2015年にe-文書法が改正され、電子化できる証憑書類の範囲が広がった。従来までの紙資料の電子化に加え、経理関連書類の電子化が一気に加速する可能性も見えてきた。比較的定型サイズに統一されているビジネス文書と異なり、伝票やレシートなどの証憑類は紙質もサイズもバラバラだ。紙資料の電子化を進めるうえでも、薄い紙から厚い紙まで、さまざまな原稿を確実に搬送できるドキュメントスキャナーを導入したい。
ブラザーの『ADS-3600W』、『ADS-2800W』は同社「JUSTIO(ジャスティオ)」シリーズにラインアップされたドキュメントスキャナーだ。『ADS-2800W』は従来機の後継機、『ADS-3600W』はNFC対応機として、それぞれフラッグシップモデルに位置づけられている。特に上位モデルの『ADS-3600W』では読み取り速度が大幅に向上しており、毎分約50枚の読み取りが可能になった。『ADS-2800W』でも毎分約30枚の読み取りが可能で、従来機の毎分約24枚から大きく速度向上を実現している。
どちらのモデルにも新しく開発された紙搬送システム「リバースローラー分離方式」が採用されている。原稿の搬送方向と逆回転する分離ローラーを設けることで、確実に原稿を分離して、1枚ずつ搬送する仕組みだ。複数原稿を連続して読み取る場合でも、紙送りのエラーの心配なく実行できる。
両モデルはタッチパネルの操作レスポンスも改良されており、直観的な操作で設定の登録が可能だ。よく使う設定を登録しておけば、読み取り時の手間を省けるだけでなく、設定ミスによる読み取りのやり直しを防ぐこともできる。また、『ADS-3600W』では、新たにNFCにも対応。NFCを使用できる社員証などを使用している場合は、同製品に登録することであらかじめ設定した読み取り条件を呼び出すことが可能になる。使用権限なども登録できるので、セキュリティ機能としても利用できる。
読み取ったデータは、各種クラウドサービスなどにアップロードすることも可能なので、PCレスで使用できる。ICカードと組み合わせることで、スキャナーの操作に不慣れな人でも、確実なドキュメントの電子化を実行できる。文書電子化の一助として、同製品の導入をぜひおすすめいただきたい。
型番 | ADS-3600W(NFC標準搭載) ADS-2800W(NFC非搭載) |
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読取方式 | 自動給紙方式(ADF) 両面同時読み取り(Dual CIS) |
読取モード | 片面/両面 カラー、グレー、モノクロ、自動 |
光学解像度/ソフトウェア補間解像度 | 最大600×600dpi/最大1,200×1,200dpi |
読取速度(A4縦)※1 | 【ADS-3600W】 カラー150dpi:片面約50枚/分 (両面約100面/分) カラー200dpi:片面約50枚/分 (両面約100面/分) カラー300dpi:片面約50枚/分 (両面約100面/分) カラー600dpi:片面約12枚/分 (両面約24面/分) モノクロ150dpi:片面約50枚/分 (両面約100面/分) モノクロ200dpi:片面約50枚/分 (両面約100面/分) モノクロ300dpi:片面約50枚/分 (両面約100面/分) モノクロ600dpi:片面約24枚/分 (両面約48面/分) 【ADS-2800W】 カラー150dpi:片面約30枚/分 (両面約60面/分) カラー200dpi:片面約30枚/分 (両面約60面/分) カラー300dpi:片面約30枚/分 (両面約60面/分) カラー600dpi:片面約12枚/分 (両面約24面/分) モノクロ150dpi:片面約30枚/分 (両面約60面/分) モノクロ200dpi:片面約30枚/分 (両面約60面/分) モノクロ300dpi:片面約30枚/分 (両面約60面/分) モノクロ600dpi:片面約24枚/分(両面約48面/分) |
インターフェイス | 【ADS-3600W】 USB:Hi-Speed USB 3.0※2 有線LAN:10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T 無線LAN:IEEE802.11 b/g/n※3 【ADS-2800W】 USB:Hi-Speed USB 2.0※4 有線LAN:10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T 無線LAN:IEEE802.11 b/g/n※3 |
電源 | 100V AC 50/60Hz |
消費電力 | 【ADS-3600W】 動作時:約30W スリープ時:約2.9W 【ADS-2800W】 動作時:約27W スリープ時:約1.9W |
外形寸法(W×D×H) | 306x258×250mm |
重量 | 4.55kg |
※1 ハードウェアの最大速度であり、データの転送速度等のソフトウェアの処理時間は含まれておりません。
※2 本製品はUSB 3.0 (SuperSpeed) インターフェイスに対応しています。USB 2.0/USB 1.1/USB 1.0 インターフェイスでの接続も可能です。USB3.0 (SuperSpeed) 接続で認識しないPC がある可能性があります。
※3 有線/無線ネットワークの両方に対応していますが、接続は排他的(有線/無線どちらか一方)になります。対応認証方式は、オープンシステム認証/共有キー認証/WPA-PSK/WPA2-PSKです。対応暗号化方式は、WEP(64/128ビット)/TKIP/AESです。
※4 Hi-Speed USB 2.0での最大転送速度に対応する為には、パソコン本体のインターフェイス及び接続ケーブルがHi-Speed USB 2.0に対応している必要があります。また、Hi-Speed USB 2.0はUSB 1.1と互換性がありますので、パソコン側がHi-Speed USB 2.0に未対応でも、従来のUSB 1.1での転送速度にて動作可能です。