建設・土木業

建設業でもAIツールが役立つ
活用事例やおすすめツールは?

掲載日:2026/04/28

建設業でもAIツールが役立つ 活用事例やおすすめツールは?

いまや幅広いビジネスシーンで当たり前のように活用されている「AIツール」。建設業もその例外ではない。本記事では、AIツールを導入することで解決できる建設業の課題やおすすめツール、活用事例まで詳しく解説していこう。

AIツールで解決できる建設業の課題

ここでは、AIツールで解決できる建設業の課題について、以下の五つを解説する。

人材不足

肉体労働のネガティブなイメージや少子高齢化などさまざまな要因で、建設現場では人材不足が深刻である。厚生労働省の調査によると、建設業の従事者は1997(平成9)年の685万人をピークに、2024(令和6)年には477万人まで減少した(約30%減少)。

また、2024年には60歳以上の技能者が全体の25.8%を占めており、人材不足の傾向は今後も続くとみられる。そこで、AI技術で単純作業や書類整理などの「内業」を自動化することにより、人材不足への対策につなげることが可能である。

労働時間の法規制

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、労働時間の上限は月45時間・年360時間が原則になった。そのため、コンプライアンス遵守の面でも、建設業では今まで以上に長時間勤務の是正が急務である。そこで、AIで書類作成や写真整理などの作業を自動化することにより、従業員の負担を軽減できる。この効果は、求職者へのアピールや業界の健全化にもつながるであろう。

技術継承

建設業の現場作業では、長年の経験に基づく職人の勘や技術・ノウハウが必要な場面も多数存在している。これまでは、こうした技術を若手作業員が何年もかけて実践しながら体で覚える必要があり、再現性がある形式知として継承することは困難であった。しかし、AI画像解析などを用いれば、ベテランの判断基準を学習させて形式知化できる。これにより、経験の浅い若手作業員でも高度な判定や施工管理を正確に行えるようになると期待されている。

安全確保

建設現場の中には、災害現場や高所など事故のリスクが高い場所も少なくないが、そのような場所で特に必須となる安全確保にもAI技術が役立つ。例えば、高層ビルの外壁を点検したい場合には、ドローンカメラを活用することで、作業員の墜落事故を防げるであろう。また、AIの危険予知システムを活用すれば、過去のデータから事前に危険箇所を特定することも可能である。

品質確保

企業の信頼性を高めるためには、徹底した施工管理や検査によって業務品質を確保することも重要である。ただ、これまでは担当者の経験や力量の違いによって、業務品質がばらつくことも珍しくなかった。そこで、AIを併用すれば客観的な基準によって判断できるため、ヒューマンエラーを減らして品質確保につながる。品質不良を防ぐことで、手戻り防止や顧客満足度向上に寄与するであろう。

建設業に特化したおすすめAIツール

ここでは、建設業に特化したおすすめAIツールについて、以下の三つを紹介する。

Photoruction

『Photoruction』は、建設現場の写真や図面を効率的に管理できるクラウド型AIソフトである。既に40万件以上のプロジェクトに導入実績を有している。

工事では、施工管理や検査に備えて多数の写真や図面が必要となるが、これらの整理には手間がかかっていた。しかし、『Photoruction』があればタブレットで撮影した写真をそのまま整理できるため、台帳作成の工数を劇的に削減できる。

操作性は直感的であるため、ITに不慣れな作業員が多い現場でも導入しやすく、現場の生産性向上と事務作業の効率化に有効である。

ANDPAD

『ANDPAD』は利用社数26万社・ユーザー数69万人(2026年4月時点)のクラウド型建設プロジェクト管理サービスである。

AIを活用したチャット機能や資料検索により、必要な情報へ即座にアクセスできる。黒板機能や施工管理機能も充実しており、それらの機能は建設現場でも重宝されるであろう。

また、受発注機能や引合粗利管理も利用可能であるため、事務方にとっても役立つケースが多い。

ダンドリワーク

『ダンドリワーク』は、施工管理・現場管理に特化したクラウド型AIツールである。これまでの登録アカウント数は17万人、利用率は91%と好評を得ている。

直感的に操作できるUIであるためITリテラシーに自信がない方でも気軽に使えるうえ、ルール作りや操作説明会などのサポートも充実している点が特徴である。また、各利用者にIDが付与されて編集権限も設定できるため、細やかな運用を実現できる。工程表などのデータが変更された場合にはリアルタイムで共有できるため、手戻り防止にも役立つであろう。

建設業でのAIツール活用事例

ここでは、建設業でのAIツール活用事例について、以下の二つを解説する。

大手ゼネコンでの活用事例

ある大手ゼネコン企業では、ガス圧接継手の施工現場で画像認識AIの試験運用を開始した。これは、モバイル端末で撮影した鉄筋継手の画像に対し、AIが外観検査を行うものである。精度・作業時間・操作性を目視検査と比較した結果、検査完了時間を以下のとおりに短縮できた。

モバイル端末で撮影し、鉄筋サイズを指定するだけで容易に操作できるため、この画像認識AIは、今後現場で普及する可能性も高いと考えられる。

中小ゼネコンでの活用事例

ある中小ゼネコン企業では、マンション建設現場の業務効率向上を実現すべく、施工管理にAIアプリを取り入れた。これまでは、担当者にとって工事写真の仕分けや報告資料の作成などが大きな負担となっていた。しかし、AIによる自動処理が大幅な省力化を実現し、これまで1フロアあたり十数時間を費やしていた業務は約3分の1程度にまで圧縮された。

その結果、会議での情報共有を円滑化でき、残業削減や働き方改善、さらには施工品質の維持といった目標を全て達成できている。

建設業でもAIツールの必要性が増大

建設業でも数多くのAIツールが導入されつつあり、人材不足や技術継承、さらには品質確保などさまざまな課題の解決に寄与している。

AIツールには、写真・図面の管理だけでなく黒板機能など現場管理に役立つものも多い。また、現場の施工管理だけでなく、AI活用によって書類作成や受発注など事務方の業務も効率化が可能である。

自社のクライアントには、建設業の課題を解決する有力な手段として、各社の課題に沿ったAIツールの活用を提案してみるのもよいだろう。