デザインコンペなどで使用するカンプ(完成予想図)や、デザインサンプルに求められるクオリティは以前より高まっている。しっかりと作り込んだ資料がなければ、印象に残るプレゼンテーションは不可能で、コンペに勝ち残ることも難しい。原寸大のポスターや、大判の建築パースがあれば、クライアントも出来上がりをイメージしやすく、印象にも残りやすい。今や、大判プリンターはデザイン系業務の必須ツールであるといえる。

キヤノンの『PRO-4000』はB0サイズに対応した大判プリンターだ。同社従来モデル「iPFシリーズ」と比較して、本体横幅を30cm小さい、1,593mmに抑えることに成功した。これまで設置場所が確保できず、大判プリンターの導入を諦めていた場合でも検討できる一台だ。大判プリンターは排紙スペースも必要だが、同製品では「マルチポジションバスケット」を採用し、前面排紙、平面積載など、用途とスペースに応じた排紙スタイルが可能。さらに、排紙は内側に巻き取ることも可能なので、プリンター前面のスペースも十分に確保することができる。
マルチファンクションロールシステムにより、ロール紙を2本同時にセットすることができ、異なるサイズや種類の用紙の同時セットが可能に。また、混載できる3種類の容量のインクタンクが用意されているので、各色の使用頻度に応じて選択できるのも嬉しい点だ。
『PRO-4000』では、高い色再現を実現する12色インクシステムが採用されている。新開発の顔料インクである「LUCIA PRO インク」には、4種のブラックインクが用意されており、モノクロ画質が向上。さらに新顔料インクにはシリコーンオイルが添加されているので、印刷面が保護され、傷がつきにくくなっている。また、12色のなかには同社独自技術の「クロマオプティマイザー」も搭載。これは光沢用紙のプリント時に透明インクを吹き付けることで、本来はムラが出てしまう印刷面を均一化する機能だ。これによって、プリント本来の色と、引き締まった黒を忠実に再現してくれる。同社の写真用紙と組み合わせることでアルバム保存約200年の長期保存も可能で、高画質な作品を長く楽しむことができる。
デザイン系業務の必須のツールともいえる『PRO-4000』を、設置場所の再検討とあわせて提案していただきたい。
型番 | PRO-4000 |
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プリントヘッド(ノズル数) | MBK/PBK/C/M/Y/PC/PM/GY/PGY/R/B/CO × 各色1,536ノズル 合計18,432ノズル |
最高解像度 | 2,400 ※1×1,200dpi |
インクタンク |
【容量】 各色 160ml/330ml/700ml(混在可能) 【供給方式】 チュービング方式(サブインクタンク付き/印刷中のインク交換が可能) |
給紙方法 | 手差し、ロール紙(オプション装着時はダブルロール給紙可能) |
最大印刷可能長 ※2 | 18m |
最大用紙幅 | 1,118mm(44inch/B0ノビ) |
使用可能用紙サイズ |
【ロール紙】 ISO:A3、A3ノビ、A2、A1、A0 JIS:B4、B2、B1、B0 ARCH:24"、30"、36" その他:8"、10"、14"、16"、17"、42"、44"、バナー(300mm) 【手差し(カット紙)】 ISO:A4、A3、A3ノビ、A2、A2ノビ、A1、A0、B4、B3、B2、B1、B0 DIN:C4、C3、C2、C1、C0 JIS:B4、B3、B2、B1、B0 ANSI:8.5×11"、8.5×14"、11×17"、13×19"、17×22"、22×34"、28×40"、34×44" ARCH:9×12"、12×18"、18×24"、24×36"、26×38"、27×39"、30×42"、36×48" 写真:大全(20×24")、全紙(18×22")、半切(14×17")、小判切(12×16")、四切(10×12")、四切W(10×15")、六切(8×10")、USフォト(16×20") ポスター:20×30"、30×40"、42×60"、44×62"、300×900mm その他:13×22" |
インターフェイス ※3 | USB:Hi-Speed USB 有線LAN:10Base-T、100Base-TX、1000Base-T 無線LAN:IEEE802.11n/g/b |
消費電力 | プリント時:112W以下 スリープ時:1.8W以下 |
外形寸法(W×D×H) | 1,593×766(バスケット開時は984)×1,168mm |
質量 | 約123kg |
※1 最小1/2400インチのドット(インク滴)間隔で印刷します。
※2 最大印刷可能長はOSおよびアプリケーションにより異なります。
※3 Wi-Fiと有線LANは同時使用不可。