セキュリティ
モバイル端末管理の効率化を実現する「MDMツール」とは
掲載日:2026/6/30

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を一元管理できる「MDMツール」。テレワークの普及により、社外で業務を行う機会が増えてきた現在、注目を集めているツールである。本記事ではMDMツールの概要と導入事例を紹介する。
MDMツールとは
「MDM(Mobile Device Management)ツール」とは「モバイルデバイス管理ツール」と訳されるとおり、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどのモバイル端末を一元管理できるツールである。MDMツールを用いることで、管理者は遠隔操作で端末の設定変更や各種機能の制限、データの消去などを行うことが可能。端末を適切に管理することで、セキュリティリスクの低減や運用効率の向上を図ることができる。
MDMツールが注目されている背景
MDMツールが注目されている背景には、テレワークの普及により、社外でモバイル端末を利用する機会が一般化したことが挙げられる。これに伴い、企業のセキュリティ対策の範疇が社内だけでなく、社外にも広がってきた。社外での端末利用の機会が増えれば、従業員が脆弱性のあるアプリをインストールしてしまう可能性のほか、紛失・置き忘れのリスクも高まる。こうしたリスクに対処するために、遠隔でモバイル端末を管理できるMDMツールへの注目が集まっているのだ。
MDMツールの代表的な機能
MDMツールの特長であるモバイル端末の一元管理機能では、例えば端末ごとのネットワーク設定やアプリのダウンロード、各種コンテンツ配信などを一括で実行することができる。さらに、端末にインストールされているアプリやOSの状況といった各種情報の検索・確認も可能。不適切なアプリを確認した際には、ツール上から一括削除もできる。これらの機能は従業員による不適切な利用の抑制にもつながる。
また、MDMツールには紛失や盗難、置き忘れなどの際に活用できる各種機能が搭載されている。具体的には、端末の画面を自動ロックする「画面ロック」や端末内のデータ消去および初期化ができる「リモートワイプ(遠隔消去)」といった機能だ。そのほかにも端末をロックして操作ができないようにする「リモートロック」の機能もある。これら紛失・盗難対策機能により、情報漏洩リスクを低減することが可能だ。
このようにMDMツールを用いることで、これまでブラックボックスだった従業員のモバイル端末の「見える化」や適切な管理を実現する。
MDMツールの導入事例

最後にMDMツールの導入事例を二つ紹介する。
端末の設定時間が1/3に短縮
鉄・非鉄スクラップ卸売業などを営むある企業では従来、iPadのセットアップ作業を全て手動で行っており、1台あたり30分程度の手間と時間がかかっていた。しかし、MDMツール導入によって端末の一括設定が可能となり、ツール導入後は1台あたり10分程度で作業を完了できるようになった。
また、同社では端末の在庫管理の効率化も実現した。MDMツールによって端末の利用状況を「見える化」し、電源が一定期間入っていない端末を把握。保有者本人に確認のうえ、未使用端末を回収し、在庫端末として保管した。仮に在庫に余裕がある場合には、端末の契約数を見直すこともできるだろう。MDMツールは経費の最適化にもつながりうることが分かる。
特定のWi-Fiのみ接続可能に
産業⽤空調機器メーカーのある企業では、MDMツールを用いて、特定のWi-Fiにのみハンディターミナルの接続を許可している。これによって社外での利用を制限し、紛失や盗難時の情報漏洩リスクを抑えている。(一方、スマートフォンに関してはテザリングを可能にしている)。そのほか、モバイル端末を業務でのみ使用してもらうために、個人で利用することが前提のGoogleアカウントやApple Account(旧:Apple ID)の使用も禁止した。このように、同社はMDMツールを用いて端末の利用範囲を最適化することで、セキュリティの強化を図っている。
二つの導入事例からも、MDMツールは端末管理の効率化や情報漏洩対策などのセキュリティ強化に有効であることが分かる。ベンダーとしてこうした課題を持つクライアントにはぜひMDMツールを紹介したい。