企業には高い情報セキュリティが求められる。カードタイプの身分証を発行している企業は多いが、カード作成を外注している場合、個人情報漏えいのリスクを抱えることになる。また、顧客向けのサービスとしてカード作成をする場合には、その場でカードを発行することで顧客満足度の向上を実現できる。ICカードや磁気カードを使えば、さまざまな情報を記録させておけるので、より多彩なサービスの提供も可能になる。
キヤノンの『IX-R7000』は、再転写技術を採用したIDカードプリンター。カードに直接印刷するのではなく、転写フィルムに一度画像を転写させてから加熱することでカードへ印刷する技術だ。直接印刷するよりも多くの材質のカードに対応でき、多少の凹凸があるカードにもきれいに印刷できるという特長がある。
同製品では、再転写技術を採用することでカード全面への縁なし印刷にも対応した。印刷解像度は600dpiで、約1mmの大きさの3ポイントの文字も鮮明に印刷できる。小さい文字だけでなくQRコードもコンパクトに印刷できるので、より自由にカードをデザインすることが可能だ。
『IX-R7000』は、生産性の高さにも注目したい製品だ。オプションのエンコーダーを使用すれば、ICカードや磁気カードを印刷しながらエンコードすることが可能になる。FeliCaなどの非接触ICを搭載したIDカードを多量に作成する際には、ぜひ利用したい。
印刷速度も高速だ。高速印刷を実現するために「RTEC(Real Time Extension Control)制御」の技術特許を保有し、表面カラーで約25秒/枚、表面カラー、裏面モノクロでも約45秒/枚の速さを実現している。片面フルカラーのIDカードであれば、1時間で約145枚の印刷が可能。カード供給カセットには最大で250枚のカードをセットでき、印刷中も補充が可能なので頻繁に補充する必要はない。なお、印刷コストは表面カラーで約60円/枚、表面カラー、裏面モノクロでも約96円/枚だ。
さらに同製品には、IDカード作成専用ソフトウェア「Artland」がオプションで用意されている。カード発行のワークフローに配慮した設計で、データベース管理により社員証や学生証、会員証の発行業務を効率化することができる。個人情報に直結するIDカードの作成には高い情報セキュリティが求められる。情報漏えいリスクの低減とカード作成の外注費の削減を同時に実現できる同製品の導入を、ぜひ提案していただきたい。
製品名 | IX-R7000 |
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印刷方式 | 昇華型/溶融型(文字)再転写印刷方式 |
印刷面 | 片面、両面 |
印刷可能媒体 | PVC、PET、PET-G、PC ※キヤノンが推奨するカード以外は、事前の印字確認をおすすめ致します。 |
解像度 | 600dpi |
印刷可能領域 | 全面※1 |
カードサイズ(横幅×厚さ×高さ) | 54.0×0.76×85.6mm(JIS X 6301準拠) |
印刷スピード | 約25秒/枚:片面フルカラー(YCMK)時 約45秒/枚:両面(片面フルカラー+片面モノクロ時) 約50秒/枚:両面フルカラー時、生産性:145枚/時(片面フルカラー印刷時)※2 |
ウォームアップタイム | 主電源立ち上げ時2分以内(室温23℃、湿度55%) |
プリンタードライバー 対応OS |
Windows 10/8.1/7(各32bit/64bit、⽇本語版) |
インターフェイス | USB2.0Hi-speed 100BASE-TX RS-232C |
電源AC | 100V 50/60Hz |
消費電力 | 300W以下(AC100V使用時) |
外形寸法(W×D×H) | 約340×297×436mm(排出スタッカーを除く) |
重量 | 約19.5kg(本体のみ) |
本体耐久 | 5年または印刷10万画面(どちらか早い方) |
無償保証期間 | 1年間(カスタマープレミアサイトで保証書登録を行った場合) |
※1 端面などカードが平らでない箇所は印字できない場合があります。
※2 温度条件23℃湿度55%において片面フルカラー印刷時。