無線LANネットワークに用いられる電波は反射する性質があり、壁やパーテーションなどの障害物の影響で、電波が弱まり死角を作ってしまうことがある。こうしたトラブルを防ぐための調査用ソフトが、Ekahauの『サイトサーベイVer.9 プロフェッショナル』だ。フロアのCADデータや画像データをもとにシミュレートし、電波の有効範囲をビジュアル化することが可能。無線LAN機器の配置やチャネル設計等を最適化するために役立てられる。

『サイトサーベイVer.9 プロフェッショナル』は、無線LANネットワークの電波分布を調査できるWindows用ソフトだ。建物のフロアマップをCADファイルもしくはPDFデータからインポートし、オフィスの「壁」情報を簡単に描画。そのうえで、電波を届けたい範囲や、Webやメールなど利用する環境、アクセスポイントのスペックを設定すると、アクセスポイントのレイアウトが自動で作成される。
作図されたレイアウト上では、アクセスポイントを動かしたり、機器を追加したりと、手動で変更を加えてのシミュレーションが可能。適切な配置で機器を設置できるため、電波を遮断されることなく全体に行き渡らせることが可能となり、範囲が過剰に広いせいで傍受される原因になるといったトラブルを防止できる。また、不正に設置されているアクセスポイントの検出や、電波干渉を防ぎパフォーマンスを確保するためにチャネルを調整するよう指示する機能もあり、無駄なく快適な通信環境を構築することが可能だ。
同製品には管理者の負担を軽減する機能が豊富に搭載されている。分析機能として20種類以上のヒートマップを備えており、Wi-Fiネットワークのトラブルシューティングに活用できる。例えば信号強度やチャネルの重複、通信容量要件などを確認しながら、各設定が最適になるよう微調整していくことが可能だ。また、報告書作成機能も充実しており、テンプレートをもとに、表やスクリーンショットを盛り込んだ報告書を短時間で作成できる。
1年間の保守対応が付いたモデル『ESS-PRO-9X-1』や、リアルタイムで周波数をモニタリングできるスペクトラムアナライザもセットになった1年保守モデル『ESS-PRO-ESA-9X-1』がラインアップ。安定かつ快適な無線LAN敷設を実現するツールとして、お客様にご提案いただきたい。この他、Ekahauサイトサーベイには、本記事で紹介した無線LAN機器の自動配置や報告書機能を制限したスタンダード版もある。
商品コード |
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ESS-PRO-9X-1(サイトサーベイプロライセンス + 1年保守) ESS-PRO-ESA-9X-1(サイトサーベイプロライセンス + 1年保守 + スペクトラムアナライザ) |
推奨スペック |
1.5GHz以上クラスのマルチコアCPUを搭載したノートPCやタブレットPC 対応OS:Windows/7(32/64bit) /8(32/64bit) /10(32/64bit)、Mac/10(ベータ版)/11(ベータ版) RAM:4GB以上(推奨16GB以上) HDD:1GBの空き容量を推奨 |
壁情報のインポート |
建物のCAD、もしくはPDFファイルをインポートし、『壁』情報を簡単に描画できます。手入力に比べ、大幅な時間短縮になります。有効なWi-Fiネットワークを構築するのが最大の目的なので、壁の描画作業に時間をかけるのは大変非効率です。情報のインポート化によって、壁描画が短時間で行えます。 |
オートプランナー |
オートプランナーを使用すると、実現したいカバー範囲とキャパシティ(通信容量)プラニングに応じた自動デザイン作成が可能です。オートプランナーは、こうしたネットワーク要求を加味し、最適なアクセスポイント設置位置とチャネルアサインメントを行います。 |
サイトサーベイ |
さまざまなサーベイタイプを実行できます。外付けのワイヤレスNICを使うと、2.4GHz帯と5GHz帯の両方の帯域で、正確なパッシブサーベイを行うことができます。外付け、または内蔵のワイヤレスNICで、アクティブサーベイを行うことも可能です。また、PingまたはThroughputサーベイのどちらも行うことができます。スペクトラムアナライザを接続すると、サーベイと同時にスペクトラム収集を行うことも可能です。こうして、収集したスペクトラムデータをフロアプランに表示することが可能です。 |
ヒートマップ |
20種類以上のヒートマップを持っています。ドロップダウンメニューから、最適なヒートマップを選択し、Wi-Fiネットワークのトラブルシューティングに活用できます。信号強度、チャネル重複、通信容量要件などに応じて、Wi-Fiネットワークを最適になるように微調整していくことができます。 |
スペクトラムアナライザとの統合 |
原因は不明だが、Wi-Fiネットワークのパフォーマンスが落ちるといったトラブルは頻繁に起こります。リアルタイム周波数モニターであるスペクトラムアナライザを使うと、問題のあるエリアを特定することができます。 |
報告書作成 |
報告書作成機能が充実しており、表やスクリーンショットを盛り込んだ報告書が短時間に作成できます。報告書テンプレートをカスタマイズすれば、定型的な報告書に、ご自身で特徴などを盛り込んだ報告書が、簡単に作成できます。 |