ノートPCやスマートフォン、タブレット端末だけでなく、プリンターなどの周辺機器も無線LANで接続することが一般的になった。そこで問題になるのが、「電波の死角」である。オフィスや店舗など、多くの場合ではWi-Fiを利用する空間には電波を遮断する柱や壁が存在する。新たに無線ルーターを設置するのも解決策の一つだが、より低コストでより手軽に電波の問題を解消したい。そこで活用したいのが、無線LAN中継器だ。

エレコムの『WTC-300HWH』と『WTC-733HWH』は、無線ルーターの電波を中継して、手軽にWi-Fiに利用範囲を拡大できる無線LAN中継器だ。コンセントに接続するタイプなので、設置工事は不要だ。製品の厚さは約22mmなので、人通りのある場所のコンセントに取り付けても、衣服に引っかかるなどの心配も少なく、設置場所の選択肢が広がる。同製品は 親機を除いて2台までの中継が可能なので、オフィススペースにある無線LANルーターを中継して店舗スペースでWi-Fiを利用するといった使い方も可能になる。また、ロッカールームなど、これまで電波が弱かったスペースを快適なWi-Fi環境にすることも可能だ。
無線ルーターとの接続設定は、双方のWPSボタンを押すだけで完了するので、設置、設定とも簡単だ。
同製品には幅広いWi-Fi機器に対応しているIEEE802.11n/g/bに準拠した『WTC-300HWH』と、5GHz帯に対応したIEEE802.11acに準拠し、電波干渉に強く、高速通信を実現できる『WTC-733HWH』の2つの製品がラインアップされている。
『WTC-300HWH』は2本の内臓アンテナを搭載し、300Mbpsの快適なWi-Fi環境を実現できる。一方、『WTC-733HWH』は、最大で433 Mbps(理論値)の高速通信が可能で、これはIEEE802.11nの約1.4倍の通信速度だ。
また、いずれのモデルにも電波強度を示すインジケーターが搭載されている。ランプの表示状態で電波の強弱を判断することが可能なので、適切な設置場所が簡単に把握できる。さらに、ユニバーサルリピータ方式を採用しているので、同社製以外の無線LANルーターと組み合わせて使用することも可能だ。現有設備を無駄なく利用できるので、設備投資を最小限に抑えれる点も評価したい。
型番 | WTC-300HWH | WTC-733HWH |
---|---|---|
無線LAN規格 | IEEE802.11n:最大300Mbps IEEE802.11g:最大54Mbps IEEE802.11b:最大11Mbps |
IEEE802.11ac:最大433Mbps IEEE802.11n:最大300Mbps IEEE802.11g:最大54Mbps IEEE802.11b:最大11Mbps IEEE802.11a:最大54Mbps |
伝送速度(理論値) | IEEE802.11n/b/g | IEEE 802.11ac/n/a/b/g |
セキュリティ | SSID(ステルス設定可)、WPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(TKIP)、WEP(64bit/128bit) | |
設定方式 | WPS | |
端子 | ACプラグ | |
対応OS | Windows XP/Vista/7/8/8.1、MacOS X 10.5/6/7/8/9 | |
消費電力 | 約1.6W | 約3.5W |
外形寸法(W×D×H) | 58.5×21.9×47.5mm | |
質量 | 約40g | 約42g |