【連載】
今までの資料作成が変わる!PowerPointテクニック(1)
PowerPointを使う前に確認しておくべき考え方
掲載日:2022/09/06

今や、プレゼンテーションの際に必須のツールとなっているPowerPoint。その特長は誰でも簡単にプレゼンテーション用の資料を作成できることにあるが、資料作成に取りかかる前にポイントを確認しておくと、作業効率や資料のクオリティは変わるだろう。本連載では、日ごろPowerPointを活用するビジネスマン必読のPowerPoint活用術を紹介。なお、本連載はMicrosoft 365版のPowerPointを使用してお送りする。
PowerPointでプレゼンテーション資料を作成する際の
5つのコツ
そもそもプレゼンテーションとは、「情報を正しく伝え、相手を説得すること」だ。商品やサービスを分かりやすく伝えるプレゼンテーション資料を作成するために、まずは基本となる5つのポイントを頭に入れておこう。
1スライドに1テーマ
1ページのスライドにつき、要点は1つに絞ることを心がけよう。これは、情報が多過ぎるとスライドが見づらくなり、聞き手を混乱させてしまうためだ。また、重要なことだけをスライドに入力することで、スライドの空白が内容を引き立てる効果も生まれる。
文章で説明しない
プレゼンテーション時に口頭で詳細に説明したつもりでも、聞き手にとって長い文章を短時間で理解するのは難しい。箇条書きやチャート(図表・図解)を活用し、瞬時に情報が伝わるような工夫をしよう。
聞き手が理解できる言葉で伝える
分かりやすく伝えるためには、聞き手の理解度に合わせた言葉や用語を使うことが重要だ。専門用語や業界用語を使い過ぎないよう注意しよう。
強調したい文字は大きく見せる
スライドの中でも特に印象に残したい文字や数字は、文字のサイズや色を変えて目立たせよう。
スライドのサイズを設定する
PowerPointのスライドには、ワイド画面(16:9)と標準(4:3)の2つのサイズがある。最終的にプレゼンテーションで使用する機器に合わせて、事前にスライドのサイズを設定しておこう。一般的に、プロジェクターに投影する場合はスライドを標準サイズに設定しておく必要がある。
資料作成に時間をかけ過ぎない
PowerPointはプレゼンテーションに便利なツールだが、利用を禁止している企業も存在する。なぜなら、スライドの作成に時間がかかるためだ。
プレゼンテーションの目的はあくまでも「限られた時間の中で情報を正確に伝えて相手を説得する」ことであり、デザイン性の高いスライドを披露することではない。それよりも、スライド作成の時間を短縮し、内容の精査やリハーサルに時間をかける方が効率的と言える。
PowerPointにはスライド作成をサポートするさまざまな機能が搭載されているので、これらを上手に使って作業時間を短縮しよう。
機能の名称 | 説明 |
---|---|
アウトライン表示モード | ワープロ感覚でプレゼン全体の構成を組み立てられる |
テーマ/バリエーション | スライド全体のデザインパターンが用意されている |
SmartArt | 組織図やベン図などの図表を簡単に作成できる |
グラフ・表・SmartArtのスタイル | グラフ・表・SmartArtなどの色やデザインのパターンが用意されている |
スライドマスター | 全てのスライドに共通の書式をまとめて修正できる |
リハーサル | タイマーで時間を計測しながら、プレゼンの練習ができる |
また、プレゼンの肝となるのは、アウトライン(骨格・構成)だ。スライドを作成する前に、メモ帳や「Word」などのワープロソフトでアウトラインを作っておこう。PowerPointに用意されているアウトライン表示モードを活用することで、階層のあるキーワードを書き出し、マウスのドラッグ操作で簡単に順番を入れ替えることもできる。
プレゼンのストーリーは結論から
プレゼンにおいて、聞き手の集中力が続くのは最初の30秒だと言われている。そのため、最初に結論を述べると効果的だ。「SDS法」と「PREP法」を理解して、アウトライン作りに役立てよう。
結論を重視するなら「SDS法」
「SDS法」と「PREP法」は、どちらも結論から述べる構成法である。結論をより重視するならSDS法、ストーリーを重視するならPREP法、といったように、プレゼンの目的によってふさわしい方法を使い分けよう。
SDSとは、「Summary」「Details」「Summary」を意味する。最初にプレゼンの要約(Summary)を伝えることで聞き手の興味を引き、次に詳細を説明(Details)して関心度を高め、最後にまとめ(Summary)をすることで印象付けることができる。
対してPREPは、「Point」「Reason」「Example」「Point」を意味する。最初に結論から述べるという点はSDS法と同じだが、結論を導いた理由(Reason)や具体的な事例(Example)を出し、より丁寧に説明をした後で、最後にまとめ(Point)を述べる構成だ。
プレゼンテーションの組み立て方からちょっとしたテクニックまで、幾つかのポイントに注意して、より意味のあるプレゼンテーションを心がけよう。
※参考文献:PowerPoint[最強]時短仕事術 もう迷わない! ひと目で伝わる資料作成