ローミングレスエリアを自動構築する無線LANアクセスポイント
アライドテレシス AT-TQ1402

オフィス内を移動する、飲食店で客の注文を受ける、倉庫で棚卸しをする、いずれの場合でも、無線LANに接続されたノートPCやタブレット端末を持って移動することが少なくない。その際、無線LANクライアントは複数のアクセスポイントをローミングしながら通信を続けることになる。このとき、アプリケーションの再起動や端末の再接続作業が必要になる場合がある。これらの作業を不要にするのが「ローミングレス」だ。

新しいファームウェアの適用により、ローミングレスエリアの自動構築が可能
シングルチャンネルの設定は、前回のファームウェアで対応した簡単設定画面から「シングルチャンネルモード」を選ぶだけで簡単に設定することができる
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2019年に発売されたアライドテレシスの『AT-TQ1402』は、IEEE 802.11ac Wave2に対応した無線LANアクセスポイントだ。今回、ファームウェアがアップデートされたことにより、新たに「ローミングレス」エリアを自動構築できるようになった。

これを実現しているのが、最大5台のアクセスポイント間で情報を同期させ、同一(シングル)チャンネルの無線LANサービスエリアとする「AWC-SCL」(スマートクラスター)機能だ。複数の無線アクセスポイントが同一のチャンネルを使い、BSSIDを共有することで、無線LANクライアント端末側では1台の無線アクセスポイントとして認識する仕組みだ。

同機能はファームウェアに標準で搭載されているので、外部の無線LANコントローラーや追加ライセンスなどは不要。少人数で使用するサテライトオフィスや小売・飲食店、倉庫などで、小規模なローミングレス無線LAN環境を構築したいユーザーに適したアクセスポイントだ。

IEEE 802.11ac Wave2に対応。パフォーマンスは従来製品の約3倍

IEEE 802.11ac Wave2に対応している『AT-TQ1402』は、IEEE 802.11nと比較して、理論値で約3倍のパフォーマンスを持っている。容量の大きなデータを送受信する際にも、より短時間で済むために生産性の向上やストレスの軽減などが期待できる。また、同製品はIEEE 802.3afに準拠したPoEに対応している。コンセントの位置など、電源供給を気にすることなく、効率的な配置でアクセスポイントを設置できる。

さらに、AT-Vista Manager EXを使用することで、複数のアクセスポイントを一元管理できるようになるので、運用管理の手間を抑えることも可能だ。同製品の導入で得られる快適な無線LAN環境の構築と、それによる生産性向上の実現について、ぜひ提案していただきたい。

主な仕様
型番 AT-TQ1402
無線部準拠規格
(国際規格)
IEEE 802.11a※1
IEEE 802.11b
IEEE 802.11g
IEEE 802.11n※1
IEEE 802.11ac
IEEE 802.11k Radio Resource Measurement of Wireless LANs
IEEE 802.11r Fast Basic Service Set Transition
IEEE 802.11v Basic Service Set Transition Management Frames
ストリーム数 2ストリームMIMO
データ通信速度 ※2 IEEE 802.11b:11/5.5/2/1Mbps自動切替
IEEE 802.11a/g:54/48/36/24/18/12/9/6Mbps自動切替
IEEE 802.11n(2.4GHz):最大300Mbps
IEEE 802.11ac(5GHz):最大867Mbps
無線設定 ・バンドステアリング
・VLAN(VAP(2.4GHz/5GHzについてそれぞれ推奨5個以内)/ダイナミックVLAN)
・ファストローミング(IEEE 802.11k/v/r)
・電波出力の強度設定
・WDS(WPA-PSKによる暗号化)※3
・Eco LED、エアタイムフェアネス
ポート 10/100/1000BASE-T(PoE-IN、RJ-45コネクター)×1
オートネゴシエーション
MDI/MDI-X自動認識
平均消費電力 7.4W(最大12W)
外形寸法(W×D×H) 164×165×43mm(突起部含まず)
質量 430g(ブラケット含まず)

※1 5GHz帯のW52/W53チャンネル帯は電波法令により屋外での使用が禁止されています。屋外では、必ずW56チャンネル帯をご使用ください。また、IEEE 802.11aは従来のチャンネル帯J52をサポートしておりません。J52のみを使用した無線LAN機器とは通信できませんのでご注意ください。

※2 表示の数値は、無線LAN規格上の最大値であり、実際のデータ転送速度を示すものではありません。

※3 WDS機能では1つのVLAN IDのみ透過できます。

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