大規模なネットワークを構築する場合、多くの機器の接続にさまざまなプロトコルを組み合わせて運用するため構成が煩雑になりがちだ。その問題を解消できるスイッチが、アライドテレシスの『FS980M』シリーズだ。オプションのスタックモジュールを装着することで、2台を1つの仮想スイッチとして扱うことができ、シンプルな構成を実現。運用を容易にするとともに、機器の管理コストを削減できる。
『FS980M』シリーズは、10BASE-T/100BASE-TXポートを24/48基、SFPスロットを4基備えたファーストイーサネット・インテリジェント・スイッチだ。オプションのスタックモジュールの追加により、1,000M光ポートや1000BASE-Tポートを実装できる。PoE非対応モデルの『AT-FS980M/28』、『AT-FS980M/52』と、1ポートあたり30W、装置全体で250〜375Wまでの給電に対応するPoE+対応モデル『AT-FS980M/28PS』、『AT-FS980M/52PS』がラインアップされている。
大きな特徴は、同社独自のVCS(Virtual Chassis Stack)により、2台を1つの仮想スイッチとして扱える点。機器や通信の接続方式がシンプルで拡張性に優れ、負荷分散やネットワークの冗長を低コストで実現できる。オプションのスタックモジュールを装着することで、これまでL3スイッチ以上でサポートされていたVCSをL2スイッチでも対応し、レイヤー2レベルの導入および運用コストを低減することが可能となっている。また、多ポート100Mダウンリンク、2ポートの1,000Mアップリンクのポート構成を活用することで、配線設計やポート設計を変更することなく既存スイッチからシームレスに置き換えることが可能だ。
接続ミスなどによるネットワークループを検出し、自動で解消するループガードの搭載など、『FS980M』シリーズでは管理機能も豊富だ。独自のAMFにも対応し、ネットワーク機器の一元管理も可能となっている。これは接続されたスイッチやルーターを、仮想的な1台として統合管理するもの。機器設置時の自動設定や故障時における交換機器の自動復旧、全機器への一括ファームウェア更新やバックアップ、設定変更といった機能があり、運用管理コストを低減できる。
IEEE802.1X認証をはじめとするさまざまな認証に対応し、複数の方式を同一ポート上で混在できるTri-Auth機能もあり、柔軟な認証環境を実現。SSHやSNMPv3など暗号化機能もあり、セキュリティ面も充実している。大規模なネットワークの構築やリプレースに、ぜひご提案いただきたい。
型番 |
AT-FS980M/28(RJ-45コネクター×24・PoE+非対応) AT-FS980M/28PS(RJ-45コネクター×24・PoE+対応) AT-FS980M/52(RJ-45コネクター×48・PoE+非対応) AT-FS980M/52PS(RJ-45コネクター×48・PoE+対応) |
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準拠規格 | IEEE 802.3 10BASE-T IEEE 802.3u 100BASE-TX IEEE 802.3z 1000BASE-LX/SX※1 IEEE 802.3ab 1000BASE-T※1 IEEE 802.3ah 1000BASE-BX10※1 IEEE 802.3x Flow Control IEEE 802.3af Power over Ethernet※2 IEEE 802.3at Power over Ethernet+※2 IEEE 802.1D-2004 Spanning Tree,Rapid Spanning Tree※3 IEEE 802.1Q-2005 VLAN Tagging,Multiple Spanning Tree※4 IEEE 802.1X Port Based Network Access Control IEEE 802.1AB Link Layer Discovery Protocol IEEE 802.1p Class of Service,priority protocol IEEE 802.1ax-2008 Link Aggregation (static and dynamic)※5 |
適合規格 | CE 安全規格:UL60950-1、CSA-C22.2 No.60950-1 EMI規格:VCCIクラスA EU RoHS 指令 |
通信速度 | 10Mbps/100Mbps/1,000Mbps※1 |
パフォーマンス |
【スイッチング方式】 ストア&フォワード 【最大パケット転送能力(装置全体/64Byte)】 ■AT-FS980M/28・28PS:9.52Mpps ■AT-FS980M/52・52PS:13.09Mpps 【スイッチング・ファブリック】 ■AT-FS980M/28・28PS:12.8Gbps ■AT-FS980M/52・52PS:17.6Gbps 【メモリー容量】 フラッシュメモリー:128MByte メインメモリー:512MByte 【MACアドレス登録数】 16K※6 【VLAN登録数】 4,094個(VID=1~4,094) |
PoE |
【給電方式】 オルタナティブA 【最大供給電力】 ■1ポートあたり:30W ■装置全体:375W |
外形寸法(W×D×H・突起部含まず) | 【AT-FS980M/28】 440×257×44mm 【AT-FS980M/28PS】 440×345×44mm 【AT-FS980M/52】 440×257×44mm 【AT-FS980M/52PS】 440×345×44mm |
質量 | 【AT-FS980M/28】 3.2kg 【AT-FS980M/28PS】 5.2kg 【AT-FS980M/52】 3.4kg 【AT-FS980M/52PS】 5.4kg |
※1 対応SFP モジュール装着時
※2 AT-FS980M/28PS・AT-FS980M/52PSのみ
※3 IEEE 802.1w Rapid Spanning Tree包含
※4 IEEE 802.1s Multiple Spanning Tree包含
※5 IEEE 802.3adと同等
※6 表中では、K=1024