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Windows 11リリース!
押さえておくべきポイントとは

掲載日:2021/10/19

Windows 11リリース目前!抑えておくべきポイントとは

2021年10月リリースされた、Microsoft Windows 11 。最後のWindowsと思われていたWindows 10のリリースから実に6年の歳月が経っており、発表当初から話題となったのは記憶に新しい。本記事では、さまざまな機能が追加されることになったWindows 11の概要だけでなく、PC選定やアップデートの際に注目したいポイントをまとめる。

Windows 11の概要

米国時間2021年6月24日、Microsoftは最新OSの「Windows 11」を発表した。Windows 11はWindows 10の後継バージョンであり、ハイブリッド環境での業務や学習に最適なOSだと位置付けられている。さらなる生産性と創造性の向上に期待がかかる、その設計を見ていこう。

話題を呼んだアプリ周りの刷新

Windows 11 において真っ先に注目するべきポイントは、アプリ周りの変更だ。

まず、アプリストアが刷新されて登録可能なアプリが拡充された。「Amazonアプリストア」を通じてAndroidアプリも入手できるようになったため、スマートフォンで慣れ親しんだ多くのアプリをそのままPCで使うことが可能である。

さらにMicrosoftのコミュニケーションアプリ「Microsoft Teams」がシステムレベルで組み込まれ、タスクバーからすぐにチャットや通話を開始できるようになった。

生産性向上につながる新機能

また、スリープからの復帰やWindows Hello、Microsoft Edge(Webブラウザー)などの動作が高速化したほか、画面デザインやデスクトップの基本操作が快適で便利になるよう、ユーザーインターフェイスも改善された。それに加えてウィンドウを整列させる「スナップ機能」が強化され、従来よりもレイアウトのバリエーションが増加してユーザーが見やすい画面を簡単に選択可能になるなど、業務の生産性向上につながる新機能もうれしい。

今までのWindowsと何が違うのか

Windows 11で新たに追加される機能がある一方で、廃止・規模縮小される機能もある。

タブレットモード

キーボードやマウスなどの入力インターフェイスを必要とせず、タッチパネルのみで操作ができる「タブレットモード」は廃止されることがアナウンスされた。

Internet Explorer

さらに、長らくWebブラウザーの代名詞として使われていたInternet Explorerは無効に。IEベースのWebサイトとアプリケーションを使いたい場合は、Microsoft Edgeの「Internet Explorerモード」(IEモード)を選択するよう推奨されている。

なお、Windows 10でも2022年6月15日にInternet Explorer 11のサポートが終了となる。支援システムのCortanaが初期導入機能から外れ、タスクバーへのピン留めがなくなる。機能自体は残るようだが、事実上機能は大幅に縮小するとのことだ。

Skype

また、Windows 11ではSkypeがデフォルトアプリという位置付けから外れるため、使用したい場合はMicrosoft Storeから別途ダウンロードしインストールする必要がある。これは、前述のとおりTeamsがシステムレベルで組み込まれることが大きく影響しているだろう。

そのほかの変更点

スタートメニューからさまざまなアプリの情報を視覚的に確認できる機能として便利だったライブタイルはデフォルトで廃止され、代わりに「ウィジェット機能」が追加される。これはライブタイル以上にシンプルなアプリのランチャーとして利用できる見込みだ。

また、タスクバーの位置は画面下部に固定となる。タスクバーに並ぶアイコンもこれまでは左寄せ(タスクバーを下部に設定した場合)だったが、Windows 11では中央寄せになることが発表されており、導入当初は視覚的な違和感があるかもしれない。

これからのPC選び&アップデート時に知っておきたいこと

「Windows 11」は、Windows 10が稼働するPCやタブレットに無料バージョンアップが順次提供される見通しだ。しかし、比較的新しいPCやタブレットでも価格帯によってはスペックが要件を満たさない可能性がある。

そこで、Windows 11に必要なスペックをあらためて確認したい。

CPU(プロセッサ) 1GHz、デュアルコア以上の64bitプロセッサ、またはSystem on a Chip(SoC)
メモリー 4 GB RAM
ストレージ 64 GB 以上の記憶装置
システム ファームウェア UEFI、セキュア ブート対応
TPM トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0
グラフィックス カード DirectX 12 互換のグラフィックス / WDDM 2.x
ディスプレイ 9インチ以上、HD解像度 (720p)

CPUは「1GHz以上で稼働する2コア以上のもの」が必要とされている。PCやタブレットを構成する複数のチップを1つにまとめた「SoC(System-on-a-Chip)」でも構わない(Windows 11はIntel、AMD、Qualcommの64bit CPU/SoCをサポートしている)。メインメモリーは4GB以上、ストレージは64GB以上の容量が必須だ。

また、PC/タブレットのファームウェアとして、OSの電子署名を照合する「セキュアブート」を有効化したUEFIの利用や、「TPM 2.0」に準拠するTPM(セキュリティチップ)の搭載も必要となる。

Microsoftは、Windows 11をWindows 10と比べた場合、セキュリティ面が大きく強化されたOSと紹介している。利用可能な端末に高いスペックが求められているのも、セキュリティ面で十分な性能の発揮を担保するためだと考えられている。

上記のような要件を満たしていること、すなわちWindows 11にアップデート可能かどうかを確認するためには、Windows 11の公式サイトから無料で入手可能な「PC正常性チェック」を活用したい。このツールでは、Windows 11について一つ一つのシステム要件について対応/非対応が明示されるようになっている。

言うまでもなくWindowsは多くの職場で運用されているOSであり、今回のリリースによって大規模な入れ替えが予想される。スムーズなOSの入れ替えを支えられるよう、最新の正しい情報を把握しておくことが大切だ。