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BPNavigator Vol106掲載(2019年11月)

Arcserve Japan

Office 365のアーカイブを超高速検索し
必要なメールデータを抽出

Office 365の運用では、退職者のメールデータなどの確実な保存が求められる。同社が提供するArcserve UDP Archivingは、こうした課題の有効な解決策になるだろう。

ソリューション統括部 シニアコンサルタント
近藤 大介氏

同社が推奨するクラウド移行ツールには、「Arcserve Replication」と「Arcserve UDP」があり、それぞれ「OSマイグレーションとクラウド移行を同時に行う」、「OSごと“まるっ”と移行」に適していることを前回紹介した。

今回はまずAzure移行後のバックアップという観点から同社製品を見ていこう。「ArcserveUDP」は、Office 365のExchange Online、SharePoint Online、OneDriveの包括的なバックアップとリカバリが可能。またOffice 365やG-mailなどのクラウドベースのメールシステムの運用では、コンプライアンスの観点から退職者のメールデータ保管が大きな課題になっている。この問題に対応するのがメールアーカイビングソリューション「Arcserve UDP Archiving」だ。Exchange Online、G Suiteなどに対応し、同製品の注目ポイントは、独自開発の超高速検索機能である。

「メールアーカイビングは、増え続けるメールをどう管理していくかが大きな課題になります。同製品の場合、論理演算子などを利用し、必要なメールデータにすみやかに検索することが可能です」(ソリューション統括部 プリンシパル コンサルタント 近藤 大介氏)

同製品はアクティブなメールボックス単位の課金で利用でき、またメール検索機能はOutlookアドインとして運用も可能だ。
クラウド・トゥ・オンプレのバックアップの観点では、「Arcserve UDP」をプリインストールしたバックアップ専用アプライアンスにも注目したい。バックアップに必要な管理コンポーネントはすべてインストール済みで、ウィザードに従い基本的な設定をするだけですぐに使いはじめることができる。
「バックアップサーバー提案は常にサイジングが大きな課題になります。同製品であれば、バックアップ対象の台数を問わず、ライセンスが使い放題というメリットがあり、パートナー様にとっても売りやすい製品になるはずです。バックアップ容量がオーバーしたらその都度、台数を増やしてスケールアウトしていくという使い方も可能です。ハイブリッドクラウド提案では、ぜひアプライアンスにも注目いただきたいと考えています」  前回も触れた通り、サポートの充実度も同社の特長の一つ。神保町にあるオフィスではハンズオンセミナーも随時開催し、エンドユーザー様自身が移行を行うケースも多いという。バックアップのサポートを切り離し、手離れよくセールスが行える点は、パートナー様にとってもメリットになるだろう。

Red Hat Ansible Engine

Commvault Systems Japan

ウィザード形式の設定画面でスムーズな移行、
バックアップ設定が行える

クラウド移行からバックアップまで、ワンストップでカバー出来ることに加え、ウィザード形式の設定画面もCommvaultの特長の一つ。ハンズオンセミナーで配付した体験版を試用し、そのまま本番運用に至るケースも多いという。

Acronis Snap Deploy
テクノロジーエバンジェリスト
伊吹山 正郁氏

「Commvault」はシンプルに移行を実現できる扱いやすいクラウド移行ツールと言える。Office 365への対応についても、Exchange Online、SharePoint Online、OneDrive のデータ保護とリカバリに対応。包括的なデータ保護ソリューションを提供する。前回は、仮想化サーバーにリソースの一部を割いたり、Azure側に「Commvault」を立ち上げるだけでも移行が行えるという特長を紹介したが、運用の容易さはそれだけではない。直感的に理解できる、ブラウザベースの管理コンソールの存在もその一つだ。

