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SIMフリースマホビジネス特集
第2回 〜SIMフリースマホの具体提案編〜

特定の通信事業者に縛られず、自由に通信事業者を選べるSIMフリースマホの市場が急拡大している。これまでは一部のマニア向けだったSIMフリースマホだが、富士通やシャープといった大手国内メーカーからもSIMフリースマホが登場するようになり、スマートフォン市場の1割を占めるようになった。そこで、SIMフリースマホのトレンドと今後の展開、新たなビジネスに繋げるための提案について解説していきたい。

SIMフリースマホのトレンド

 簡単に前号のおさらいをすると、昨年辺りから、SIMフリースマホという言葉を目にすることが増えてきた。本来はSIM“ロック”フリースマホと呼ぶべきだが、日本ではSIMフリースマホと呼ばれることが多いため、ここでもそう呼ぶことにする。

HTCのSIMフリーAndroidスマホ「HTC Desire EYE」。1300万画素カメラを前面と背面に搭載。液晶も1,920×1,080ドットと高解像度だ。
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富士通のSIMフリーAndroidスマホ「ARROWSM305/KA4」。指紋認証でビジネスに必須の高度なセキュリティを担保できる。
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 現在、一般的に販売されているスマートフォンや3G/LTE対応タブレット、モバイルルーターなどの、移動体回線網(携帯電話回線網)を利用する通信端末は、回線契約情報が記録されているSIMカードと呼ばれる小型カードを挿入することで、移動体回線網への接続が可能になる。

 SIMカードは、通常、キャリア(携帯電話事業者)が顧客と契約をして販売されるものだが、海外では、対応周波数や通信方式といった物理的な規格さえあっていれば、通信端末とSIMカードを自由に組み合わせて利用できることが多いのに対し、これまでの日本では携帯電話事業者が直接販売する端末が大きなシェアを占めており、そうした通信端末は、その事業者が発行したSIMカードしか使えないように端末に制限がかけられていた。この制限のことを「SIMロック」と呼ぶが、この仕組みのために、例えば、NTTドコモのショップで購入したスマートフォンに、同じ通信方式を採用しているソフトバンクのSIMカードを差し込んでも利用できなかったのだ。

 それに対し、SIMロックがかかっていないSIMフリースマホでは、日本の携帯電話事業者が発行するSIMカードはもちろんのこと、海外渡航時に現地の携帯電話事業者で購入したSIMカードもそのまま利用できる。このように、SIMロックは利用者の利便性を阻害しているとして、2014年10月31日に総務省が「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案を発表、2015年5月1日以降に新たに発売するスマートフォンなどについて、利用者からSIMロック解除の希望があれば、原則として無料で解除を行うことが義務づけられた。この改正案により、日本も本格的なSIMフリースマホ時代へと移行することになったのだ。

 昨年までは、SIMフリースマホを提供するメーカーが少なく、製品バリエーションも限られていたが、今年に入って新たなメーカーが続々と参入してきた。今年、日本のSIMフリースマホ市場に本格参入したメーカーとしては、日本エイサーやHTC、TCLコミュニケーションズテクノロジーなどが挙げられる。さらに、富士通やシャープといった国内メーカーも、SIMフリースマホを提供するようになり、選択肢が格段に広がった。従来のSIMフリースマホは、ローエンドモデル中心であったが、参入メーカーの増加と共にバリエーションが広がり、ハイエンドモデルも揃ってきた。

MVNOとの組み合わせで毎月の通信コストを大幅に軽減できる

 スマートフォンを業務に活用している企業にとって、毎月の通信コストの削減は重要な課題であろう。SIMフリースマホの普及は、そうした企業にとっても朗報となる。携帯事業者の縛りがないSIMフリースマホは、MVNOサービスとの親和性が高い。
 MVNOとは、Mobile VirtualNetwork Operatorの略で、物理的な移動体回線網を自社の設備としては持たず、実際に回線網を保有する他の携帯電話事業者(MNO)から借りて、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のことだ。日本通信やニフティ、So-netなど、多くの事業者がMVNOサービスに参入している。

 MVNOサービスは、価格が安く通信量や通信速度に応じて柔軟な料金プランが用意されていることが特徴であり、通信量や通信速度が制限されるものの、1カ月1,000円未満という安価な料金プランも提供されている。これまでのSIMロックがかかった端末の場合、MVNOが借りている移動体回線網と同じ携帯電話事業者の端末なら、MVNOのSIMカードをそのまま利用できるが、端末の販売事業者と借り受け先の携帯電話事業者が異なる場合、そのMVNOサービスを利用することはできなかった。

 しかし、SIMフリースマホならそうした心配はなく、料金プランなどを比較して、最も適したMVNOサービスを利用できる。さらに、海外出張時にも、現地で購入した安いSIMカードを挿して利用できるので、高価な海外ローミング料金を支払う必要がなくなる。

