920MHzに対応したモバイルスペクトラムアナライザ
Oscium WiPry 790x

IoTをはじめとしたスマート社会の実現には、安定した無線通信環境が不可欠だ。その一方で、さまざまな機器が無線通信を行うことで、電波障害などのトラブルも発生しやすくなっている。速やかなトラブルシューティングは、今後、ますます重要になっていくだろう。そこで重要になるのが、障害発生時の一次対応と障害原因の切り分けだ。スマートフォンなどに接続して使用できるスペクトラムアナライザなら強い味方になるだろう。

IIoTで注目される920MHz帯に対応。国別の周波数帯でも使用できる
IIoTなどで注目される新しい周波数帯920MHz帯に対応した、コンパクトタイプのスペクトルアナライザ。スマートフォンやタブレット端末で電波の干渉を視覚化、識別して回避できる
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Osciumの『WiPry 790x』は、755〜928MHzに対応したスペクトラムアナライザだ。少ない消費電力で広いエリアをカバーする無線通信方式の一つであるLoRaや、IEEE802.15.4g規格をベースに相互接続を有する無線通信規格であるWi-SUN、ワイヤレスポイントtoポイントブリッジなど、今後、適用分野が大きく拡大すると予想されるIIoT(産業分野向けIoT:Industrial Internet of Things)が使用する920MHz帯をカバーしたモデルだ。

また、IIoTで使用する周波数帯は各国がそれぞれ規定していて、日本では916〜928MHzであるが、米国では902〜928MHz、中国は755〜787MHz、ヨーロッパは863〜868MHz、韓国は917〜924MHz、シンガポールは866〜925MHzと異なっている。同製品であれば、これらの国の周波数に合わせて使用することが可能だ。

手のひらサイズのコンパクトボディ。多彩なOSに対応し、アプリも無料

『WiPry 790x』はスマートフォンやタブレット端末、ノートPCなどに接続して使用するモバイルタイプのスペクトラムアナライザだ。本体は手のひらサイズで質量も100g以下なので、フィールドサービスの担当者が備品として持ち歩く際でも負担は少ないだろう。iOS、Android、Windows、Mac OSに対応しているので、手持ちの機器に接続して使えることも、荷物を増やしたくないユーザーには嬉しい点だ。

さらに、解析用のソフトウェアが無料で提供されている点もチェックしておきたい。ライセンス料やサブスクリプションなしで利用できるので、導入コストやランニングコストを抑えることが可能だ。また、日本語のユーザーマニュアルが用意されているので、英語のマニュアルが苦手というユーザーにも安心しておすすめできる。

主な仕様
製品名 WiPry 790x
システム要件 (ソフトウェア) iOS version 8.0
Android version 6.0
Windows 7
Mac OS 10.10 (Yosemite)
システム要件 (ハードウェア) iOS Lightning Devices (iPad, iPhone, iPod)
Android Devices with USB OTG
Windows/Mac USB 2.0
周波数範囲 China:755-787MHz
Europe:863-868MHz
Japan:916-928MHz
Korea:917-924MHz
Singapore:866-925MHz
USA:902-928MHz
周波数分解能 China:32kHz
Europe:5kHz
Japan:12kHz
Korea:7kHz
Singapore:59 kHz
USA:26 kHz
増幅範囲 -100~-20dBm
増幅分解能 0.5dBm
アンテナポート SMBコネクター
アンテナ外部 アンテナ、2dBi利得


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