「機能が増えると操作も複雑になりがちです。その解決のため同製品は、ウィザード化できる部分は極力ウィザード化し、より簡単な手続きで操作が行えることを心掛けています。Azure移行も、ウィザード画面に従い、ハイパーバイザーの選択やサブスクリプションIDの入力などを行うだけで簡単に実行が可能です。当社のセミナーに参加されたエンドユーザー様には体験版と簡単な操作ガイドを提供していますが、体験版で試してみたらうまくいったので、そのまま本番運用に移行したというケースも少なくありません」(テクノロジーエバンジェリスト 伊吹山 正郁氏)

またクラウド移行後のバックアップツールとして利用されることが多いことも同製品の特長の一つ。この場合も、バックアップしたい仮想マシンにチェックを入れるだけで操作は完了する。

「Azureのバックアップ機能は、いくつかの単純な設定のみが可能となっており、細かいスケジュールやバックアップデータの保持などに関する制御ができません。企業としてのデータ保護・管理ポリシーが重要となるお客様にとっては大きな問題になります。そのため、Azureへの移行とセットでバックアップにも同製品を利用する事例は少なくありません。ライセンスも移行時のものが引き続き使えますし、重複排除によりバックアップ先をAzure Blobにしてもストレージコストを抑えることが可能であるため、リーズナブルな導入・運用が可能です」

また同社ではバックアップ専用アプライアンス製品を提供している。
「現実には、クラウドにフルコミッションするエンドユーザー様はそう多くありません。アプライアンス製品は、オンプレミスでもデータを管理したいというニーズに大きな役割を果たすと考えています」

重複排除に加え、Commvaultのコンポーネント間の通信において帯域制御なども可能となっており、小規模から大規模まで規模を選ばずクラウド移行に同製品を使う事は可能だが、クローズドな環境や、Express Routeの利用が難しい場合や、どうしても回線がボトルネックとなってしまう環境においてはAzure Data Boxを利用することも可能だ。国内でもすでにいくつかの問い合わせがあるという。

Red Hat Ansible Engine

ヴィーム・ソフトウェア

移行後のデータバックアップも含め
1ライセンスであらゆる用途に対応

オンプレミスとクラウドをまたぐ移行では、ライセンス切り替えが必要になることが少なくない。「Veeam Backup & Replication」の場合、Azure移行後も同一ライセンスでバックアップを行うことが可能だ。

NetApp ONTAP Select
シニア・システムズ・エンジニア
斉藤 乾氏

Azure移行ツールとして同社が推奨するのは、データマネジメントツール「Veeam Backup & Replication」。前回も紹介したとおり、「Veeam Backup for Office 365」を利用することで、Office 365データを包括的にバックアップしたうえで、Exchange OnlineのメールデータやMicrosoft One Drive内のオブジェクトなどを個別に復元することが可能だ。

「Veeam Backup & Replication」は、ライセンス形態に特長がある。クラウドに対応したインスタンスライセンスの場合、オンプレミス・クラウドにまたがるワークロードに対し1種類のライセンスで対応が可能。Azure移行後はバックアップツールとして転用できる。
なお製品名にもある「レプリケーション」は、オンプレミス間のバックアップが前提で、基本的にクラウドには対応していない。

次に、バックアップツールとしての特長を見ていこう。

まず注目したいのが、ストレージ側の重複排除機能との連携である。
「同製品も重複排除機能を備えていますが、やはり餅は餅屋ですね。EMC Data Domain Boost 、HPE StoreOnce Catalystなど、ストレージ側の重複排除機能と連携することで、双方の強みを生かした、高速かつデータ削減効果の高いバックアップが行える点は大きな特長の一つです。この場合も、リポジトリ(バックアップ先)登録時に重複排除ストレージを選択するだけで設定が行えます」(シニア・システム・エンジニア 斉藤 乾氏)

