CAD

BricsCAD Conference 2026 レポート

掲載日:2026/04/28

BricsCAD Conference 2026 レポート

3月3~5日の3日間、ベルギー・ゲントの美しく歴史的な建造物「オウデ・ヴィスミジン」でグローバルパートナーイベント「BricsCAD Conference 2026」が開催された。本記事では、世界各国のリセラーやディストリビューター、開発パートナーなどが参加した同カンファレンスの一部を紹介していく。

基調講演 ~CEO デイビッド・デヤガー~

私たちは、業界標準とみなされている大手競合他社に〝どこで勝てるのか″に焦点を当てる必要があります。そして、生産性向上に勤しむ顧客のために、業界特有のニーズやワークフローに本当に役立つ機能を継続的に提供し、それをさらに加速させていきましょう。

Octaveへの移行

Hexagonは5つの事業をスピンオフする計画を立てています。Octaveという一つのブランドのもと、それぞれ完全に独立した会社として成功を収めることで世界最大級の産業用ソフトウェアポートフォリオの一つになるでしょう。

Octaveとして新たに始動する私たちは、創業時点で既に15億ドルの収益と7,000人の従業員を有するユニコーン企業です。今後は製品名も「Octave BricsCAD」に変更し、2026年6~8月に新会社としてIPO(新規公開株式)する予定となっている。Octaveへの移行によってBricsCADの強みが拡張されれば、今まで以上に大きなチャンスが生まれます。

Octaveの戦略は「設計」「構築」「運用」「保護」という資産のライフサイクル全てに関連する四つの柱をつなぎ合わせることで継続的な情報フローを生み出すこと。それら全てが一つに統合されているのがOctaveプラットフォームであり、「大規模なインテリジェンス」なのです。そして、デザイン分野の中核を担うBricsCADはOctaveの戦略全体に関わるライフサイクルの実行エンジンです。

AI開発ポリシー

AIの革命的な進化はSaaS企業のサービスに影響を与えていますが、私たちの顧客が従事しているミッションクリティカルな業務やCADによるデザインを、AIが代替することは困難です。私たちが進めるAI開発の目的は自動作図ではなく、副操縦士として生産性向上に寄与すること。AIは人間と人間の関わりを強化し、パフォーマンスを鍛えるツールだと考えています。

基調講演 ~VP Sales and Marketing パット・ウィリアムズ~

2025年は素晴らしい一年でした。特に、売り上げを20%以上伸ばした日本チームの素晴らしい仕事ぶりに感謝します。日本を中心とするAPAC(アジア太平洋)チームは2桁成長を遂げました。

新たな取り組み

まだ小さな事業ですが、Eストアーが大きく売り上げを伸ばしたことは市場におけるBricsCADの認知度が高まっていることを証明しています。デジタル分野では今後、できるだけ多くの見込み客を優良顧客に転換させるためにコンバージョン率の最大化を図ります。アウトバウンドマーケティングやイベント参加などにも積極的に取り組み、今年は大規模アカウントの重要人物とのミーティング機会を創出するパイロットプロジェクトも実施する予定です。

また、メンテナンス需要の取り込みなどによってARR(年間経常収益)も25%増加し、収益の安定性が示されています。今後もメンテナンスとサブスクリプションの更新率について適切な追跡調査を行い、更新の促進活動をサポートします。

2026年も成功を継続するために、引き続きBricsCAD Lite/Proの販売に最も多くの時間と労力を割くことは変わりません。そのうえで、マーケティングをはじめとするさまざまな分野でOctaveのブランドとインフラを活用し、新規事業の育成や大規模アカウントの取引増大、更新率の向上を目指します。

基調講演 ~VP Solution Design クリフ・ブラウン~

BricsCADには、正確なDWGファイルを作成するための、市場で最高のツールがそろっており、大手競合他社と同等レベルの信頼を得ています。BricsCADのメリットは、費用対効果が高く、柔軟な永久ライセンスとサブスクリプションであることやネットワークを通じて大手競合他社からは入手できないソリューションを提供できることが挙げられます。つまり、BricsCADこそが真のCAD代替ソリューションなのです。

BricsCAD V26.2に搭載された「AIアシスト」にもご注目ください。現在約150億ドルのCAD市場は、今後10年間で約8%の成長が見込まれていますが、その大きな原動力はAIです。

そして、150億ドルのうち低価格帯のCADの市場規模は約50億ドル。そのうち、BricsCADが獲得可能な大手競合他社のリプレース市場の規模は約18億ドルです。インフラ建設業などはいまだ2Dを使用しており、石油・ガス業界にも大きなチャンスがあります。

大きな勝利を手にするために

最高財務責任者(CFO)をはじめとする経営幹部の信頼獲得や概念実証の重要性、見込み客の獲得には「正直さ」が求められること、LinkedInを活用して行動喚起を促す方法などが、グローバルな成功事例の数々と合わせて紹介された今年のカンファレンス。テーマに掲げられた「大きな勝利を手にする」を実現するために、大手競合他社の半額以下というコストメリットだけでなく、柔軟なライセンス、AIアシストをはじめとする最新機能、手厚いサポート体制の活用なども、BricsCADの新たな勝ち筋になることが示された。