プロジェクターが普及しさまざまなシーンで利用されるようになると、ユーザーのニーズが多様化し、それに合わせた製品が開発されるようになる。その一つが超短焦点タイプのプロジェクターだ。スクリーンとの距離が十分に確保できない場合でも、大画面を投写できる短焦点プロジェクターを使えば、迫力ある画面を投写できる。また、プレゼンターが投写光を遮ってスクリーンに影が映ることもない。
キヤノンの『LH-WX370UST』は超短焦点タイプのプロジェクターだ。光源には複数の青色LEDを円筒状に配置し、中央部の蛍光体ロッドで集光した光を黄色に変換して出力するHLD (High Lumen Density)LEDを採用した。拡散しがちなLEDの光を効率よく利用することで、LED光源ながら3,700lmの輝度を実現している。
さらに、光源寿命は最長で20,000時間と、メンテナンスの手間とコストを軽減している。もちろん水銀は不使用なので環境への負荷も抑えることが可能だ。また、LCDパネルにマイクロレンズを追加した光学システムを採用し、明るく色鮮やかなWXGA(1,280×800画素)の画像を投写することが可能となっている。
『LH-WX370UST』は、反射ミラーを採用した本体設計により投写比0.24:1の超短焦点を実現している。これは壁などに本体をぴったりと付けて投写した場合でも80型の大画面を投写できる投写比だ。これにより狭い会議室や店頭の狭隘なスペースでも迫力ある大画面を投写できる。スクリーンとプロジェクターの間にプレゼンターが位置することがないので、プレゼンターが投写光を眩しく感じることもない。
また、同製品はセンターフォーカスとコーナーフォーカスの2種類のフォーカス機能を搭載、投写下画面の中心部と周辺部のフォーカスを個別に調整することができる。さらに、4点キーストーン補正や湾曲補正機能も搭載している。短焦点プロジェクターはピントが甘くなりがちといわれているが、同製品であれば、画面の隅々までピントの合った鮮明な映像を投写できる。
さらに、USBメモリービューワー機能を利用すれば、PCレスで投写することが可能になる。デジタルサイネージ用やインフォメーション用など、PCを設置しにくい場所での投写にはぜひ利用したい機能だ。
機種 | LH-WX370UST |
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映像素子、枚数 | 透過型液晶パネル(LCD)×3枚 |
パネル | 【画素数】 1,024,000画素 (1,280×800)×3枚 【解像度(リアル対応)】 WXGA(リアル対応) WUXGA(最大入力解像度) 【表示サイズ、アスペクト比】 0.64型、16:10 |
光源 | 【タイプ】 HLD LED 【明るさ※1,2】 3,700lm |
表示可能解像度 | 【アナログRGB入力時】 WUXGA/FHD/UXGA/WSXGA+/SXGA+/SXGA/WXGA+/WXGA/XGA/SVGA/VGA/Mac16" 【ビデオ入力時】 NTSC/NTSC4.43/PAL/SECAM/PAL-M/PAL-N 【コンポーネント入力時】 1,080p/1,080i/720p/576p/576i/480p/480i 【HDMI入力時】 デジタルPC:WUXGA/FHD/UXGA/WSXGA+/SXGA+/SXGA/WXGA+/WXGA/XGA/SVGA/VGA/Mac16" デジタルビデオ:1,080p/1080i/720p/576p/576i/480p/480i |
定格電源電圧 | AC100-240V:50/60Hz |
消費電力(ノーマル/エコ) | 525/295W |
待機電力(LAN ON/OFF) | 2.0/0.4W |
外観寸法(W×D×H・突起部含む) | 408×428×173mm |
質量 | 約10kg |
※1 出荷時における本プロジェクター全体の平均的な値を示しており、JIS X 6911: 2015データプロジェクターの仕様書様式に則って記載しています。測定方法、測定条件については附属書Bに基づいています。
※2 イメージモード:プレゼンテーション