バックアップファイルから直接VMが起動できる、インスタントVMリカバリも注目ポイントだ。同製品の場合、どれだけ大容量のVMであっても、特定の復元ポイントを5分以内に再起動することが可能。バックアップデータ全体をリストアすることなく、復元ポイントを確認したうえで、スムーズな復旧が行える。バックアップファイルを本番環境にリストアする際、ウイルススキャンを行うセキュアリストアも注目したい。データを人質に身代金を要求するランサムウェア攻撃に対し、バックアップは有効な対策だ。感染ファイルを本番環境にリストアすることを避けるうえで、同機能は大きな意味を持つだろう。  作り込まれたUIも同製品の魅力の一つだ。日本語版が用意されていない点はあるが、例えばAzureへの移行の場合、選択が必要な数値は必ずデフォルト値が設定されているため、特別な理由がない限り、簡単に移行が行える。

「当社の場合、自社ですべてを完結させるのではなく、チームとして向き合う企業文化があります。外資系企業としては珍しく、直販を一切行わないのもそうした背景があってのこと。パートナー様と協業し、製品シェアを広げていきたいと考えています」

Red Hat Ansible Engine

ベリタステクノロジーズ

小規模にもメガマイグレーションにも対応
Office 365バックアップには専用製品を用意

クラウドへの移行、そして移行後のデータバックアップ・管理に関する課題を全方位的にカバーするベリタステクノジーズ。エンドユーザー様の課題解決には、目的に応じた使い分けが大切だ。

Syncpit
CISSP,Veritas Cerified Specialist テクノロジー セールス本部 パートナーSE部 部長
上 雄記氏

 Azure移行ツールとして同社は2製品を推奨している。VM100~1000台規模のメガマイグレーションに適した「Cloud Mobility」と10台程度までの移行に適した「Backup Exec」である。両製品ともOffice365に特化したバックアップ機能は備えていない一方、同社が提供するクラウドサービス「SaaS Backup」は、Office365、G-Suite、salesforceのバックアップに特化している。

同社データセンターを使ったホスティングサービスとして提供され、ストレージ等を調達する必要なく、確実なバックアップが行える点がその概要になる。1日最大6回のバックアップが行えると共に、検索機能も備え、過去に遡って復元ポイントをプレビューし、アイテム単位でリストアすることができる。

次にAzure移行後のバックアップツールとしての観点で両製品を見ていこう。「Backup Exec」の最大の特長が、AzureやAWSのマーケットプレイスでインスタンスが入手でき、ダウンロードしデプロイすることで評価版ライセンスが利用できる点にある。その点以外でも、同製品とAzureは高い親和性を備えている。

「Azure側にサーバーを立てることで、異なるクラウドの間でクラウド・トゥー・クラウドバックアップが行えるようになる点はその一例です。またクラウド・トゥ・オンプレミスのバックアップでは、オンプレ側にもサーバーを立てることで独自の重複排除の仕組みが利用できるようになります。また、ファイルサーバーのファイル、メールサーバーのメールなど、アイテム単位できめ細かくリストアを行うことも可能です」(テクノロジーセールス本部 Backup Exec担当 シニアセールスエンジニア スペシャリスト 河野 正志氏)

Syncpit
テクノロジー セールス本部 Backup Exec担当 シニアセールス エンジニア スペシャリスト
河野 正志氏

バックアップツールとしての「Backup Exec」は、高可用性という観点では制約も多い。それに対し、任意のクラウドへのレプリケーションサイト構築など、目的に応じた多様な運用が可能になるのが「Cloud Mobility」だ。

「現時点ではまだオンプレミスのクラウド移行やバックアップが中心ですが、今後はクラウド・トゥ・クラウドやクラウド・トゥ・オンプレによる、クラウド環境の最適化が大きな課題になると見られ、実際、そうした相談も増え続けています。クラウド最適化という課題にきめ細かく応えられるのが『Cloud Mobility』という位置づけになります」(CISSP,Veritas Cerified Specialist テクノロジーセールス本部 パートナーSE部 部長 上 雄記氏)

Red Hat Ansible Engine

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