マルチキャリアに対応した機器間通信用ルーター
アイ・オー・データ機器 UD-LT1

IoT時代の基盤を支える技術が「M2M(Machine to Machine)通信」だ。さまざまな機器やセンサーをネットワークに接続するためには不可欠の存在であるが、安定した通信品質に加えて、リモートでの管理の行いやすさも重要な選択のポイントになる。IoTでは広い範囲に多数の機器が設置されるので、従来のように管理者が現地に赴いて保守作業を行うのは現実的ではない。遠隔地や無人拠点でも安心して使用・管理できる環境構築が望ましい。

NTTドコモとKDDIのモバイル回線に対応。環境に合わせて設置できる
固定回線・モバイル回線に対応した、M2M(機器間通信)ルーター。自動リカバリー機能を搭載し、管理負担を軽減してくれる。
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アイ・オー・データ機器の『UD-LT1』は機器間通信を行うのに適したM2Mルーターだ。有線接続のためのLANポートに加えて、モバイル回線用のSIMスロットを装備しているので、LANケーブルで接続できない環境でも利用することが可能だ。モバイル回線はNTTドコモとKDDIのマルチキャリアに対応している点もチェックしておきたい。設置場所の通信環境に合わせて通信網を選択できるので、安定した通信を確保することが可能だ。

長期利用を実現するために、故障の原因になりやすいファンを排除し、筐体には金属素材を採用。安定した動作を長く続けられるよう配慮されている。また、本体は横置き、縦置きのいずれにも対応しており、2種類の取付金具が標準で同梱されている。床や壁、装置の筐体など、利用環境に合わせて固定することが可能だ。

障害対策機能やOpenVPN対応など、管理者の負担削減を実現

『UD-LT1』には管理者の負担を軽減する多彩な機能が搭載されている。「リンクバックアップ機能」は回線に障害が生じたときに自動的にバックアップ回線に切り替える機能。また、「リンクリカバリ機能」は障害発生を検知して、自動的にLTEモジュールをリセット・リブートさせる機能だ。これらの機能が、遠隔地や無人拠点に管理者が赴いて障害復旧を行う手間を削減してくれる。

また、OpenVPNに対応しているので、クラウドサービスへの接続やVPNの設定を容易に実現。サーバー、PC、モバイル端末など、通信先に応じたトラフィック制御も行えるので、必要な情報を確実に送受信することが可能だ。さらに、特定の時間だけモバイル回線をオンラインにするスケジュール機能を利用すれば、通信コストを抑えることもできる。

IoTが本格化するに伴い、M2Mルーターの必要性は増大していくだろう。通信品質と遠隔管理の双方を備えた同製品を提案していただきたい。

主な仕様
製品名 UD-LT1
対応OS(日本語版のみ)※1 Windows 10/Windows 8.1/Windows 7
LAN RJ-45×1ポート
WAN RJ-45×1ポート
有線規格 IEEE802.3i(10BASE-T)
IEEE802.3u(100BASE-TX)
WANインターネット接続方法 IPアドレス自動取得
PPPoE認証(1セッション)
IPアドレス固定
4G/3G キャリア:NTTドコモ、KDDI
WCDMA対応バンド: B1、B6、B8
LTE対応バンド:B1、B3、B8、B18、 B19、B21
伝送速度:上り最大50Mbps、下り最大100Mbps
SIM カードサイズ:標準
外付けアンテナ(2本)※2
VPNプロトコル 【クライアント】
PPTP、IPSec、L2TP、IPIP、GRE ※3
OpenVPN

【サーバー】
L2TP※3
管理機能 ■ログ(WebUI、Syslog)
■SNMPv1、SNMPv2
■スケジュール(リブート、4G/3Gオン)
使用温度範囲 0~40℃
使用湿度範囲 40~80%(結露なきこと)
電源 添付ACアダプターより供給
消費電力 4.4W(Typ)
環境対応 RoHS指令
外形寸法(W×D×H・本体のみ、突起部除く) 約112×105×25mm
重量 約350g(本体のみ)
保証 1年間
添付品 アンテナ(2本)、取付金具セット(2種)、取扱説明書、ACアダプター

※1 設定にはInternet Explorer 11、EdgeいずれかのWebブラウザーが必要です。

※2 標準添付(別売の外付け延長アンテナUD-ANT1も利用可能)

※3 シスコシステムズ Cisco 2811、フォーティネット Fortigateにて動作確認

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