大判インクジェットプリンターの性能向上によって、大判のポスターやCADの出力でも内製化できるようになった。そこで気になるのが、印刷の品質だ。CADの現場では、細かな文字や線がはっきりと出力できる印刷機が求められる。また、ポスター制作であれば、高い発色性に加え、屋外に掲示する場合には耐水性なども求められる。さらに、大判出力には時間がかかり、用紙の補充などにも一手間かかる。生産性も製品選択の重要なポイントだ。
キヤノンの『TX-2000』は、A1ノビサイズに対応した大判インクジェットプリンターだ。新たに開発された5色フル顔料インク「LUCIA(ルシア) TD」が採用されており、図面やポスターの高画質な出力を可能にしている。インク受容層のない普通紙でも鮮明に出力できるので、細かな線や文字の多いCAD用途にも最適。また、普通紙でも高い発色性を実現しているので、大判ポスターも低コストで作成できる。同社は耐水ポスター用紙も用意しているので、屋外や水に濡れる可能性がある場所に掲示するポスターも内製化が可能だ。
単発の制作だけでなく、大量の出力にも対応する同製品のインクタンクは、160ml、330ml、700mlの3種類が用意されている。各色の使用頻度にあわせて選ぶことができるので、インク補充の頻度を減らすことが可能だ。そのほか、オプションには排紙後のカールを抑えるフルフロントスタッカーが用意され、導入することで定型図面100枚までを積載することができる。
『TX-2000』には、排紙を自在に調整できる「マルチポジション・バスケット」を採用している。前面排紙やスロープ排紙、比較的小さいサイズの用紙で使用できる平面積載など、多様な排紙スタイルを選択できる。オプションの「マルチファンクションロールシステム」を利用すれば、2本のロール紙をセットできるので、大量印刷や異なる用紙を切り替えて印刷する際などの省力化が可能だ。また、新開発の1.07インチ幅のプリントヘッドを搭載することで、同社従来モデルよりも印刷速度が約15%向上。チッププレート形状も最適化され、インク濃度のばらつきや色ムラを抑えてくれる。
建築、土木、製造、デザインなどさまざまな分野の大判印刷用として、高品質の印刷と生産性向上を両立させた同製品を提案していただきたい。
機種名 | TX-2000 |
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対応OS(プリンタードライバー※1) | 【Windows】 Windows 7、Windows 8.1、Windows 10、 Windows Server 2008/2008 R2/2012/2012 R2/2016 【Mac】※2 OS X 10.10.5~10.11.x/mac OS 10.12.x~10.13 |
プリントヘッド(ノズル数) | MBK×5,120ノズル、BK/C/M/Y×各2,560ノズル 計15,360ノズル |
最高解像度 | 2,400※3×1,200dpi |
インクタンク | 【容量】 各色160/330/700ml(混在可能。初期同梱インクはMBK:330ml、BK/C/M/Y:160ml) 【供給方式】 チュービング方式(サブタンク付き/印刷中のインク交換が可能) |
インターフェイス※4 | USB:Hi-Speed USB 有線LAN:10Base-T、100Base-TX、1000Base-T 無線LAN:IEEE802.11n/g/b |
電源 | AC 100V(50/60Hz) |
消費電力 | 動作時91W以下、スリープ時3.6W以下 |
動作環境※5 | 温度:15~30℃ 湿度:10~80%(ただし結露なきこと) |
外形寸法(W×D×H) | 本体のみ:1,110×734×628mm スタンド装着時:1,110×766×1,168mm(バスケット閉時) |
本体重量 | 約74kg/オプションスタンド装着時約91kg |
※1 Adobe Illustratorなどのポストスクリプト対応アプリケーションから出力する場合は、オプションのソフトウエアRIPをご使用ください。同梱プリンタードライバー(imagePROGRAFプリンタードライバー)から出力した場合、長尺、大判の画像が正しく出力されない場合があります。
※2 Apple社OSに対応のドライバーはメーカーサイトよりダウンロードしてください。Mac OS Xにおけるクラシックモードには対応しておりません。Intelプロセッサー搭載Macには対応しておりますが、Rosetta上の動作は保証しておりません。
※3 最小1/2,400インチのドット(インク滴)間隔で印刷します。
※4 Wi-Fiと有線LANは同時使用不可。
※5 温度・湿度条件によっては、印刷品質の低下が起きる場合があります。