情報セキュリティへの備えは厳しくなることはあっても、緩められることはない。どこまでが「最低限」の対応なのかは議論が分かれるところだが、ポータブルHDDであれば、暗号化やパスワードロックは必須の機能といってもよいのではないだろうか。また、紛失や盗難による情報漏えいは後を絶たないが、オフィス内だからといって安心することはできない。ポータブル機器にはセキュリティワイヤーを取り付けるなども必要だ。
アイ・オー・データ機器の『HDPD-SUTB』シリーズはセキュリティ機能を強化したポータブルHDDだ。500GB、1TB、2TBの3モデルがラインアップされている。同製品に保存されるデータはすべて自動でハードウェア暗号化が施される。暗号方式はAES256bitを採用し、万一、HDDが盗難に遭った場合でも、情報漏えいのリスクを抑えてくれる。完全に自動なので、暗号化をうっかり忘れてしまうといった、人的ミスも防ぐことができる。
データのアクセスにはもう1つのセキュリティ機能が搭載されており、パスワードを入力する必要がある。5回連続して誤ったパスワードを入力した場合、HDDはロック状態になり、初期化しなければ使用できない状態になる。情報漏えい防止には効果的だが、万一のパスワード忘れや、不用意なパスワード保存を行わないなど、運用上の注意も必要だ。
モバイル機器の場合は、本体そのものの盗難にも対応する必要がある。同製品にはケンジントンスロットが搭載されているので、セキュリティワイヤーなどによる盗難防止対策を施すことが可能だ。オフィスや受付のほか、イベント時などにも活用したい。
『HDPD-SUTB』シリーズは、ポータブルHDDに必要な耐衝撃性能も備えている。米国国防総省の採用基準である落下試験「MIL-STD」に準拠した、人間の胸の高さを想定した122cmからの落下試験に合格。また、外装に耐久性の高い「熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)」、内装に耐衝撃性の高い「ポリカーボネート(PC)」、「衝撃吸収ダンパー」を備えており、万一の落下に対しても強固なボディがドライブを保護してくれる。
同等の耐衝撃性能を備えたモデル『HDPD-UTD』シリーズも姉妹品としてラインアップされており、こちらは自動暗号化やパスワードロック機能はないものの、代わりにAcronis製バックアップアプリを添付。堅牢性とあわせて、データのバックアップ用途に最適だ。ユーザーの利用形態に合わせたモデルを提案していただきたい。
型番 | HDPD-SUTB500(500GB) HDPD-SUTB1(1TB) HDPD-SUTB2(2TB) |
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対応機種※1 | USB 3.0/USB 2.0を装備したパソコン
(当社製USB 3.0/USB 2.0インターフェイスを装備した機種を含む) ■Windowsパソコン ■Mac |
対応OS※2 | Windows 10、Windows 8.1、Windows 8、Windows 7 Windows Server 2012 R2、Windows Server 2012、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2008 OS X 10.9~10.11、macOS 10.12 |
インターフェイス | USB 3.0/USB 2.0(Micro Bコネクター) |
電源 | USBバスパワー |
フォーマット | NTFS |
設置条件 | 横置き |
外形寸法(W×D×H・本体のみ) | 約84×120×19mm |
質量(本体のみ) | 約180g |
保証期間 | 1年保証 |
※1 USB 3.0でご使用いただくには、USBポートおよびOSがUSB 3.0に対応している必要があります。対応していない場合は、USB 2.0として動作します。
※2 ソフトウェアの対応OS詳細は、メーカーサイトにてご確認ください。