東日本大震災以降、オフィスでは大災害を想定したレプリケーション環境のニーズが高まっている。しかし実現するとなると、機材の導入コストや設定の手間がネックとなってくる。アイ・オー・データ機器の『BX-VP1』シリーズは、そういったニーズに適した製品だ。既存のルーターとサーバー間に本体を接続するだけで、遠隔地レプリケーション環境を構築できる。既存のネットワークを流用できるため、コストも最低限で済む。

遠隔地レプリケーションは、有効なBCP対策の1つだ。レプリケーションで別拠点にサーバーのバックアップをとっておけば、万が一の災害時にも、遠隔地のバックアップから即座にデータを復旧し、業務への影響を最小限に抑えられる。環境をととのえるには、本来は高額な導入費用や保守費用が必要になるが、これを低コストで実現できるのが、『BX-VP1』シリーズだ。これはレプリケーション環境の構築に特化したVPN専用ボックス。特徴は、既存のネットワーク構成を大きく変えずに、レプリケーション環境を構築できる点だ。使用方法は、親機と子機を用意し、バックアップ元とバックアップ先のルーターの配下に接続。そしてそれぞれをサーバーに接続。あとはルーターのIPsecパススルーを有効にするだけだ。親機と子機がセットになった『BX-VP1-S』の場合は、最初から親機と子機がペアリングされているため、最小限の設定で稼動することが可能だ。
同社ではレプリケーション対応のバックアップソフト「arcserve Replication/High Availability」が発売されているほか、Windows Storage Server搭載のNAS「HDL-Zシリーズ」には「Sync with Business Edition」が標準添付されている。『BX-VP1』で構築したネットワーク環境下で、これらのソフトをサーバーやNASに導入すれば、遠隔地のサーバーを定期的に同期させられる。基本的な構成は、本社と支社とでデータを同期するといった形。親機には子機を2台までペアリングできるため、複数の支社のデータを、本社へ集約するといった使い方も可能だ。
『BX-VP1』シリーズはBCP対策を低コストで実現できる有用な製品だ。同社のレプリケーションソフトやNASも含めて、お客様の環境に最適な構成をご提案いただきたい。
型番 | BX-VP1/BX-VP1-S(新規・子機2台セット) |
---|---|
Web設定画面に必要なソフトウェア | Windows:Internet Explorer 9~11 Mac OS X:Safari 6~7 |
伝送方式 | IEEE802.3ab(1000BASE-T) IEEE802.3u(100BASE-TX) IEEE802.3i(10BASE-T) |
伝送符号 | 1000BASE-T:8B1Q4 100BASE-TX:4B/5B+MLT-3 10BASE-T:マンチェスタ符号 |
電源 | 電源内蔵/AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 最大5W |
外形寸法(W×D×H) | 約120×170×35mm |
質量 | 約550g(1台あたり) |
保証期間 | 3年 |