セキュリティ

サイバー被害の一因やDXの足かせに
レガシーシステムを放置する4大企業リスクとは

掲載日:2026/09/15

サイバー被害の一因やDXの足かせに レガシーシステムを放置する4大企業リスクとは

技術の老朽化やブラックボックス化などにより、運用保守が難しくなったシステムを指す「レガシーシステム」。放置したままにするとどのような企業リスクがあるのだろうか。またどう対策すればよいのかを解説する。

レガシーシステムを放置する4大企業リスク

はじめに、レガシーシステムを放置することで生じる企業リスクを四つ解説する。

サイバー攻撃によって被害を受けるリスク

レガシーシステムとは、端的に言えば「古いシステム」であり、最新のセキュリティソリューションとの互換性がないケースが多い。そのため、セキュリティの脆弱性を突かれやすく、万一サイバー攻撃の対象になった場合、機密情報の流出やデータ滅失などの被害を受ける可能性がある。

属人化によってシステムの維持・管理ができなくなるリスク

ひと昔前のプログラム言語で作られており、改修の機会も多かったレガシーシステムの場合は、属人化が起こっている可能性がある。レガシーシステムの属人化は、仮にその人物が休職や離職をした場合に、システムについて分かる人間がいなくなり、結果的に維持・管理が不可能になるリスクをはらんでいる。

ビジネス拡大やDXの足かせになるリスク

最新のITソリューションとの連携が取れない可能性も高いため、「ビジネス拡大やDX推進を目指したいが、レガシーシステムがあるために実現できない」という状態も起こり得る。ビジネス拡大やDXがもたらす利益を考えれば、一定のコストはかかるが、レガシーシステムからの脱却を図る方が有益だろう。

保守・運用コストの増大リスク

一般的にレガシーシステムは、長年にわたる改修の結果、システム設計が複雑になっているうえに、メーカーのサポート期限切れになっていることも多いだろう。そのため、保守・運用コストが高い傾向にある。また目に見えるコストだけでなく、問題発生時には改善のために多くの時間とリソースを割くことになるため、見えないコストの捻出が避けられない点にも留意が必要だ。

レガシーシステムに対して企業が取るべき対応

では、レガシーシステムに対して企業はどのような対応を取るべきだろうか。ここでは、経済産業省が公表しているレポート「DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けて」をもとに3つの対応を解説する。

経営層も積極的にレガシーシステム対策にコミットする

レガシーシステム対策においては、何より「経営層によるコミット」が重要になる。実際に経済産業省のレポートでは「レガシーシステムのモダン化は経営層のトップダウンの方針無しでは決して進まない」と断言している。

レガシーシステムは長年にわたって使用されてきたシステムである以上、その変革には大きな力が必要。現場の人間だけの力では限界があるのだ。経営層の意識改革および強力なコミットはレガシーシステム対策の前提だと考えよう。

IT資産の可視化

IT資産の見える化は、「潜在的なセキュリティ・運用リスクなどの把握やモダン化」あるいは「統廃合すべき優先度の高いレガシーシステムの特定」などに寄与する。これにより、ベンダーと共に策定する「レガシーシステム対策の方針や計画」の最適化を図ることができるようになる。

標準化対応を進める

業務内容・プロセスについて現行踏襲を見直したうえで、システムの移行方法を検討する。そこで標準的な仕様に寄せた方が有効だと判断したシステムについては、標準化対応を進めていこう。

標準化の方針の一つとして、経済産業省の参考資料では「パッケージ、SaaS、標準システムへの移行」を挙げている。オーダーメイドのスクラッチ開発ではなく、パッケージやSaaSを選択することで、コストを抑えることが可能になるのだ。特に、資金の制約が大きい中小企業はぜひパッケージもしくはSaaSを検討したい。

レガシーシステムを持つ企業の中には「対応しないといけないことは分かっているが、リソースを割けない」というケースも多いはず。ベンダーはレガシーシステムを放置することの怖さを正しく伝え、必要に応じてクライアントの負担が少ない適切なソリューション(パッケージやSaaSなど)を提案したい。