大判プリンターの活用シーンとしてまず思い浮かべるのが、土木建築分野や製造分野だろう。クラウドサービスなどにより、どこからでも必要なデータにアクセスできるようになった現在、エントリーモデルの大判プリンターが現場にあれば、生産性は大きく向上できる。また、大判プリンターによる内製化を進めたいが、活用方法が分からないというユーザーは少なくない。そんな時は、ソリューションとして提案していただきたい。

キヤノンの『iPF670』は、A1ノビサイズに対応した同社の「imagePROGRAF(イメージプログラフ)」シリーズのエントリーモデルに位置づけられる大判プリンターだ。
A1サイズ1枚の出力速度は約28秒で、用紙の給排紙を効率化することで、高速印刷を実現している。また、「お試し印刷機能」を搭載しているので、最終的な出力以外の印刷に使用するインク量を半分程度に抑えることが可能だ。さらに、「アカウンティング機能」を使用すれば、インクや用紙の使用量から印刷コストをシミュレーションすることもできるので、データに基づいたランニングコストの削減を実行できるだろう。
高精細印刷では、距離精度±0.1%、最小線幅0.02mm、最高解像度2,400×1,200dpiを実現している。カラー線画とモノクロ線画の2つのCAD専用モードも用意されているので、図面に求められる高精度印刷を行う際にも申し分ない。また、ポスター用途のコート紙への印刷にも「速い」モードが新設されており、ポスターを内製化する際でも、従来機よりも出力時間を短縮できる。
『iPF670』にはソフトウェアの同梱をはじめとして、使い勝手についてさまざまな配慮が施されている。インクや用紙の交換といった操作はすべて本体前面から行うフルフロントオペレーションを採用しているので、本体を壁につけて設置することが可能だ。現場事務所やスペースに余裕がない小規模事務所でも、空間を有効に利用することができる。また、インクタンクが空になっても、サブインクタンクからインクを自動で供給する「ストップレスインクタンク交換」システムを採用しているので、作業途中にインク切れになるといった事態を防止できる。
同梱されているソフトウェアにも注目したい。「imagePROGRAF Direct Print & Share 2.0」はファイル出力と共有を行うソフトだ。JPEG、TIFF、PDF、HP-GL/2形式のファイルをアプリケーションを使用することなく印刷できる。また、「PosterArtist Lite」は、手軽にポスターを作成できるソフトだ。小売、流通、飲食、文教、一般オフィスなどに向けた豊富なテンプレートやクリップアートが用意されているので、専門的なスキルがなくても、ポスターの内製化を実現できる。
CADを使用する分野はもちろん、それ以外の分野にも同製品を新たなソリューションとして提案していただきたい。
商品名 | imagePROGRAF iPF670 |
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プリントヘッド(ノズル数) | MBK5,120ノズル、BK/C/M/Y×各2,560ノズル 計15,360ノズル |
最高解像度 | 2,400×1,200dpi |
インクタンク | 容量 :各色130ml(初期同梱インクは90mlになります) 供給方式:チュービング方式(サブタンク付き) |
最大用紙幅 | 610mm(24inch/A1ノビ) |
対応OS(標準添付プリンタードライバー※1)※2 | Windows:Windows 8/Windows 8.1/Windows 7/Windows Vista/Windows XP/Windows Server 2003/Windows Server 2008/Windows Server 2012 Mac※3:Mac OS X 10.6.8以降 |
インターフェイス | 10Base-T/100Base-TX/1000Base-T、Hi-Speed USB |
消費電力 | 動作時:140W以下 省電力待機時(低電力モード時):5W以下 |
外形寸法(W×D×H・本体のみ) | 997×698×508mm | 本体重量 | 約43kg |
※1 Adobe Illustratorなどのポストスクリプト対応アプリケーションから出力する場合は、オプションのソフトウェアRIPをご使用ください。同梱プリンタードライバー(imagePROGRAFプリンタードライバー)から出力した場合、長尺、大判の画像が正しく出力されない場合があります。
※2 「Microsoft Windows」、「Mac OS」などの最新のOS対応状況については、製品別OS対応状況ページをご確認ください。
※3 Mac OS用ドライバーはソフトウエアダウンロードページからダウンロードしてください。