LAN環境は、オフィス、教育施設、店舗、公共施設など場所を問わずに、今や必須のインフラとなった。確実な通信環境を構築するには、電波干渉などの心配がない有線LANが有効だ。しかし、組織の変更や利用エリアの拡充などに対応する場合には、配線を引き直したり、LANケーブルの増設が必要になる。その際に重要なのがスイッチングハブの存在だ。ただ増設するというだけでなく、ネットワークに影響を与えるループ構造の発生にも注意が必要だ。

サンワサプライの『LAN-SWH5PWL』と『LAN-SWH8PWL』は、ループ検知機能を搭載したスイッチングハブだ。前者は5ポート、後者は8ポートで、ポート数以外の基本性能は同じだ。ネットワーク構築を行ううえで留意すべきループ検知機能を搭載しており、LOOPランプでネットワークループを知らせてくれる。
ネットワークにループ構造が生じると、ループ内をデータが無限に転送され続けることになる。そのため、通信速度が低下したり、最悪の場合、ネットワークがダウンする恐れもある。例えば、会議室の会議机にスイッチングハブが設置されていることは珍しくない。会議室のスイッチングハブのポート同士がLANケーブルで繋がれていたためにループ構造が生じ、それが原因でネットワークトラブルが発生したという事例もある。悪意を持って行われたわけではなく、ネットワークに詳しくない会議室の使用者による不用意な行動が原因と推測されるが、このような場合もループ検知機能があれば、いち早く原因の切り分けができたと考えられる。
セキュリティの重要性が一段と増している現在、不意のトラブルに対しても迅速な対応を行うため、すばやい原因の切り分けがいっそう重要になる。
『LAN-SWH5PWL』と『LAN-SWH8PWL』のもう一つの特長は、コンパクトでスッキリとしたデザインの筐体を採用していることだ。電源ユニットを本体に内蔵しているので、本体の設置場所を確保するだけでよい。5ポートタイプは幅149mm、8ポートタイプは幅193mm、奥行の84mmと高さの26mmは共通だ。筐体のカラーには落ち着いたブラックが採用されているので、オフィスや店舗、公共施設など、どのようなシーンにもマッチするだろう。また、筐体の材質は金属なので放熱性能が高く、ファンレス構造を実現している。静音性が求められる場所に設置する場合でも安心だ。
同製品にはストレートケーブルとクロスケーブルを自動判別するAUTO-MDIX機能にも対応している。接続するケーブルをユーザーが区別する必要がないので、ネットワークに詳しくない場合でも、容易にLAN環境の変更や拡張ができる。
同製品の導入による快適なLAN環境の構築を提案していただきたい。
型番 | LAN-SWH5PWL(5ポート) LAN-SWH8PWL(8ポート) |
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規格 | IEEE802.3(10BASE-T) IEEE802.3u(100BASE-TX) IEEE802.3x(Flow control for Full-Duplex) IEEE802.3az(Energy Efficient Ethernet) IEEE802.1p(QoS) |
スイッチング方式 | Store&Forward |
伝送方式 | 半二重(10Mbps/100Mbps)、全二重(20Mbps/200Mbps) |
ポート構成 | 【LAN-SWH5PWL】100BASE-TX/10BASE-T(AUTO-MDIX)× 5ポート 【LAN-SWH8PWL】100BASE-TX/10BASE-T(AUTO-MDIX)× 8ポート |
バッファメモリ | 【LAN-SWH5PWL】48KB 【LAN-SWH8PWL】96KB |
消費電力(MAX) | 6.6W |
電源ケーブル長 | 1.8m |
外形寸法(W×D×H・本体のみ) | 【LAN-SWH5PWL】149×84×26mm 【LAN-SWH8PWL】193×84×26mm |
質量 | 【LAN-SWH5PWL】333g 【LAN-SWH8PWL】412g |