 大手携帯電話事業者と契約しているスマホを、SIMフリースマホにリプレースし、MVNOサービスを利用することで、毎月の通信コストを大手携帯事業者との契約時の数分の1以下に抑えることができ、企業で契約している回線数が多い場合、非常に大きなコスト削減が可能になる。

SIMフリースマホ市場の盛り上がりはパートナー様にも絶好のチャンス

 このようにSIMフリースマホ市場の盛り上がりは、パートナー様にとっても大きな商機となり得る。回線も含めた導入提案をする際には、メールチェックやWebの閲覧、pdfなどの資料を確認するといった、一般的な使い方であれば、BYOD(私的デバイスの業務活用)やオフィスのWi-Fiをうまく併用することで、追加の通信環境が必要となることはない。そのため回線の追加提案や既存の回線のリプレースを狙うのであれば、なぜSIMフリースマホを提案するのかという、一歩進んだ利用提案が求められる。

代表的な例といえば、決済端末としての提案だ。切手サイズのカードリーダーをスマホに接続することで、スマホでクレジットカード決済ができるようになる。カードリーダー自体は安価なので、アプリ開発を含めて提案するとパートナー様の利幅は大きい。
 また、流通業でGPSを活用した集荷サービスやオンサイトサービス業務の効率化など業務端末としての提案も考えられる。その他にも、カメラ機能を活用した点検業務や動画を利用した業務のマニュアル化の利用なども実際に行われている。

 これらの提案ポイントは、汎用性の高いSIMフリースマホに専門機能を付加することにある。何を付加すれば、エンドユーザー様の手助けになるのかは、パートナー様の日ごろの営業活動から見えてくるはずだ。物販に加えて、アプリ開発を含む利用提案。「法人向けSIMフリービジネス」のビジネスチャンスはここにある。 大塚商会では、SIMフリースマホビジネスに関して、デバイスの提供から回線を含む提案まで、万全のサポート体制でパートナー様をバックアップ。ぜひご提案いただきたい。

BP事業部で取り扱う代表的なSIMフリースマホ

[HUAWEI] P8 lite

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P8 liteは、本体内にSIMを2枚(LTE/3G用と2G用)内蔵でき、欧米・アジアで使われている周波数帯域も広くカバーしているなど、インターナショナルスタンダードモデルの典型となる製品だ。本体サイズは幅約71mm×奥行き約7.7mm×高さ約143mm、質量は約131gと小型軽量なので、“2台持ち”するにも最適だろう。CPUに採用されているのは8コアのHisilicon Kirin 620オクタコア(AS3/1.2GHz)で、OSは最新のAndroid 5.0 Lollipop/Emotion UI 3.1だ。その他の仕様は、RAM容量が2GB、ROM容量が16GB、ディスプレイが5型(720×1,280ドット)、メインカメラの解像度が1,300万画素、インカメラが500万画素となっている。

製品名 P8 lite
カラー ホワイト、ブラック、ゴールド
対応OS Android™ 5.0 Lollipop / Emotion UI 3.1
CPU Hisilicon Kirin 620 オクタコア (A53/1.2GHz)
メモリー RAM:2GB/ROM:16GB
サイズ(W×D×H) 約71×約7.7×約143mm
質量 約131g

[ASUS] ZenFone™ 2 Laser

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5インチスマホとして機能面・コストパフォーマンス面から評価が高いZenFone 5の後継として、さらにスペックを強化したモデルがZenFone 2 Laserだ。外観はiFデザインアワード2015を受賞したZenFone 2の洗練されたデザインを採用。本体背面は人間工学に基づいた形状で、自然に持ち手になじむよう設計されている。最大の特長はハイスペックなカメラ機能。ピントの合わせづらい薄暗い場所でも瞬時にピントを合わせる「レーザーオートフォーカス」を搭載しているので、急なシーンでも自動でフォーカスし、鮮明な撮影をサポートしてくれる。デュアルSIMは両方とも4G、3G、2G回線に対応しているので、国内・海外を意識せずに2枚のSIMをフル活用することができる。

製品名 ZE500KL-BK16(ブラック)
ZE500KL-WH16(ホワイト)
ZE500KL-RD16(レッド)
プラットフォーム ※1 Android™ 5.0.2
プロセッサー Qualcomm® Snapdragon™ 410
メモリー 搭載容量 ※2:2GB
仕様:LPDDR3
サイズ(W×D×H) 約71.5×約3.5~10.5×約143.7mm
質量 約145g

※1 利用可能な新しいプラットフォームへのアップデートがある場合、ホーム画面上に更新通知メッセージが表示されます。メッセージに従いアップデートを行う事で、プラットフォームのバージョンを最新にする事が出来ます。製品の生産時期により、記録されているプラットフォームより新しいバージョンが搭載されている場合があります。
※2 メモリーの増設や交換はできません。予めご了承ください。

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