VR(バーチャル・リアリティ)市場の成長などにより、静止画や動画へのニーズが増加している。全天球イメージは新しいニーズの一つといえるだろう。全天球イメージであれば、ユーザーが自由に視線の方向を選択することも可能になる。大画面であればVR用のゴーグルを着用しなくても、撮影した場所にいるかのような没入感も感じられる。いち早く全天球イメージを活用するためには、手軽に撮影できる専用カメラを利用したい。
リコーの『RICOH THETA Z1』は同社の360°カメラ「RICOH THETA(リコー・シータ)」シリーズのフラッグシップモデルだ。1.0型の有効画素数約2000万画素の撮像素子を2ユニット搭載し、上下左右前後360°の全天球イメージをワンショットで撮影できる。静止画の出力画素数は約2300万画素で、「HDR合成機能」や星の光跡の記録などに便利な「インターバル合成機能」など多彩な撮影機能が用意されている。
動画は3,840×1,920ピクセルの4K画質で、30fps相当の滑らかな映像を撮影できる。絞り優先モードに対応するなどの動画撮影機能の強化が行われているので、きめ細かな設定で撮影することが可能だ。また、カメラ本体に360°の空間音声記録に対応した4chマイクを内蔵しているので、上下左右前後からの音声を記録することもできる。
『RICOH THETA Z1』は、撮影の手軽さや操作のわかりやすさ、撮影データの活用の容易さへの配慮もされている。本体には0.93型の有機ELパネルが搭載され、カメラ単体でも撮影モードや電池やメモリー容量を一目で確認することができる。記録できる画像ファイル形式は、静止画はRAW、JPEG、動画はMP4に対応。画像のつなぎ合わせを行うスティッチング機能を備えたPhotoshop用のプラグイン「RICOH THETA Stitcher」が無償で提供されているので、撮影した画像の補正なども容易に行える。
また、専用のWebサイト「theta360.com」を利用することで、撮影した全天球イメージをSNSで簡単に共有することも可能だ。観光地やイベントの紹介、施設案内、教育コンテンツなど、全天球イメージは今後、幅広いシーンで活用されることが予想される。同製品の導入により、いち早い全天球イメージの活用を、ぜひ提案していただきたい。
製品名 | RICOH THETA Z1 |
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撮影距離 | 約40cm~∞(レンズ先端より) |
撮影モード | 【静止画・動画】 オート 絞り優先 シャッター優先 ISO優先 マニュアル※1 【ライブストリーミング】 オート |
露出補正 | 【静止画・動画】 -2.0~+2.0EV 1/3EVステップ※1 |
ISO感度(標準出力感度) | 【静止画・動画】 オート(ISO80~6400、上限設定可能) マニュアル(ISO80~6400)※1 【ライブストリーミング】 オート(ISO80~6400) |
シャッタースピード | 【静止画】 (オート)1/25000秒~1/8秒 (シャッター優先AEモード)1/25000秒~1/8秒※1 (マニュアルモード)1/25000秒~60秒※1 【動画】 (オート)1/25000秒~1/30秒 (シャッター優先AE・マニュアルモード)1/25000秒~1/30 秒※1 【ライブストリーミング】 1/25000秒~1/30秒 |
記録媒体 | 内蔵メモリー:約19GB |
電源 | リチウムイオンバッテリー(内蔵)※2 |
電池寿命 | 静止画:約300枚※3 動画:約60分※3 |
外形寸法(W×D×H・レンズ部を除く) | 48×24×132.5mm |
質量 | 約182g |
※1 マニュアル設定にはスマートフォンが必要です。
※2 付属のUSBケーブルでパソコンに接続して、充電してください。
※3 撮影可能枚数はメーカー測定方法による目安であり、使用条件により変わります。