3Dスキャナーを搭載した3Dプリンター複合機
XYZプリンティング ダヴィンチ 1.0 AiO

ものづくりの新たなツールとして注目されている3Dプリンターだが、実際に導入するとなると、さまざまなハードルがある。その1つは3Dデータの作成だろう。しかし、3Dスキャナーがあれば、イチから3Dデータを作成しなくても、3Dプリンターを利用することができるようになる。プリンター機能とスキャナー機能を持った2次元の複合機が普及しているが、手頃な3D複合機の存在は、ものづくりや教育の現場をがらりと変える可能性を秘めている。

15色のABS樹脂から選択して、20×20×19cmの立体物を造形
3Dスキャナーを搭載。2次元の複合機のように、立体物の形状を読み取り、コピーすることができる。
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XYZプリンティングの『ダヴィンチ 1.0 AiO』は、3Dスキャナーを搭載した3Dプリンター複合機だ。本体サイズは幅46.8cm、奥行き55.8cm、高さ51cmで、質量約27.5kgとコンパクト。「パーソナル3Dプリンター複合機」と銘打っているが、デザイン事務所や製造業、文教分野での活用が期待できる。

独自のプリントヘッドによるキャリブレーション、温度コントロール、自動クリーニング機能によって、安定したプリント品質を実現。造形材料はABS樹脂とPLA樹脂が用意されており、樹脂は全部で15色と豊富な色がラインアップされている。立体物を造形するためのワークエリアのサイズは20×20×19cmで、この中に収まるサイズの立体物を造形することができる。もちろん、複数のパーツを組み合わせることで、これよりも大きな立体物を作成することも可能だ。

スキャンサイズは15×15cm。0.25mmの精度で短時間スキャンが可能

『ダヴィンチ 1.0 AiO』の最大の特長は、3Dスキャナーを搭載している点だ。2次元の複合機のように、立体物の形状を読み取り、コピーすることができる。デュアルスキャンエンジンが搭載されたスキャナーの精度は0.25mmで、直径15cm、高さ15cmの円筒形に納まるサイズまでスキャンが可能。スキャン時にはターンテーブルが自動回転しながらレーザー照射で物体を読み取り、5分弱でスピーディにスキャンが完了する。授業やデモンストレーションなどで使用する場合でも、あらかじめスキャンしておくといった手間は必要ない。オリジナルスキャンソフト「XYZ scan」も同梱されており、オブジェクトにあわせたスキャンモード設定、スキャンデータの自動補正、STL形式での書き出しも可能だ。

目の前で実物が造形されるのを見ることは大人にも感動を与えることができる。手頃な3D複合機の導入による、試作精度の向上や、効果的なものづくり教育を提案していただきたい。

主な仕様
製品名 ダヴィンチ 1.0 AiO
印刷技術 FFF/熱溶解フィラメント製法(Fused Filament Fabrication)
最大サイズ(W×D×H):20x20x19cm
印刷モード 最適0.1mm(100ミクロン)
標準STD 0.2mm(200ミクロン)
高速Speed 0.3mm(300ミクロン)
超高速Ultra Fast 0.4mm(400ミクロン)
プリントヘッド シングルへッド
ノズル直径 0.4mm
フィラメント直径 1.75mm
フィラメント材質 ABS/PLA
ディスプレイ パネルサイズ:2.6" FSTN LCM
コネクター USB 2.0
Scanner技術 ダブルのスキャン用センサー
200万画素カメラ+レーザーダイオードモジュール
スキャンサイズ 15x15cm
スキャン精度 0.25mm (250μm)
スキャナー画素 0.25mm (250μm)
ターンテーブルの最大耐荷重 6.6lb/3kg (最大)
システム要件(PC/MAC) X86 32/64-bit compatible PCs with 4GB+ DR AM (PC)
X86 64-bit compatible Macs with 4GB+ DRAM (Mac)
外型サイズ (WxDxH) 46.8x55.8x51cm
製品重量(梱包材を含む) 27.5kg

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