2018年11月28日発行

Autodesk Connector for ArcGIS
GISとCADの垣根を超えるツールがついにデビュー
InfraWorksのBIM+GISによりワークフローを改善

EsriとAutodeskの協業により、BIMとGISを活用しワークフローの改善を提案するツールがこの7月に発表された。オートデスクのBIM/CIMソリューションであるInfraWorks にEsri ArcGIS Onlineと直接連携する「Autodesk Connector for ArcGIS」がプレビュー機能としてリリースされたのだ。GISデータのすべての属性をInfraWorksモデルに追加することで、3Dコンテキストモデルの堅牢性と精度が向上する。この新しい機能について紹介する。

Esri ArcGIS OnlineとInfraWorks

Esri ArcGIS Online(以下、ArcGIS Online)は、米国のEsri社が提供するクラウドGISサービスで、マップの作成や利用はもちろん、それらを管理するポータル環境を提供している。ArcGIS Onlineが配信するコンテンツや業務に特化したアプリ、ArcGIS Online 上に作成した独自のマップや他のユーザーのデータは、いつでもどこでも、必要な時にアクセスして利用できるといった利便性がある。

オートデスクのInfraWorksは、さまざまなGISデータやCADデータ、BIM/CIMモデルを統合するソフトウェアだ。都市計画や土木設計に必要な計画・設計機能を数多く持っており、計画から、概略、予備設計、施工検討のための最適なBIM/CIMソリューションとして、近年の災害復興やCIM試行業務や工事などで広く使われている実績がある。使いやすいインターフェイスが好評で容易に事業をビジュアライズできる点にも注目されている。

ArcGISとの連携機能「Autodesk Connector for ArcGIS」

2018年7月にリリース版されたInfraWorksには、プレビュー機能として「Autodesk Connector for ArcGIS」が搭載された。この機能により、ArcGIS Onlineで配信されているGISデータソースをInfraWorksに属性も含めてBIM/CIMモデルに取り込めるようになる。

また、ArcGIS OnlineでGISデータがアップデートされた場合も、InfraWorks上でデータ更新を行うことでBIM/CIMモデルもアップデートすることができる。GISデータが更新されたときに更新する機能がないインポート方式に比べて、この機能を使用すればよりシームレスな方法でGISデータに直接接続できるため、BIMのワークフローが改善されるメリットがある。

ArcGISOnline への接続は、InfraWorksを起動し、データソースパネルを表示すると図2の赤線で囲んだ位置に追加された「ArcGISデータソースを追加」ボタンから行える。

この「ArcGISデータソースを追加」をクリックすると、図3のようにEsriのArcGIS Onlineへのサインインダイアログが表示される。

資格情報を入力し、サインインすると使用権限のあるArcGIS オンラインデータセットにアクセスでき、図4の画面のように必要なデータを選択してInfraWorksに追加できる。

例えば、土地利用のG ISデータがArcGIS Online上にあれば、図5のようにそのデータをInfraWorksのモデルに重ね合わせることができる。

ArcGIS Onlineから取り込んだデータはモデルエクスプローラ上でArcGIS画層として管理され、属性情報もInfraWorksから図6のように参照できる。

Autodesk Connector for ArcGISは、現在プレビュー版でリリースされており、InfraWorksとAutodesk Architecture,Engineering & Construction Collectionのサブスクリプションを契約することで利用できる。InfraWorksの保守プランでは利用できないので、注意が必要だ。