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購買活動の多様化が進む現代に必須
データドリブンマーケティング事例3選!

掲載日:2025/12/16

購買活動の多様化が進む現代に必須 データドリブンマーケティング事例3選!

購買活動の多様化が進む現代において、「勘」や「経験」ではなくデータに基づいた「データドリブンマーケティング」は必須になっている。一方、具体的な施策内容をイメージしづらい人も多いはず。そこで本記事ではデータドリブンマーケティング事例を紹介していく。

データドリブンマーケティングとは

「データドリブンマーケティング」とは、ウェブ上の顧客データに基づいて市場調査や販促活動などのマーケティング施策を実施することを指す。購買活動の多様化を背景として、企業は個々のクライアントのニーズを踏まえたアプローチを実行する必要があるが、そのための武器の一つが行動履歴や売り上げ情報などの「データ」である。具体的な事例は後述もするが、例えば「商品Aと商品Bを購入した人が好む可能性が高い商品Cをレコメンドする」「ユーザー属性に応じたポップアップを表示させる」などの取り組みが一例である。データドリブンマーケティングは「勘」や「経験」に頼るマーケティングの対極にあると言えよう。

データドリブンマーケティング事例3選

それではデータドリブンマーケティング事例を三つ見ていこう。

景品を置く店舗と景品数をAIが予測

クレーンゲームなどが楽しめるアミューズメント施設「GiGO」を国内外で運営する株式会社GENDA GiGO Entertainmentは、「プロジェクトPAO」という施策を展開している。これは「景品をどの店舗に・幾つ置くと成果が出るか」をAIに予測させるというもの。これまではベテランバイヤーの経験に基づいた「勘」で人気景品を決めていたが、同施策では、AIに各店舗の売り上げや地域特性、顧客層などのデータを分析させ、最適解を導き出す。

同施策の結果、景品を購入するチームの負担軽減や売り上げ向上、不良在庫の抑制に効果が出たという。さらに2025年10月現在は、店舗に置く景品の種類や置き場所まで、全てをデータで管理する体制をつくり始めている。

「機械を置けば稼げる」とも言われるアミューズメント施設ビジネスに、データでメスを入れ始めた事例と言えよう。

キーワード分析でSNSインプレッションは2.75倍に

有料多チャンネル放送「スカパー!」を運営するスカパーJSAT株式会社では、SNS分析・運用ツールを用いて、X(旧Twitter)アカウントでの反響分析を行っている。具体的には、番組・出演者への言及数や投稿されているキーワードの傾向などを把握し、関心度合いやユーザーニーズを分析している。それにより、「想定以上に反響が大きい番組に関するSNS投稿を増やす」などの施策も可能になった。結果として、2024年4月から2025年3月までの1年間でフォロワー数が125%、インプレッションは275%にまで上昇した。定量的なデータを用いてSNS運用することの重要性を示唆する好事例だ。

AI活用で最適な商品をユーザーに表示

2025年11月、「楽天市場」を運営する楽天グループ株式会社は、新機能「ディスカバリーレコメンデーション」の本格提供を開始した。同機能は楽天市場に出店する約5億点の商品の中から、ユーザーの興味・関心に最適な商品の画像やコンテンツページなどを表示するというもの。この機能について同社は「楽天の自社開発AIが『楽天市場』におけるユーザーの購買履歴や閲覧履歴、お気に入り登録状況(ブックマーク)などの利用データを基に、潜在的な興味や関心、好みを分析したうえで(中略)、各ユーザーに最適な内容を選び出して表示」するとのこと。1億以上の楽天IDを持つ同社ならではの、ダイナミックな機能と言える。

クライアントの要望に応えるために

上記の事例のとおり、データドリブンマーケティングの施策は企業によってさまざまだ。企業が抱える課題は一つとして同じものがないため、ベンダーはクライアントの課題に応じていつでも紹介できるように、データドリブンマーケティング事例をストックしておきたい。