【連載】
作業を効率化させる Excelテクニック集(8)
第8回 見やすいグラフを作るコツ
掲載日:2022/06/07

分かりやすい資料を作成するために意識しなければならないのが、グラフの見せ方だ。ただ数値が並ぶ表だけでは一見しても内容が把握しにくいが、グラフを利用することで視覚的に訴える力が格段に上がる。本記事では、グラフの基本的な作成方法から、グラフが見やすくなるアレンジ方法をご紹介する。
基本的なグラフの作成方法
まずは、グラフの作成方法を復習しよう。
1. グラフを作成するデータを選択する。
2. 「挿入」タブ>「グラフ」から、作成するグラフの種類を選択する。

これだけの操作でグラフが作成される。

グラフの縦軸と横軸は、行と列とで項目数の多いほうが項目軸(この場合は横軸)になる。
データの一部をグラフにする場合
1. 項目名になるセルを選択する。
2. グラフにするセルを[Ctrl]キーを押しながら選択する。
3. 「挿入」タブ>「グラフ」からグラフの種類を選択する。

グラフのデザインを変更する
作成したグラフを選択すると、「グラフのデザイン」タブが表示される(バージョンによっては「デザイン」タブ)。ここでは、タブ配下に表示される機能を紹介しよう。
「行/列の切り替え」
「グラフのデザイン」タブ>「データ」>「行/列の切り替え」をクリックすると、縦軸と横軸が入れ替わる。

左が元の表、右が入れ替えた表だ。もし表が分かりにくいと感じたら、このように縦軸と横軸を入れ替えてみよう。

「グラフ要素を追加」
「グラフのデザイン」タブ>「グラフのレイアウト」>「グラフ要素を追加」から、軸やグラフ タイトル、データ ラベルなどの要素を追加できる。

「データの選択」
グラフのデータ範囲、軸ラベルはグラフを作成した後でも変更可能だ。
1. 「グラフのデザイン」タブ>「データ」>「データの選択」を選択する。

「データ ソースの選択」ダイアログが表示される。
2. データの非表示、行/列の切り替えなどを行い「OK」ボタンをクリックする。

「グラフの種類の変更」
作成したグラフの種類も、後から変更できるものだ。
1. 「グラフのデザイン」タブ>「種類」>「グラフの種類の変更」を選択する。
「グラフの種類の変更」ダイアログが表示される。
2. 変更したいグラフを選択し、「OK」ボタンをクリックする。
どのグラフを選択すればいいのか迷うときは、「グラフの種類の変更」ダイアログの「おすすめグラフ」タブをクリックすると、その数値に合うグラフがいくつか表示されるので、そこから選択するとよい。

グラフの書式設定
グラフの色やフォントサイズのみを変更する方法は、2通りある。
「書式」タブから変更
「書式」タブからは、グラフの各要素の詳細設定が行える。
1. 設定するグラフの要素をクリックし、「書式」タブ>「現在の選択範囲」>「選択対象の書式設定」を選択する。そうすると、右に書式設定画面が表示される。
2. 色やフォントなどを変更する。

グラフ横のボタンから変更
グラフを作成すると、右側に3つのボタンが表示される。このボタンからも書式の設定が可能だ。
ボタンは上から「グラフ要素」「グラフ スタイル」「グラフ フィルター」となっている。

見やすいグラフを作成するには
デフォルトのグラフをさらに印象強く、そして見やすいものにするためには、次の3つを意識しよう。
その1 色の選び方
赤などの暖色と青などの寒色が並んでいると、多くの人は暖色系を重要事項と感じることが多い。そのため、主役に立てたいデータ部分を暖色、その比較になるデータ部分を寒色にすることをおすすめする。
設定は、グラフの要素を選択し、「書式」タブ>「図形のスタイル」>「図形の枠線」で行う。もしモノクロで印刷する予定がある場合は、「実線/点線」を使い分けよう。
棒グラフなど面の色を変えるときは「図形の枠線」から設定する。

その2 凡例を使わない
グラフの項目は「凡例」として、右や下にまとめて表示される。以下の例だと「エコバッグ」「トートバッグ」と表示されている箇所が凡例だ。
しかし、グラフと凡例が離れた場所にあると見づらいこともある。その場合は、「データ ラベル」を用いればよい。
1. グラフの線をクリックして全体を選択する。
2. その状態で、いちばん右の点をクリックする。
3. データラベルが表示されるので、そこをダブルクリックする。

4. 右に「データ ラベルの書式」が表示されるので、「系列名」にチェックを入れ、
「値」のチェックを外す。
5. 表示されたラベルの位置を調整し、「グラフ要素」の「凡例」のチェックを外す。

6. 表示されたラベルの位置を調整する。

その3 文字を見やすくする
グラフ内の文字を見やすくするには、次のポイントを押さえておきたい。
● フォントサイズを上げる。デフォルトでは文字が小さいため、12~14ポイントに設定し直す。
● 文字数が多いものは、短縮するなどしてすっきりさせる。
● 数値には単位をつける(年・円など)。
視覚的に訴える分かりやすい資料作成においては、グラフが重要な役割を果たす。色や文字サイズなどを工夫して、見やすくカスタマイズを行うテクニックを、より効果的な資料作成にお役立ていただきたい。