データの電子化は業務の効率化には不可欠だが、古い紙資料の場合は、手入力したり、スキャンしたりするなどの処理が必要だ。OCRの進化により、スキャナーで読み取った画像から内容を読み取ることは容易になったが、スキャン作業自体は人の手で行う必要がある。読み取るべき紙資料をスキャナーにセットして読み取らせるだけでなく、読み取ったデータも担当者が整理する必要があり、一連の作業の効率化が重要だ。
キヤノンの『DR-G2140』は大量の文書読み取りに適したハイエンドスキャナーだ。読み取り速度はカラー、モノクロとも毎分140枚なので、伝票や行政記録など、大量の文書のスキャン作業を効率化できる。また、原稿トレイにはA4サイズの普通紙原稿を最大で約500枚セットできるので、面倒な原稿セットの頻度を抑えることが可能だ。
大量の文書を読み取らせるスキャナーを運用する場合、メンテナンスの手間やコストはチェックしておきたい点だ。同製品はメンテナンス部品である搬送ローラーの耐久性を、従来モデルの45万枚から、60万枚に向上させることで、メンテナンスの手間とコストを低減している。
さらに、同製品には標準で有線LAN接続に対応している。複数ユーザーがネットワーク上でスキャナーを共有することで、スキャナーの稼働率を向上させることができ、IT投資効果の最大化が期待できる。
『DR-G2140』にはDRプロセッサーによる読み取り速度の向上とともに、新しい画像処理技術の採用により読み取り精度の向上も図られている。「アクティブスレッショルド」は、シワや汚れのある原稿や、文字の薄い原稿の読み取り結果をOCR処理に適した「二値画像」に調整する技術だ。読み取った原稿を「使えるデータ」にするためには重要な機能だ。
また、「ドロップアウトカラー」機能を利用すれば、帳票や伝票の色のついた枠線を自動的に削除し、読み取りデータの可読性を向上させることが可能だ。保存用のデータとは別にOCR用のデータを自動生成できるので、読み取り後の作業を含めた紙資料の電子化業務の効率化が実現できる。
そのほかにも、「用紙サイズ自動検知」「斜行補正」「文字向き自動検知」などの自動機能に加え、標準で原稿内に挿入された「パッチコードシート」を検知して読み取りデータを仕分けする「自動ファイル区切り」機能などが、スキャン業務とスキャン後の作業の効率化をサポートしてくれる。
また、読み取り速度が毎分119枚の『DR-G2110』もラインアップされているので、ニーズに合わせた提案をしていただきたい。
型番 | DR-G2140 |
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形式 | 卓上型シートスルースキャナー |
対象原稿 | 幅:50.8~305mm、 長さ:70~432mm(長尺モード時、最大5,588mmまで) 分離給紙時/0.04~0.25mm(20~209g/m2) 非分離給紙時/0.04~0.30mm(20~255g/m2) NCRペーパー(感圧紙):可(綴代側からの給紙、および表裏反転給紙は不可) バインダー用開穴紙:可(穴に制限あり) カール:8mm以下 折れ・しわ:のばしてから給紙のこと |
光学解像度 | 600dpi |
出力解像度 | 100×100dpi 150×150dpi 200×200dpi 240×240dpi 300×300dpi 400×400dpi 600×600dpi 50~600dpiで1dpi毎指定可能※1 |
インターフェイス | SuperSpeed USB3.1 Gen1/LAN |
消費電力 | 動作時:最大66.5W以下 スリープモード:3.5W以下 |
重量 | 約25kg |
無償保証期間 | 1年間※2(訪問修理) |
※1 ドライバー設定ツールを使用
※2 上限枚数があります。