セキュリティ
総務省のサイトから分かる
法人PCの安全な廃棄方法とは
掲載日:2026/03/31

2025年10月のWindows 10サポート終了に伴い、PCの処分を考えている事業者も多いだろう。一方で、データを適切に消去しなければ情報漏えいのリスクが高まる。そこで本記事では、総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」を踏まえて、より安全に法人PCを廃棄(データ消去)する方法・サービスを紹介する。
法人PC廃棄で気を付けたい情報漏えいリスク
法人PCに記録されているデータを適切に処理せずに廃棄をする、あるいは何らかの事件・事故に巻き込まれることよって、法人の機密情報が流出してしまう可能性がある。
まずは、前者の自社内での処理が不十分なケースについては、「ごみ箱」を空にしただけの状態でPC廃棄事業者に処分を依頼してしまうケースなどが考えられる。ごみ箱を空にしても大半のデータはディスク上に残っており、もし廃棄事業者がディスクを流出させてしまった場合、データを抜き取られて情報漏えいにつながってしまう恐れがある。
一方、後者の、何らかの事件・事故が原因で情報漏えいが起きてしまうケースは、岐阜県美濃加茂市の中学校で使用されていたPCの内蔵ハードディスクのデータが流出した事件が挙げられる。
同事件は、PC廃棄事業者に廃棄処分を委託したはずのハードディスクがネットオークションで落札され、そのハードディスクに生徒ら約750人分の名前データが残っていたというもの。委託した複数の廃棄事業者のうちの1社が、ハードディスクを破壊せずにオークションに出品していたことが要因だと考えられる。そのほかにも、2019年12月には、神奈川県庁で行政文書を保存していたハードディスク等の記録媒体が転売されていた事件も報道されている。このように事件・事故により法人PCの情報が流出してしまうリスクも十分に想定したい。
【総務省推奨】安全に法人PCを廃棄するためのデータ消去方法

法人PCを安全に廃棄するためにはデータの確実な消去が必須だ。では、どうすればデータを適切に処理できるのだろうか。総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」では、端末の特性や組織の状況に応じた四つの主要なデータ消去方法が紹介されている。
データ消去用のソフトウェアの活用
総務省によると、データ消去用のソフトウェアを利用することで「ハードディスクやメディアのファイルを無意味なデータですべて上書きするなどして、二度と復元できないように完全に消去することができます」とのこと。
データ消去用のソフトウェアは無償のものから高価なものまで多数存在するが、大塚商会では、世界的に信頼を集めるBlancco(ブランコ)社のデータ消去ソフトウェアをクラウドサービスで提供している。米国国防総省を含む10以上の政府機関から認定を受けたBlancco社のソフトウェアは、国内だけでも2,000社以上で導入されている。信頼性を重視するクライアントには提案を検討したい商品だ。
専門事業者による「データ消去サービス」に依頼する
専門事業者が提供する「データ消去サービス」の利用も一つの方法だ。ただし、総務省は、消去する前のデータを業者に渡すことになるため、依頼先の実績や信頼度などを考慮するように、注釈を入れている。先述した岐阜県美濃加茂市の中学校の事件では、まさしく「複数の廃棄事業者のうちの1社が、ハードディスクを破壊せずにオークションに出品していたこと」が情報漏えいを引き起こした可能性が指摘されている。信頼性の高い事業者を選ぶことは極めて重要なのである。なお、大塚商会でも3重の厳しいセキュリティ管理下で実施する「データ消去&買取サービス」を提供している。信頼性の高いサービスの一つとして、クライアントに提案したい。
ハードディスクを物理的に破壊する
物理的にハードディスクを破壊することで、手軽にデータを消去することができる。具体的には、データを記録する円盤部分の磁気ディスク(プラッタ)にドリルで穴を開けたり、ハンマーでプラッタをたたいて割ったりする方法だ。なお、CDやDVDなどの記憶媒体については「メディアを破壊するために利用できるメディア専用のシュレッダで粉砕しましょう」と総務省は述べている。
「暗号化消去」を実行する
総務省では「暗号化消去」という方法も紹介している。暗号化消去とはデータの消去手段の一つで、「ハードディスクやSSDの記録を暗号化していた場合に、暗号化したデータを元の状態に戻すために必要な鍵を廃棄することで、記録内容を読み出せなくする方法」のこと。暗号化消去は、処理時間が極めて短く、ソフトウェアによる上書き消去漏れや物理的破壊漏れのリスクをなくせる点が特長だ。
ここで挙げた四つのデータ消去方法はコストも手間も異なる。クライアントのニーズに応じて適切なデータ消去方法を提案し、安全な法人PC廃棄に貢献したい。