【連載】
今までの資料作成が変わる!PowerPointテクニック(5)
表とグラフで説得力のあるスライドに
掲載日:2022/10/04

連載5回目となる今回は、表・グラフの活用術を紹介。数値や情報を直感的に示せる表・グラフは、説得力のあるプレゼンテーションを可能にする。Excelで作成したものを貼り付けることもできるが、PowerPoint単体でもデザイン性の高い表やグラフを簡単に作成できる。
なぜ表やグラフをプレゼンテーション資料に使うのか?
説得力のあるプレゼンテーション資料を作るためには、表やグラフを活用して情報を整理し、分かりやすく提示することが必要だ。文字情報を整理する場合は「表」、数値を視覚化するなら「グラフ」を用いると良い。
表の作り方
スライドに表を挿入するときは、「挿入」タブの「表」をクリックし、表示されたマス目を基に、行数と列数を決定する。あるいは、「挿入」タブの「表」、「表の挿入」を選択。ダイアログボックスに表示された行数と列数の欄に数値を設定し、「OK」をクリックすると指定の大きさの表が完成する。

表作成の際に役立つポイント
表を作成する際は、行の高さに余裕を持たせる。表の底辺中央のハンドルを下方向にドラッグし、表を大きくしておこう。文字は「レイアウト」タブの「上下中央揃え」で行の中央にそろえておき、見出しの行をほかの行の半分の高さに設定することで、見出しとそれ以外の区別が明確になる。列幅は、列の境界線をダブルクリックすることで文字数に合わせて自動調整される。

また、表のデザインを変えたい場合は、表をクリックしたときに表示される「テーブルデザイン」タブの「表のスタイル」から、デザインを変更できる。

スケジュール表や工程表は簡単に作成可能だ。表でベースの枠組みを作った上から、矢印の図形を配置して期間を示せば良い。
グラフの作り方
数値をグラフ化して見せるときは、適切なグラフを選ぶことが大切だ。グラフを作成するには「挿入」タブの「グラフ」を選択し、「すべてのグラフ」の一覧からグラフを選択すれば良いのだが、その選択肢は多数ある。
そこでここからは、代表的なグラフと、適切な用途についてご説明しよう。
棒グラフ
棒グラフは、棒の高さで数値の大小を示す。PowerPointには縦棒グラフと横棒グラフがあり、それぞれに「集合棒グラフ」「積み上げ棒グラフ」「100%積み上げ棒グラフ」が用意されている。
「集合棒グラフ」は通常の棒グラフだ。「積み上げ棒グラフ」は複数の要素を積み上げたグラフで、データの合計値とその内訳を示すのに向いている。「100%積み上げ棒グラフ」は棒の高さが全て同じで、内訳と構成比を示したいときに使うと良い。

折れ線グラフ
折れ線グラフは、線の傾きで数値の推移を示す。複数の項目の推移を比べるときには、折れ線グラフを使うのが良いだろう。

円グラフ
円グラフは、1周を100%として構成比を扇型で示すグラフだ。アンケート結果などをグラフ化する際に使われる。他のグラフと異なり、円グラフにできる数値は一つのみだ。

複合グラフ
複合グラフとは、縦棒グラフと折れ線グラフ、棒グラフと円グラフといった具合に、異なる種類のグラフを組み合わせたグラフのことを言う。単位の異なるデータを一つのグラフで表す必要がある際に使用すると良い。
グラフ作成の際に役立つポイント
グラフをさらに見やすくするためには、強調したい部分が伝わるようにデータの表記やデザインを工夫することが大切だ。グラフ作成時にどのような点に注目すべきか、そのポイントを具体的にご紹介しよう。
グラフのデザイン
データが多い場合、不要なデータを隠すことでグラフが見やすくなる。グラフを選択し、「グラフのデザイン」タブの「データの選択」をクリック。不要なデータのチェックボックスをオフにする。

グラフの見栄えを整えたいなら、グラフをクリックし、「グラフのデザイン」タブの「グラフスタイル」にグラフ全体のデザインパターンが一覧表示されるので、適切なデザインを選択しよう。同じく、「グラフのデザイン」タブの「クイックレイアウト」から、グラフの構成要素のレイアウトを変更できる。
円グラフ
円グラフは、数値の大きい順(降順)に並んでいた方が分かりやすい。グラフをクリックし「グラフのデザイン」タブの「データの編集」から「Excelでデータを編集」を選択。その後、データを降順に変更する。
ほかにも、円グラフに内訳を表示させたい場合は、グラフをクリックして「グラフのデザイン」タブの「グラフ要素の追加」から「データラベル」をクリックし、「その他のデータラベルオプション」を選択する。表示したい項目にチェックを入れれば完成だ。

棒グラフ
棒グラフの中に「強調したい棒」がある場合は、その棒だけ有彩色の色にすると良い。ほかの棒をグレーなどの無彩色にすれば、さらに暖色が引き立つ。グラフの色を部分的に変更する場合は、該当箇所をゆっくり2回クリックして選択し、「書式」タブの「図形の塗りつぶし」から色を選択する。
また、棒グラフで数値の差を強調したい場合、直線や矢印を活用しよう。グラフをクリックし、「挿入」タブの「図形」から「線」を選択する。[Shift]キーを押しながらドラッグすると、直線を描画可能だ。矢印を使う際は、「挿入」タブの「図形」から好きな矢印を選択しよう。

フォントサイズの調整
グラフ内の文字サイズを変更する場合は、グラフの外枠をクリックし、「ホーム」タブの「フォントサイズ」を変更する。
図形の追加
グラフの意図を明確にするために、吹き出しなどの図形を追加して伝えたいポイントを解説しても良い。「挿入」タブの「図形」から好きな図形を選び、グラフ内に描画。図形内に文字を入力したら、「図形の書式」タブの「図形の塗りつぶし」から色を選択する。
説得力のあるプレゼンテーションを行うには、数値や文字情報をさらに分かりやすく伝えることが非常に重要だ。表やグラフを効果的に使い分け、一目で分かるスライド作りを意識しよう。