大判プリンターの用途は多彩だ。建築、土木、製造業などではCAD図面の出力に使われることが多いだろう。小売業であれば販促用のポスターや垂れ幕、公共施設であれば告知や案内などを大判で印刷できる。教育現場では教材を拡大コピーして使用することで、児童生徒の理解度を深めることもできるだろう。いずれの用途でも重要なのが、ランニングコストと印刷速度だ。安く、速く印刷できなければ、気軽に利用することができない。
エプソンの『SC-T3455』はA1サイズに対応したインクジェットプリンターだ。同社従来モデルでは、インクカートリッジの容量が110mlと350mlの2種類であったが、同製品からは700mlのカートリッジが追加されており、印刷頻度が高いユーザーには、ランニングコスト削減効果が期待できる。
さらに、容量の異なるインクカートリッジを混載できるので、よく使う色は大容量カートリッジを使い、そのほかの色はより小さなカートリッジを使うといったことも可能だ。カートリッジの交換頻度を減らすことにもつながるので、メンテナンスの手間も低減できる。
給紙方法は1枚ずつ手差しする方法とロール紙を使用する方法がある。ロール紙のホルダーはロール紙外径170mmまで対応しているので、大容量のロール紙を使用してコストダウンを図ることも可能だ。また、普通紙に加えて電飾用フィルムへの印刷も可能なので、パネル本体にLEDを搭載しているポスターフレームを利用した、効果的なプロモーションを行うことも可能だ。
大判プリンターでは印刷速度が気になるところだが、『SC-T3455』では高速印刷を実現している。従来から搭載されていたCADドラフトモードに加え、ポスターなどの高速印刷ができるPOPドラフトモードが新たに搭載された。ドラフトモードで印刷すれば、A1サイズのCAD図面が約25秒、ポスターは約24秒で出力できる。ドラフトモードで印刷して社内チェックを行い、納品用には通常モードで出力すれば、業務の効率化につながる。A1ポスターの印刷コストは約16円なので、あまりコストを気にすることなくチェック用の出力ができる。
また、同社のスキャナーや複合機を接続することで、PCレスで拡大コピーを行うことが可能だ。授業で使う資料などをPCレスで高速に作成できるのは、忙しい現場の教員には嬉しい点だろう。
同社の大型インクジェットプリンターには、このほかにも同製品のスタンドなしモデルの「SC-T3455N」やA0プラスサイズに対応した「SC-T5455」もラインアップされている。ユーザーのニーズに合った製品をおすすめしていただきたい。
型番 | SC-T3455 | |
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形式 | デスクトップタイプ | |
印字方式/最高解像度 | PrecisionCoreインクジェット方式 2,400dpi×1,200dpi |
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ノズル配列 | ブラック | 800ノズル(800ノズル×1色) |
カラー | 2,400ノズル(800ノズル×3色) | |
印刷速度※1 | 【ポスター】 <普通紙ロール<厚手/薄手/A1サイズ> 300dpi×600dpi ドラフト 双方向印刷オン:約24秒 <普通紙ロール<厚手/薄手/A1サイズ> 600dpi×600dpi 速い 双方向印刷オン:約33秒 【CAD】 <普通紙ロール<厚手/薄手/A1サイズ> 300dpi×600dpi ドラフト 双方向印刷オン:約25秒 |
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ランニングコスト※1 | 【ポスター】 <普通紙ロール> <厚手/薄手/A1サイズ> 300dpi×600dpi ドラフト 双方向印刷オン:約16円 <普通紙ロール<厚手/薄手/A1サイズ> 600dpi×600dpi 速い 双方向印刷オン:約47円 【CAD】 <普通紙ロール<厚手/薄手/A1サイズ> 300dpi×600dpi ドラフト 双方向印刷オン:約6円 |
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インターフェイス | USBインターフェイス(Super-Speed USB) 1000BASE-T/100BASE-TX、 IEEE802.11b/g/n、USBホスト |
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消費電力 | 約34W(動作時) 約1.3W(待機時) |
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外形寸法(W×D×H) | 1,080×750×1,070mm | |
質量(インクカートリッジ含まず) | 約64kg |
※1 ランニングコストは税別です。印刷速度測定環境についてはメーカーサイトをご覧ください。