IoT・AI
AI PCでセキュリティを強化 従来のPCにはない特長と注意点は?
掲載日:2026/04/14

AI処理に特化したプロセッサーであるNPUを搭載し、従来のPCよりAI処理が高速で通信速度にも左右されない「AI PC」。本稿ではAI PCの定義や従来のPCにはない特長、おすすめのAI PCまで詳しく解説していこう。
AI PCの特長
AI PCとは、AI処理に特化したプロセッサーであるNPU(Neural Processing Unit)が搭載されている次世代PCである。従来から用いられてきたCPUとGPUに加え、第三のプロセッサーとしてNPUを搭載することで、画像認識・自然言語処理・音声認識などAI処理の効率が大幅に向上した。ここでは、AI PCと従来PCとの違いについて、以下の5点を解説する。
処理性能の向上
AI PCではNPUを活用できるため、データの推論や学習などAIに関連する処理を高速で実行できる。外部のクラウドサーバーに頼らずとも複雑なAI処理を速やかに実行できるため、少ない負担でも並列処理が可能である。そのため、膨大な情報をほぼリアルタイムで解析できる。
高機能
AI PCは、標準機能でAIによるタスク処理を実行できる。例えば、文章の推敲(すいこう)や要約を自動実行してくれるため、ビジネス文書を効率的に作成できるであろう。また、AIによってデータ分析やプログラミングなども自動化できるため、数値解析やシステム開発にも応用できる。さらに、過去の操作内容を保存しておくことで、さまざまな操作の自動化が可能である。
ユーザー体験
AI PCはユーザー体験にも優れている。例えば、音声認識の精度が高いため、自然な言葉でも思いどおりに操作できるであろう。また、NPUの高い処理能力を生かして、暗い環境下で顔を明るく照らすポートレートライト機能や自動フレーミングなど、高度な映像処理もリアルタイムで実行できる。
セキュリティ強化
AI PCでは、ローカル環境でも高度なAI処理を実行できる。そのため、AI処理で機密性の高い情報を活用したい場合でも、ローカル環境だけで完結できる点も特長である。従来のPCでは、高度なAI処理を行う際にはクラウドサービスを使う必要があったため、ローカル環境だけで完結できるAI PCであれば情報漏えいのリスクを軽減できる。
消費電力の抑制
AI処理は負荷が大きいため、消費電力もかさみがちであったが、AI PCではAI処理に特化したプロセッサーであるNPUを採用しているため、消費電力を抑えられる。NPUはCPUやGPUよりもAI処理に要する電力を抑えられるため、外出先でも長時間AI機能を活用できるであろう。また、発熱量を抑えられるため、ファンの動作を減らしてより静かに使える点もメリットである。
AI PCの注意点
ここでは、AI PCの注意点について、以下の4点を解説する。
用途に応じた機種の選定
一般的な事務作業と高度な解析業務では、デバイスに求められる演算能力が大きく異なる。スペック不足の場合はPCが重くなって作業に支障が出るが、反対にオーバースペックのPCでは導入コストがかさんでしまう。そのため、あらかじめ利用シーンを想定し、それに沿った機能を過不足なく有するPCを選ぶことが理想である。
十分なスペックを有する機種の選定
日進月歩のAI PCは、急激に機能が拡張される可能性もある。そのため、将来必要になると予想される作業やAIの進化も考慮し、やや余裕を持った形で必要なスペックを見積もることを推奨したい。場合によっては、AI PCのリースを活用してみるのもよいだろう。
バッテリー状態の確認
高度なAI処理を行うと電力消費が増えがちだが、それはAI PCでも例外ではない。基本的にはNPUでAI処理を行うものの、動画生成や大規模AIモデルの稼働など、NPUだけでは処理しきれない場合にはCPUやGPUも稼働するため、電力消費量が増える。そのため、バッテリー状態にも注意が必要である。
冷却環境の確保
AI PCでも、高度なAI処理を行うと負荷がかかるため、PC内部の温度が上がって処理速度に影響が出る可能性がある。そのため、場合によっては冷却台などの冷却アイテムを活用することや、部屋の温度をこまめに調整することも必要である。
おすすめのAI PC2選

ここでは、おすすめのAI PCについて、以下の2点を紹介する。
Microsoft Surface Laptop(第7世代 / Copilot+ PC)
『Microsoft Surface Laptop(第7世代)』は、毎秒45兆回以上もの演算ができるNPUを搭載している、MicrosoftのAI PCである。過去の操作履歴を自然言語で検索できるリコール機能やライブキャプション(音声のリアルタイム字幕化)機能など、最新のAI技術を標準で備えている。
これらの処理は全てローカルで完結できるため、セキュリティを重視したい法人にとってもメリットが大きい。
Apple MacBook Air(M3チップ搭載モデル)
『Apple MacBook Air(M3チップ搭載モデル)』は、最新のチップである「M3チップ」を搭載した、AppleのAI PCである。
従来のチップであるM1やM2が5nmプロセスで製造されているのに対し、M3は業界最先端の3nmプロセスを採用している。これにより、多くのトランジスタをPC内部に搭載でき、性能と電力効率を向上させつつ軽量化に成功している。
また、グラフィック処理におけるメモリー使用量を常に最適化してくれるDynamic Cachingが搭載され、本体の汚れを防ぐ酸化皮膜仕上げも施されているなど、使いやすさが一層向上した。
AI PCでセキュリティと処理速度を両立
AI PCとは、AI処理に特化したプロセッサーであるNPUが搭載されている次世代PCである。
従来のPCと比べてAI処理性能に優れており、消費電力などの面でも有利である。また、AI PCを十分使いこなすためには、用途に応じた機種の選定やバッテリー状態の確認などを心がけたい。
自社のクライアントには、ビジネスで今まで以上に高度なAIを使いこなすための手段として、AI PCの活用を提案してみるのもよいだろう。