単機能機にしろ複合機にしろ、プリンターに求められるのは小型、高速印刷、低コスト、省エネ対応が基本条件だが、もう一つ、ランニングコストも忘れてはならない要件だ。ランニングコストには、トナーや用紙などの日常的な消耗品が含まれることはもちろんだが、定着ユニットなどの定期交換部品や、故障が発生した際の部品や修理費などは見落とされがちだ。真にトータルのランニングコストを考慮した提案をしていただきたい。

カシオ計算機の『B9500-Z』はA3サイズに対応したモノクロレーザープリンターだ。同社従来機(B9000)と比較して、体積で約37%、設置面積で約28%の大幅なダウンサイジングを実現している。印刷速度は、A4サイズの場合、片面で毎分38面、両面で毎分29面の高速印刷が可能だ。
TEC値は1.85kWhで、省電力モード時には約0.42Wという低消費電力。印刷コスト面では、使用済みカートリッジを回収してリユースする「回収協力トナー」を用いることで、約2.8円/枚を実現できる。
大量の印刷が必要な部署で使用する場合には、給紙トレイの増設も可能だ。標準で650枚の給紙が可能な上に、増設トレイを追加することで最大2,300枚までの給紙に対応できる。複合機と単機能機を組み合わせた運用が見直されている現在、ワークグループ用のプリンターとして提案しやすい製品だ。
『B9500-Z』を特徴づけているのは、5年間の製品無償保証に加えて、定期交換部品の無償交換サービスが提供されている点だ。定着ユニットや転写ローラーなど、レーザープリンターには定期的な交換が必要な部品がある。「お客様登録」を行うことで、規定の交換寿命を超えた部品を無償で交換してくれる同サービスは、忘れがちな定期交換を確実に行えるだけでなく、保守要員が交換作業を行ってくれるので、交換の手間も省くことができる。ただし、指定の消耗品を使用する必要があることと、120万ページの耐久枚数に到達した場合は5年以内でもサービスが終了する点には留意して欲しい。
さらに、無償のリモート保守補完サービス「ネットdeサポート」も用意されており、最低限の手間で運用したいというユーザーにおすすめの1台だ。
製品名 | B9500-Z |
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形式 | デスクトップ |
プリント方式 | LEDヘッド+乾式1成分電子写真方式S |
解像度 | エンジン解像度:300dpi/600dpi/1,200dpi データ解像度:300×300dpi、600×600dpi、1,200×1,200dpi |
ウォームアップ時間※1 | 電源投入時:19秒以下 省電力モード復帰時:17秒以下 |
ファーストプリント時間※2 | 6.5秒以下 |
連続プリント速度※3 | 片面印刷時:38枚/分(A4横)、25枚/分(B4縦)、22枚/分(A3縦) 両面印刷時※4:29面/分(A4横) |
インターフェイス | USB2.0インターフェイス(Hi-Speed)×1 LANインターフェイス(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)×1 |
消費電力 | 最大:約975W 動作時:約555W 印刷可能状態(レディー時):約110W 省電力モード時:約0.42W |
外形寸法(W×D×H) | 459×392×347.5mm※5(突起物およびトレイ延長時を除く) | 質量 | 約20.2kg(本体、電源コード、消耗品含む) |
※1 温度23°C/湿度50%RH環境においての値です。使用環境によっては表記より時間がかかる場合があります。
※2 給紙スタートから排紙完了までの時間(1段目カセット給紙:A4横給紙時)
※3 印刷用紙サイズ、条件により速度が異なります。
※4 両面表裏印刷1枚=2面(イメージ)
※5 トレイ延長時は奥行は、526.5mmになります。