アイドル時の消費電力をカットするスイッチングハブ
アイ・オー・データ機器 ETG-ESH16NC

省エネルギーセンターによれば、オフィスで使用される電力は、約30%が空調、約40%が照明でコンセント経由が約30%である。PCをはじめとしてほとんどのIT機器はコンセントから電源供給を受けており、IT機器の省エネルギー化は、オフィスの省エネルギー化の重要な要素になっている。空調や照明で、すでに省エネルギーの取り組みを行っているオフィスは多いが、IT機器の省エネルギーへの取り組みはどうなっているだろうか。

アイドル時の消費電力も抑える「がっちり節電」モデル
エネルギー消費効率は0.5W/Gbps、2011年度の省エネ基準達成率190%を実現している
写真拡大

アイ・オー・データ機器の『ETG-ESH16NC』は1000BASE-T(Gigabit)に対応したスイッチングハブ。注目すべきは搭載されている多彩な省電力技術だ。オフィスのネットワークはデータ伝送を行っていない「アイドル状態」にある時間が少なくない。このアイドル時の消費電力を自動的に削減するのがEEE(Energy Efficient Ethernet)技術だ。テスト環境での測定では全ポート通信時と比較して、全ポートアイドル時には消費電力を約57%削減できる結果が得られている。

また、リンクダウン検知機能は、使用されていないポートを検出して余分な電力をカットする機能だ。さらにケーブル長に合わせて供給電力を調節するケーブル長感知機能と合わせて三つの省電力技術が搭載されている。

設置や運用管理をサポートする多彩な機能を搭載

『ETG-ESH16NC』には、機器の設置や保守点検の負担を軽減するさまざまな機能が搭載されている。環境温度50℃に対応することに加えて、壁面設置を可能にする壁掛け用フックホールを装備している。もちろん19インチラックマウントにも対応しているので、設置場所に合わせた方法を選択できる。また、本体から電源コードが抜けないように固定できる電源コード抜け防止クランプが添付されている。さらにコンセント側のプラグには、たまった塵・埃などが原因で発火する「トラッキング現象」を防止するトラッキング防止プラグが採用されていて、これらによって電源周りのトラブル防止、保守点検頻度の軽減などが期待できる。

本体もファンレス設計や、信頼性の高い日本メーカー製の電解コンデンサーを採用するなどして、安定した長時間連続稼働を実現している。多数のネットワーク機器が必要なオフィスの省エネルギーへの取り組みの一つとして、スイッチングハブの省電力化をぜひ提案していただきたい。

主な仕様
型番 ETG-ESH16NC
Ethernet規格 IEEE802.3ab(1000BASE-T)
IEEE802.3u(100BASE-TX)
IEEE802.3az(10BASE-Te)※1
全ポート「Auto MDI/MDI-X」「オートネゴシエーション」対応
LANポート RJ-45×16ポート
通信方式 CSMA/CD、全二重/半二重
スイッチ機能 スイッチ機能有り(全ポート)
スイッチング方式 ストア&フォワード
フロー制御 IEEE802.3x(Full-duplex動作時)/Back Pressure(Half-duplex動作時)
MACアドレステーブル 8192エントリ(エージングタイム:300秒)
スイッチングファブリック 32Gbps(ノンブロッキング)
最大パケット転送レート 1000BASE-T:1,488,095pps
100BASE-TX:148,810pps
10BASE-Te:14,881pps
バッファー容量 512kbytes
ジャンボフレーム 最大サイズ9216bytes
その他機能 EAPOL(IEEE802.1X)フレーム透過、BPDUフレーム透過、ループ検知機能搭載
外形寸法 約216(W)×133(D)×42(H)mm(突起部含まず)
質量(本体のみ) 約950g
電源/電圧定格 電源内蔵/AC100V、50/60Hz
消費電力 9.5W(Typ)
使用温度範囲 0~50℃
使用湿度範囲 10~90%(結露なきこと)
保証期間 3年保証
各種適合規格 VCCI Class A、RoHS指令準拠

※1 10BASE-Tとの通信が可能です。カテゴリー5以上のLANケーブルをご使用ください。



→カテゴリ一覧に戻る