【連載】
今までの資料作成が変わる!PowerPointテクニック(4)
図解と図形を活用してシンプルに関係性を伝える
掲載日:2022/09/27

プレゼンテーション資料に図解を配置しておくことで、関係性や手順、階層などを分かりやすく説明できる。例えば、リサイクルの仕組みを説明する際、言葉だけで説明すると情報の過不足が起こるかもしれない。そこで「循環」を表す図解を使うことで、リサイクルの仕組みを端的に示せるだろう。まずは簡単な図解「SmartArt」機能を使い、相手に伝わりやすい資料を作成しよう。
図解を活用してより伝わりやすいプレゼン資料を作成
プレゼンテーションで相手の興味や理解を得るには、図解などのビジュアル表現が効果的だ。PowerPointを利用してプレゼンテーション資料を作成する際には、「SmartArt」機能を使うことで簡単に図解を作成できる。図解を作成するには、「挿入」タブから「グラフィックの挿入」をクリックする。スライド中央の「SmartArtグラフィックの挿入」アイコンをクリックしてもよい。
図解の修正方法
図解の種類は、後からでも変更できる。手順を示すならフローチャート、集合関係を示すならベン図、プロジェクトのメンバー構成を示すなら組織図といった具合に、目的に合った図解の種類を選択しよう。図解を変更するには、SmartArtの外枠をクリックし、「SmartArtのデザイン」タブの「レイアウト」グループ右下の▽をクリック。その後、変更したいデザインを選択する。

図形の色・大きさの変更
SmartArtで使用される図形のサイズを調整することで、重要度の違いを伝えられる。強調したい図形をクリックし、「書式」タブの「拡大」をクリックすると図形が大きく、「縮小」をクリックすると逆に小さくなっていく。

図形の形を変更したい場合は「書式」タブの「図形の変更」をクリックする。すると図形の一覧が表示されるので、変更したい形を選択する。
図形の色を変更したい場合は、SmartArtの外枠をクリックし、「SmartArtのデザイン」タブの「色の変更」をクリックする。
図形の削除・追加
SmartArtに不要な図形があった場合、その図形をクリックし、Deleteキーを押すと図形を削除可能。図形が追加できるSmartArtの場合は、「SmartArtのデザイン」タブの「図形の追加」がクリックできるようになっているので、他の図形とのひも付けに注意しながら追加する。
同じ種類の図形を連続して描く
複数の図形を組み合わせ、地図やシステム構成図を作成するときには、描画モードをロックすることで同じ図形を連続して描画できる。
まず、「挿入」タブの「図形」から描画したい図形を選択し、「描画モードのロック」を選択。マウスポインターが十字に変わったら、スライド上に図形を描く。Escキーを押すまで、同じタイプの図形を繰り返し描画可能だ。

図形を正確に描くテクニック
正方形や正円をドラッグ操作で正確に描くことは難しい。そこで、Shiftキーを押しながら図形を描くことで、正方形や正円、正三角形などを正確に描ける。また、線を描くときにShiftキーを押しながらドラッグすることで、垂直線や水平線を真っすぐに引くことも可能だ。
端をそろえて図形をすっきりと配置する
複数の図形を配置する場合は、図形の上下左右の端をそろえることで整然とした印象になる。まずそろえたい図形をすべて選択し、「図形の書式」タブの「配置」を選択。その後「左揃え」「下揃え」などの方向を選択すると、その方向へ図形がそろえられる。
図形の間隔をそろえる場合は、図形を全選択し、「図形の書式」の「配置」から「左右に整列」または「上下に整列」を選択すればよい。
よく使う図形の書式を登録する
プレゼン資料に使用する図形が会社でルール化されている場合は、その書式をテンプレートとして登録しておくと便利になる。
書式を設定した図形を右クリックし、「既定の図形に設定」を選択する。そのまま「挿入」タブの「図形」からスライド上に図形を描画すると、設定した書式で図形を作成できる。

この状態で、「ファイル」タブの「名前をつけて保存」から「参照」を選択する。「ファイルの種類」の一覧から、「PowerPointテンプレート」を選択。

ファイル名を指定して「保存」をクリックする。保存先は変更しない。「ファイル」タブの「新規」をクリックして「個人用」を選択。登録したテンプレートをクリックし、「作成」をクリックすると、テンプレートが開く。
図形を結合してオリジナルの図形を作成
使いたい図形がない場合は、複数の図形を結合することでオリジナルの図形を作成できる。
PowerPointには、以下の5種類の結合方法がある。

Shiftキーを押しながら結合したい図形を順番にクリックして選択し、「図形の書式」タブの「図形の結合」から結合方法を選択する。
図解を使用する際の注意点
図形にテキストボックスを重ねない
図形の中に文字を入力する方法はさまざまあるが、一番簡単なのは図形を選択した状態で文字を入力する方法だ。図形にテキストボックスを重ねるのも間違いではないが、後から図形を移動するときに図形とテキストボックスとを別々に移動することになり、手間が増える。
図形に文字を入力する際は、図形をクリックして選択状態にすることで文字入力できるようになる。
図形の枠線・影・3Dは不要
図形の枠線は、図形の数によっては目立ち過ぎてしまって、伝えたい情報の邪魔をする場合がある。影や3Dの効果も同様、文字よりも図形が強調されてしまうため、なるべくシンプルな図形を使用するとよい。
枠線を消すには、図形をすべて選択し、「図形の書式」タブの「図形の枠線」から、「枠線なし」を選択しよう。
図解と図形は、PowerPoint資料作成時に必須のものと言ってもよい。より情報をスムーズに伝えるテクニックを、ぜひご活用いただきたい。