【連載】
今までの資料作成が変わる!PowerPointテクニック(7)
色やデザインの工夫で、さらに印象的なスライドに
掲載日:2022/10/25

きちんとデザインされたスライドは、プレゼンテーションをより印象深いものにする。聞き手に視覚情報を効果的に伝えるためにも、デザインの基礎知識を覚えておくことは重要だ。また、PowerPointはデザインのカスタマイズ機能のほかにも、デザインの自動生成や外部データの取り込みといった便利な機能があり、誰でも簡単にハイセンスなスライドを作成できる。
文字のデザインのポイント
モノクロのスライドに比べ、色味のあるスライドはインパクトが強くなる。しかし、強調したい言葉が幾つもあるからといって、むやみに文字の色を変え過ぎては、かえってどこがポイントなのかが分からなくなってしまう。
スライド全体の色の配分は、ベースカラー70%(スライド背景の色)、メインカラー25%(見出しなどの色)、アクセントカラー5%(強調する部分の色)の3色に絞るのが基本だ。また、アクセントカラーには暖色系の色を使用するとよい。暖色は手前に飛び出てくるように見える効果があり、目に入りやすいためだ。
言葉ではなく数字を強調したい場合は、色味を調整するほかに、その数字だけ文字サイズを極端に大きくすることで、ダイナミックでアクティブな印象を与えられる。
スライドのデザインのポイント
スライドの背景色は、白が基本である。背景が白ければ、黒い文字が読みやすくなるためだ。ただし、プロジェクターに投影した際に明る過ぎて目が疲れるというデメリットもある。画面がまぶしい場合は、スライドの背景を薄いグレーに設定しよう。
ほかの色を背景に使用する際には、スライドが見やすいかどうかの確認が必要だ。「デザイン」タブの「テーマ」機能を使い、さまざまなスライドデザインのパターンを見るとよい。

「テーマ」に用意されているテンプレート型のデザインも、後から背景の柄や配色を変更できる。特にスライドの背景は面積が広い分、印象にも残りやすい。プレゼンテーション内容に合わせた柄や色を付けることで、プレゼン内容もさらに伝わりやすくなる。くつろいだ雰囲気を演出したければ緑、知性や理性を感じさせたければ青、といったように、色が持つイメージから、どの色を配置すべきか検討するとよい。チームカラーやイメージカラーが決まっている場合は、その色を積極的に利用するのも一つの手段だ。
柄を変更する際には、「デザイン」タブの「バリエーション」からデザインを選択すると、スライドのレイアウトはそのままに柄を変更できる。

配色を変更する場合は、「デザイン」タブの「バリエーション」の右下にある「▽(その他)」をクリックする。「配色」から変更後の配色を変更すると、テーマやバリエーションはそのままに、色だけを変更可能だ。

表紙スライドに画像を挿入する
表紙スライドは、プレゼンの「顔」といえる。表紙の背景に大きく画像を挿入することで、強い印象を残せる。
表紙のスライドの背景に画像を表示するには、「背景の書式設定」機能を使おう。この際、PCに横置きの画像を保存しておくと、画像がスライドにぴったり合うよう自動で配置される。
スライドの背景に画像を置くには、「デザイン」タブの「ユーザー設定」内にある「背景の書式設定」を選択。

右側にパネルが表示されるので、「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」をオンにし、「画像ソース」の「挿入する」をクリックする。

「図の挿入」画面が表示されたら、「ファイルから」を選択する。画像の保存場所とファイル名を指定し、「挿入」をクリックする。これで、スライドの背景に指定した画像が表示される。文字などが見やすいよう、必要に応じて配置を調整すれば完成だ。
オリジナルのデザインを簡単に生成できる
Microsoft 365のPowerPointでは、「デザインアイデア」機能を使うことで、PowerPointがスライドに配置されている文字や画像などの要素を自動で読み取り、ふさわしいデザインを自動生成できる。提示された複数のデザインから、気に入ったデザインをクリックするだけで利用できるほか、「テーマ」機能と組み合わせることも可能だ。
「デザインアイデア」を適用するためには、デザインを変更したいスライドを表示した状態で、「デザイナー」タブの「デザイナー」をクリックする。右側のパネルにデザインの候補が表示される。このとき、下にスクロールして「その他のデザインアイデアを見る」をクリックすると、候補の数が増える。その中から利用したいデザインを選択すると、スライドのデザインが変更される。なお、デザインアイデアを解除する場合は、デザイン適用直後に画面左上のクイックアクセスツールバーにある「元に戻す」をクリックすればよい。

聞き手に強い印象を与えるプレゼンテーションには、デザインが工夫されたスライドであることが必要だ。そのためにはデザインの基礎知識を覚えたうえで、視覚的にインパクトのあるスライドを作成しよう。