【連載】

今までの資料作成が変わる!PowerPointテクニック(3)

最適な書式設定で資料を見やすく

掲載日:2022/09/20

最適な書式設定で資料を見やすく

PowerPointを利用してスライドを作成するうえで注意しなければならないのが、プレゼンの際に見やすい書式を設定することだ。とはいえ、最適な書式を模索するのでは時間がかかり過ぎる。そこで今回は、あらゆる資料で応用できる定番の書式と、簡単な設定方法を紹介しよう。

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プレゼン資料に最適なフォントとは?

 

プレゼン資料で使うフォントは、「どのパソコンにもインストールされているフォント」で「見やすくて読みやすいフォント」であることが求められる。その代表格が「游ゴシック」と「メイリオ」だ。「游ゴシック」は、新しいプレゼンテーションを開いた際に最初に設定されているフォントだ。すっきりしていて癖がなく、どの資料でも利用できる。一方「メイリオ」は字面が大きく、遠くからでも認識しやすい。

ひらがなや漢字に対応する和文フォントに対して、半角のアルファベットや数字に対応するのは欧文フォントである。欧文フォントは「Segoe UI」を選ぶとよい。特にメイリオとの相性がよく、フォントが混在していても違和感がない。また、「Arial」も読みやすいフォントと言われている。

フォントを変更する場合は、変更したい文字を選択し、「ホーム」タブの「フォント」の横にある▽をクリックし、使用したいフォントを選択する。

 

フォントのカスタマイズ機能を利用して、
フォントを一括変更する

 

「デザイン」タブの「バリエーション」に用意されている「フォント」機能を使うと、「欧文フォント」、「タイトル用の和文フォント」、「箇条書き用の和文フォント」の3つがセットになったフォントのパターンが用意されており、クリックするだけで一括変更可能だ。

ただし、一覧にないフォントの組み合わせは「フォントのカスタマイズ」機能を使って登録する必要がある。登録しておけば、次回からはパターンに追加される。

「デザイン」タブの「バリエーション」の右下にある▽をクリックし、「フォント」から「フォントのカスタマイズ」をクリックし、「新しいテーマのフォントパターンの作成」画面が表示されたら、欧文・和文フォントをそれぞれ設定する。「名前」欄に任意の名前を入力したら「保存」をクリックする。これで登録は完了だ。

 

プレゼン会場に合わせてフォントサイズを使い分ける

 

広い会場でプレゼンを行う場合は、箇条書きを20pt以上の大きめのフォントサイズに設定しておくことで、遠くからでも見やすくなる。一方、数人で社内の会議室に集まるようなプレゼンの場合は、至近距離でスライドを見るため16pt以上あれば十分だ。

また、箇条書きを20ptにした場合は、スライドのタイトルは40pt程度にしておくとメリハリがつく。

 

プレゼン用の箇条書きは簡潔に

 

スライドに箇条書きを入力する際のポイントは、「長さ」と「語尾」だ。箇条書きは短く簡潔に、1行で収まるよう調整しておく。どうしても2行にまたがってしまう場合は、区切りのいい位置で[Shift]+[Enter]キーを押して改行する。こうすることで、行頭文字が表示されず、カーソルだけを改行できる。

また、語尾が「ですます」調だったり体言止めだったり、句点があったりなかったりすると、バラバラな印象を与えてしまう。箇条書きの語尾は、全てそろえておくよう注意しよう。

箇条書きの詳細を追加したい場合は、行の先頭で[Tab]キーを押す。すると行が右にずれ、上の階層の説明であることが伝わる。逆に階層を上げたい場合は、[Shift]+[Tab]キーを押すことで、行を左にずらせる。

 

箇条書きの注意点

 

箇条書きの入力にテキストボックスを使わない

プレースホルダーの枠に入力した文字は「表示」タブの「アウトライン表示」をクリックした際に表示される。しかし、図形の中に入力した文字はアウトラインに表示されない。文字入力用の図形「テキストボックス」を使って図形の中に文字を入力しても、アウトラインには表示されないので注意が必要だ。

テキストボックスを使用する場合は、出典や備考など、補足説明のときだけに限定しておこう。

インデントマーカーでレイアウトを整える

箇条書きの文字の先頭位置は、「インデントマーカー」を使用することで後からでも移動できる。インデントマーカーを使用するには、まず「表示」タブの「ルーラー」のチェックボックスをオンにする。するとスライド上側と左側にルーラーが表示される。
上側のルーラーをよく見ると、3種類のインデントマーカーが表示されている。

上から順番に、「1行目のインデント」、「ぶら下げインデント」、「左インデント」を表しており、「1行目のインデント」は行頭文字、「ぶら下げインデント」は行頭文字の次の文字を動かすことができる。そして「左インデント」は、これらをまとめて動かせる。

さまざまなテクニックを活用して、見やすい資料を作成しよう。