微分積分や各種関数計算を容易に行える関数電卓は、エンジニアや研究職、教育現場など、理系の専門分野では必須の製品だ。関数電卓市場では、教科書通りの数学自然表示が可能な点で評価が高いカシオ計算機が、第3世代の『CLASSWIZ』シリーズを発売した。高精細の液晶画面を搭載することで、表現力が大幅に向上し、メニューの日本語表示や、変数や計算結果の一覧表示が可能に。従来機よりも計算を効率良く実行できる。

『CLASSWIZ』シリーズは、カシオ計算機の第3世代関数電卓だ。大きな特長は、従来機の4倍の解像度を持つ、高精細液晶画面を搭載している点。これにより、業界初となる日本語表示を実現。メニューをアイコンや日本語から選択できたり、機能設定が日本語表記でわかりやすくなっていたりと、マニュアルを参照することなく、スムーズに必要な機能を実行できる。英語表記モードも用意されているため、従来機に慣れたユーザーも、違和感なく使用できるだろう。
高精細液晶の採用は、表現力の向上にもつながっている。一度に表示できる情報量が増大したため、変数や統計結果の一覧表示が可能になり、ひとつひとつ呼び出さずとも、一覧から確認できるようになっている。また、単位換算や科学定数も一覧から選べるようになり、これらの計算や処理をスムーズに実行することが可能だ。数式の表示も教科書通りの数学自然表示が可能で、キーの表記もそれに準じている。SHIFTキーやALPHAキーに割り当てられた機能をわかりやすく色分けして表記するなど、操作性に配慮されたデザインも秀逸だ。
『CLASSWIZ』シリーズは、機能の異なる3モデルがラインアップされている。ミドルレンジモデルの『fx-JP700』では、行列計算やベクトル計算、周期表といった機能が利用可能だ。これに加え最上位機の『fx-JP900』は、表計算機能を搭載。5列45行、最大170データの範囲でスプレッドシートでの計算が可能だ。統計や漸化式の計算に威力を発揮するだろう。また、『fx-JP900』では、QRコードによるWebサービスも利用可能。これは、入力した式やデータを、電卓側でQRコードに変換。これをスマートデバイスで読み取ることで、専用サイトに数式やグラフを画像として表示できるもの。これを利用することで、計算や統計の結果を、PCやスマートデバイスなど、外部で活用することが可能だ。
型番※ | fx-JP900(PROFESSIONAL) fx-JP700(HIGH SPEC) fx-JP500(STANDARD) |
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液晶表示画素数 | 192×63ドット |
操作キー数 | 50キー |
変数メモリー | 9個 |
電源 | 太陽電池およびボタン電池(LR44×1個) |
電池寿命 | 約2年(1日1時間使用した場合) |
使用温度 | 0℃~40℃ |
寸法(W×D×H) | 77×165.5×11.1mm(H-COVER無し) |
質量 | 約90g(電池込み) |
※fx-700、fx-900は2015年2月発売