろう。大塚商会ではAEC Collectionのサポートも行っているので、ぜひ相談していただきたい。