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バーチャル空間と現実世界をつなぐ「空間コンピューティング」とは

掲載日:2025/08/26

バーチャル空間と現実世界をつなぐ「空間コンピューティング」とは

AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などバーチャル空間と現実世界を融合する技術の総称である空間コンピューティング。『Apple Vision Pro』の登場によって急速に注目度が上がっている。本記事では空間コンピューティングの概要やビジネス用途などについて解説する。 関連記事:進化を続けるVR市場 最新の注目製品を探る!

空間コンピューティングとは

空間コンピューティングとは、バーチャル空間と現実世界をシームレスにつなげる「AR(拡張現実)」や「VR(仮想現実)」などの技術の総称である。空間コンピューターを用いることで例えば「目や手を使ってアプリを操作する」、「デバイス上で映像コンテンツを3Dで視聴する」などが可能となる。

空間コンピューティングの概念自体は以前から存在していたが、2024年2月にApple社が同社史上初の空間コンピューターとして「Apple Vision Pro」を発売したことがきっかけとなり、大きな注目を集めている。

空間コンピューティングの市場規模

空間コンピューティングの市場規模は今後拡大が見込まれている。例えばGlobal Market Insightsのレポートによると、同市場規模は2022年の1,059億ドルから2032年には5,609億ドルに拡大すると試算されている。また2023年から2032年までの年平均成長率は19%に上る見込みである。『Apple Vision Pro』の普及度合いによっては、市場はさらに拡大する可能性もあるだろう。

空間コンピューティングのビジネス活用例

ここでは空間コンピューティングのビジネス活用例を三つ見ていく。

3Dビジュアルによる教育・研修

空間コンピューティングを活用すれば、実際に目で見ることが困難な対象を3Dでバーチャル空間に表示させることができる。この技術は教育や研修用途に有効だ。

例えば、建設業や製造業では現場で用いられる施工・加工技術をバーチャル空間上で再現することで、新人社員が現場に出る前から自社技術の理解を深めることができる。あるいは人体の臓器をリアルに表示することで医療従事者の知識習得などに役立てることも可能だ。このように空間コンピューティングは、特にその場に再現することが難しい対象を再現して体験させる手段として有効な技術と言えよう。

没入感のあるエンタメコンテンツの制作

空間コンピューティングを用いることで、まるで実際にその場にいるかのような没入感のあるエンターテインメントコンテンツを制作できる。例えば「バーチャルライブ」や「新商品発表のバーチャルイベント」などのコンテンツが考えられる。こうしたコンテンツでユニークなユーザー体験を提供することで、ユーザーエンゲージメントの強化も期待できるだろう。

3Dプレゼンテーション

空間コンピューティングは3Dデータを用いたプレゼンテーションでも機能する。例えば家具メーカーであれば収納棚やソファなどの大きめな家具を3Dで再現して、クライアントへ実際のサイズを視覚的に伝えながら商品紹介ができるだろう。あるいは家電メーカーであれば家電を360°回転させながら視覚的に分かりやすく各パーツの機能を説明できるかもしれない。このように空間コンピューティングは、特に立体的な訴求が有効な製品を取り扱っているメーカーにとって強力な武器となり得る。

空間コンピューティングがもたらす未来

今後、空間コンピューティングの進化・普及により、私たちの生活はさらに利便性が高まる可能性がある。例えばスマートコンタクトレンズのような軽量かつ超小型デバイスに空間コンピューティングが導入されれば、「視覚上で地図アプリが道案内をしてくれる」「名刺不要で目の前の相手のビジネス情報が表示される」「目を合わせただけで対象物の検索ができる」といった未来が訪れるかもしれない。

先述したとおり、空間コンピューティングの市場規模は大きく拡大する見込みであり、今後「空間コンピューティング」というキーワードを見かける機会が増えるかもしれない。その際には最新情報をアップデートし、関心を寄せそうなクライアントには適宜情報提供を行っていきたい。