広告手法の多様化に伴い、大画面の液晶ディスプレイを使用したデジタルサイネージが普及している。よく見かけるのは駅ナカやショッピングビルなどで柱に埋め込まれたディスプレイに、一斉に同じ映像を映し出すのが一般的だ。同じ映像による訴求ももちろん効果的だが、シーンや売り場に適した個別の映像を表示できれば、より年代や好みに合った広告効果が得られるだろう。そんな活用を一台で実現してくれるのが、複数の画面に同期配信・個別再生が可能なサイレックス・テクノロジーの『X-5SR』だ。

『X-5SR』は、サイレックス・テクノロジーの「X-5」シリーズ受信機の後継モデルとしてラインアップされたワイヤレスデジタルサイネージだ。映像と音声の同時配信が可能なセットトップボックス機能を備えており、一台でサイネージシステムを実現する。
最大の特長は、複数画面への完全同期配信と、個別再生機能だ。マルチキャスト配信機能によって別々の場所に設置された複数の画面に、同時に同じコンテンツを配信することで、強い訴求力が期待できる。また、ストア&プレイ(個別再生)機能で各ディスプレイごとに配信するコンテンツを設定し、表示する場面に一番適した映像を再生することができる。同じ映像を流すべきか、違う映像を流すべきかは業種や活用シーンによってさまざまなので、どちらにも対応しているのは嬉しい点だ。
このマルチキャスト配信とストア&プレイ機能は、組み合わせることで更にその効果を増す。無償で用意されている配信ソフト「Media Transporter2」を使えば再生スケジュールの設定も可能なので、例えば通常は売り場ごとの情報を表示させておき、タイムセールなどの場合にはすべてのディスプレイに同じコンテンツを表示させる、といった使い方ができるようになる。
サイネージ環境を構築するにあたって、配信するコンテンツと同じく重要視したいのが「どの場所で配信するか」だ。『X-5SR』は有線LANだけでなく無線LANにも対応しているので、配線を気にすることなく自由な配置を実現し、急なレイアウト変更にも柔軟に対応することができる。配信するコンテンツの変更もネットワーク経由で一括管理できるので、運用の手間を一気に解消してくれる。
また、ストア&プレイ機能でも対応している完全同期を活用して、例えば複数のディスプレイを組み合わせて1つの映像を表示する「ビデオウォール」を実現することもできる。別途市販のオーサリングソフトで配信コンテンツを準備する必要があるが、他にはない力強い映像訴求のひとつとして、展示会やイベントなどで力を発揮してくれるだろう。
デジタルサイネージが「当たり前」になりつつある現代、同製品によるいち早いデジタルサイネージの導入を提案していただきたい。
型番 | X-5SR(マルチキャスト配信機能を利用する場合は、送信機『X-5T』をご準備ください。) |
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ビデオインターフェイス | DVI-D(出力) |
対応解像度 | 1,080pまで |
フレームレート | 最大30fps |
Ethernetインターフェイス | 100BASE-TX/1000BASE-T 自動検出 (RJ-45) x 1 ポート、Auto MDIX |
無線インターフェイス | IEEE 802.11a/b/g/n |
無線伝送距離 | 標準アンテナ使用時:最大15m、推奨アンテナ使用時最大50m※1, ※2 |
消費電力 | 最大10W |
外形寸法(W×D×H) | 155×32×120mm |
本体質量(アンテナ含まず) | 約270g |
※1 ラインオブサイト(送信・受信アンテナ間が直線で何も遮られていない状態)での距離です。周辺環境によって距離が短くなることがあります。
※2 アンテナは本体に固定されています。