さまざまな機器がネットワークに繋がるIoTは、便利で新しいサービスを生み出すが、普及するに従ってWebカメラのハッキングなど、セキュリティーの課題も明らかになってきた。多彩なセンサーやカメラなどで情報を集めるIoTはプライバシーなどにも密接にかかわる場合が少なくなく、セキュリティーには十分な対応が必要になる。そこで活用したいのが、セキュリティーソフトを搭載したIoT向けの組込み用PCだ。
コンテックの『CPS-BXC200-W10M01P03』は、IoTのエッジコンピューティングに適した組み込みPCだ。同社の産業IoT「CONPROSYS(コンプロシス)」の新製品としてラインアップされた。OSには日英中韓の4カ国語に対応した64bit版のWindows 10 IoT Enterpriseが搭載されている。また、セキュリティーソフトとしてホワイトリスト型のMcAfee社製ウイルス対策ソフトがプレインストールされている。IoT機器の「乗っ取り」などが報道されているが、ホワイトリスト型であれば、あらかじめ許可されたアクセス以外は受け付けないので、手間をかけずにセキュアなIoT環境を構築することが可能だ。
また、同製品には三つのLANポートが搭載されている。たとえば工場内のフィールドパス、組み込みPC同士、上位の情報系ネットワークなど、異なるネットワーク階層を相互に接続できるので、IoTシステムを効率的に構築することができる。さらに、動作温度は−20℃から最大+60℃までと幅広いので、低温の倉庫から高温環境になる製造ラインまで、多彩なシーンのエッジコンピューティングに使用できる。
『CPS-BXC200-W10M01P03』には低消費電力プラットフォームのインテルAtomプロセッサE3950が採用されている。IoTのエッジコンピューティングに必要なパフォーマンスを確保しながら、省電力を実現した。また、CPUファンの廃止とSDDの採用により、完全スピンドルレス設計を実現している。ホコリの侵入や経年劣化しやすい回転部品をなくすことで、保守点検の手間とコストを低減している。
さらに、同製品には効率的な開発を実現する工夫も施されている。Windowsを搭載したデスクトップPCと拡張ボード製品で開発したアプリケーションとI/Oモジュールの組み合わせは、そのまま同製品上で実行することができる。開発と検証、実装がシームレスに行えるので、スピードが必要なIoTの開発を加速することが可能だ。
製品名 | CPS-BXC200 |
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設置タイプ | DINレールマウント |
サポートOS | Windows 10 IoT Enterprise 64-bit; - |
プロセッサ | Atom x7-E3950 |
コア数/スレッド数 | 4-core/4-thread |
メモリー | 4GB |
RAS | リモートパワーオン ハードウェアモニター (ファン・温度・電圧) ウォッチドッグタイマー リモートリセット |
入力電圧 | 24VDC |
外形寸法(W×D×H) | 76×94×124.8mm (ただし、突起物を除く) |
質量 | 1.1kg |