PCやプリンターに加え、無線LANアクセスポイントやWebカメラ、IP電話など、さまざまな機器がネットワーク接続されるようになり、ネットワークの規模が拡大している。大規模ネットワークになればなるほど、その管理負担は大きくなる。ネットワーク管理者の負担の増加は、セキュリティやネットワークの可用性にも影響を与えかねない。そこで、管理負担を軽減できるスイッチの活用が有効になる。
ヤマハの『SWX3200-28GT』と『SWX3200-52GT』は、多彩な管理機能を搭載したL3スイッチだ。LANポートは『SWX3200-28GT』が24ポート、『SWX3200-52GT』が48ポートで、いずれのモデルにも4基のSPF+スロットを搭載している。別売りのSPF+モジュールを活用することで、最大10Gまでの高速転送が可能だ。
同製品はダイナミックルーティングに対応しており、機器による自動的な経路選択を行ってくれるので、大規模ネットワークや複雑なネットワークでも管理者の負担を増やすことなくルート設定が可能だ。また、新たに「スタック機能」を搭載し、ネットワークの冗長化を実現。一般的な冗長化プロトコルのVRRPと比較して、待機スイッチが不要になるので、効率的なIT設備投資が可能になる。
『SWX3200-28GT』と『SWX3200-52GT』に搭載されている、多彩な管理機能にも注目したい。「LANマップLight」は、グラフィカルな画面でスイッチの設定を行える機能だ。ネットワークを可視化できるので、ループや端末の異常などを確認できる。また、業界標準のコマンド体型のほか、一般的なネットワーク監視プロトコルのSNMPやRMONにも対応しているので、ネットワーク技術者が使い慣れた方法でネットワーク管理を行うことも可能だ。
高度な死活管理機能も、ネットワーク管理の負担を軽減してくれる。PINGコマンドによる死活監視に加えて、LLDPによる定期通信の確認ができるので、Webカメラなどの異常を検知することもできる。検知した異常は、メールや「LANマップLight」、SNMPマネージャーで通知することが可能だ。
さらに、同製品はネットワークに接続された機器の稼働状況や通信状況を観測することができる。蓄積したデータを分析することで、ネットワークの最適化が可能になり、より効果的なIT投資を実現できる。
型番 | SWX3200-28GT | SWX3200-52GT |
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インターフェイス | LANポート数:24 SFP+スロット数:4 コンソールポート:1ポート(RJ-45)、1ポート(USB mini-B) オートネゴシエーション:〇 Auto MDI/MDI-X:〇 |
LANポート数:48 SFP+スロット数:4 コンソールポート:1ポート(RJ-45)、1ポート(USB mini-B) オートネゴシエーション:〇 Auto MDI/MDI-X:〇 |
性能 | スイッチング容量:128Gbit/s 転送能力:95Mpps レイテンシー(10G/1000M/100M/10M) ※1:1.3μs/2.5μs/5.4μs/36.9μs 最大MACアドレス登録数:16,384 フレームバッファー:1.5MB ジャンボフレーム対応サイズ:最大10,240byte |
スイッチング容量:176Gbit/s 転送能力:131Mpps レイテンシー(10G/1000M/100M/10M) ※1:1.3μs/2.5μs/5.5μs/36.9μs 最大MACアドレス登録数:16,384 フレームバッファー:1.5MB ジャンボフレーム対応サイズ:最大10,240byte |
VLAN | VLAN:ポートベースVLAN、タグVLAN(IEEE802.1Q)、プライベートVLAN、Voice VLAN スパニングツリー:STP(IEEE802.1D)※2、RSTP(IEEE802.1w)※2、MSTP(IEEE802.1s) ループ検出:〇 最大VLAN数:256(VLAN ID 1〜4,094)※3 |
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Layer3 | 基本設定:ARP、IP interface(IPv4、IPv6)、ICMP(IPv4、IPv6)、DNSクライアント デフォルトG/W 冗長化:VRRP スタティックルーティング:〇 ダイナミックルーティング:OSPF(v1/v2/v3)、RIP、RIPng |
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管理/設定 | 【管理プロトコル】 SNMP(v1/v2c/v3/Private MIB)、RMON(v1/v2) 【セキュリティ、認証機能】 ポート認証(IEEE802.1X認証、MACアドレスベース認証)、Web認証、ポートセキュリティ 【プログラム管理】 TFTPによる更新、Web GUIによる更新、microSDカードからの更新/起動 【ロギング機能】 メモリーに蓄積、SYSLOGでの出力、定期的なログのバックアップ機能 【ログ記憶容量】 最大10,000行 【サポート機能】 ポートミラーリング、ポートシャットダウン、リンクスピードダウンシフト、パケットカウンター、省電力モード(IEEE802.3az EEE)、DHCP(サーバー、クライアント)、時刻管理(手動設定、SNTP) 【L2MSマスター】※4 L2MSスレーブの管理、LANマップLight(スレーブ/端末管理、スナップショット、メール通知、機器一覧、タグVLAN設定、マルチプルVLAN設定) 【L2MSスレーブ】※4 L2MSマスター※5のWeb GUIによる状態表示、ネットワーク構成表示 【スタック】 〇(最大2台)※6 【設定手段】 Web GUIによる設定、コンソール/TELNETによるコマンドを使用した設定、TFTPによるダウンロード/アップロード、microSDカードからのコピー/起動 【GUIの推奨ブラウザー】※7 Windows:Internet Explorer 11、EDGE、Google Chrome、Mozilla FireFox MAC:Safari 7.0以上 iOS:Safari 7.0以上 |
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動作環境条件 | 周囲温度:0〜50℃ 周囲湿度:15〜80%(結露しないこと) |
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電源 | AC100~240V(50/60Hz)※8、電源内蔵(電源スイッチなし)、電源インレット(3極コネクター、C14タイプ) | |
最大消費電力(皮相電力)、最大消費電流、発熱量 | 26.8W(45.9VA)、0.51A、96.5kJ/h | 47.2W(78.3VA)、0.87A、169.9kJ/h |
外形寸法(W×D×H・突起物を除く) | 440×300×44mm | |
質量(付属品含まず) | 3.7kg | 4.3kg |
※1 RFC2544に準じた測定値(ストア&フォワード方式、フレームサイズ64Byte)です。
※2 STPおよびRSTPは、MSTPの下位互換により対応します。
※3 VLAN ID 1はデフォルトVLAN IDです。
※4 L2MS(Layer2 Management Service)は、同社ネットワーク機器をレイヤー2レベルで管理する機能です。L2MSスレーブ対応機種は、メーカーサイトにて公開しております。
※5 L2MSマスターに対応しているルーター/ファイアウォール/スイッチが別途必要です。L2MSマスター対応機種は、メーカーサイトにて公開しております。
※6 発売後提供予定のファームウェアでスタックの最大数は4まで拡張予定です。
※7 ブラウザーのバージョンは、最新バージョンにしてご利用いただくことを推奨します。また、最新のWebブラウザー対応状況は、メーカーサイトにて公開しております。
※8 付属の電源ケーブルを使用する場合は、日本国内AC100Vのみ使用可能です。