最大10kmまで延長できる光ファイバーエクステンダー
ATEN VE883

大規模なオフィスビルや公共施設などでネットワークを構築する際に考慮する必要が生じるのが、ケーブルの敷設距離だ。広い敷地内に設置されたネットワークカメラを管理する場合や、複数箇所で大画面を使用した情報端末を使用したい場合などでは、映像信号を途切れることなくスムーズに伝送することが必要になる。そこで活用したいのが光ファイバーの長距離延長を実現し、安定したデータ送信を可能にするエクステンダーだ。

デュプレックス光ファイバーで、最大10kmまで延長可能
同社独自のFarSmoothテクノロジーにより、入力レートと出力レートを一致させることで遅延やフリーズを防ぎ、安定かつスムーズに出力。干渉はほとんどないそうだ
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ATENの『VE883』は、デュプレックス光ファイバーケーブル1本で、非圧縮4K信号をVE883K1使用時に最大で300m、VE883K2使用時には最大10kmまで延長できる、光ファイバーHDMIエクステンダーだ。同製品の特長は非圧縮4K信号を遅延やフリーズすることなく安定して送信できる点だ。

HDMIは10m以上になると伝送が難しいといわれている。しかし、同製品を使用すれば、大規模な施設の各所に設置したデジタルサイネージなどに一括送信することが可能になる。さらに入力レートと出力レートを一致させる同社独自のテクノロジー「FarSmooth」が、遅延やフリーズのない画像送信を実現する。

デュプレックス光ファイバーケーブルで送信できる信号はイーサネット、IR、HDMI、RS-232、USBなので、複数のケーブルを敷設する必要がない点は、設置や運用コストの削減に繋がる。また、リモート側にタッチパネルやバーコードスキャナーなどの機器を接続できるので、告知、プロモーション、受付や案内業務など、幅広いシーンで活用できる。

一括アップグレードへの対応など、運用管理にも配慮 

ネットワークの長距離延長を可能にする『VE883』であるが、同時に機器の保守点検するエリアも拡大することになる。そこで同製品には運用管理の負担を軽減するための工夫も施されている。

その一つがアップグレード作業を一括して行えるファームウェアアップグレードユーティリティーだ。ラックマウントにも対応しているので、ローカル側の機器をまとめて収納しておくこともできる。また、プラグアンドプレイとホットプラグにも対応しているので、作業する際に電源のオンオフ操作が不要だ。

主な仕様
製品名 VE883R
VE883T
ビデオ入力 【VE883T】
HDMI Type-A メス×1(Black)
100Ω
5m
ビデオ出力 【VE883R】
HDMI Type-A メス×1(Black)
100Ω
10m
ビデオ 最大データ伝送速度:10.2Gbps(3.4Gbps /レーン)
最大ピクセルクロック;340MHz
規格準拠:HDMI(3D、Deep Color、4K)、HDCP 2.2準拠
最大解像度:4,096×2,160 / 3,840×2,160 @ 60Hz (4:2:0)、4,096×2,160 / 3,840×2,160 @ 30Hz (4:4:4)
最大距離:SFPモジュール×1 (※1,2)、VE883K1: 最大300m(MM、OM3、Black)、VE883K2: 最大10km(SM、Blue)
コネクター ユニット間:LCデュプレックスコネクター×1(SFP)
ファームウェアアップグレードMicro USB Type-B メス×1(Black)
電源:ロック式DC電源ジャック×1
消費電力 【VE883T】
DC5V;6.77W

【VE883R】
DC5V;7.05W
ブラケット無サイズ(W×D×H) 166.0×125×29 mm
重量 0.64kg
 

※1 延長距離はメーカー環境での検証に基づくものです。最大延長距離は、ファイバーの種類やバンド幅、コネクタースプライシング、減衰、モード分散、波長分散、環境因子によって異なります。

 

※2 IEC 11801(OS1、OS1a、OS2)規格に対応するシングルモード光ファイバーケーブル、またはIEC 11801(OM3、OM4)規格に対応するマルチモード光ファイバーケーブルのご使用を推奨します。

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