株式会社セイコーアイ・インフォテック
大判マルチファンクションプリンター 「Teriostar LP-1140」
セイコーアイ・インフォテック(SIIT)の大判マルチファンクションプリンター「Teriostar LP-1140」は、 建築業や製造業でのCAD図面をプリントする際に利用する大判マルチファンクションプリンター。LP-1140の最大の特徴は省サイズ化の実現。日本企業のオフィス環境に合わせ、省スペー スに適応していることが最大の特徴となっている。SIITが省スペース製品を投入した狙いはどこ にあるのか。同社企画営業部企画一課の大和久睦丘氏に商品開発の狙いについてうかがった。


企画営業部 企画一課
大和久 睦丘氏
大和久氏プリンターは海外でも使われていますが、海外での利用状況と日本の利用状況は大きく異なります。
まず、プリントサイズが日本はA1サイズが多いのに対し、海外、特に米国ではA0サイズが主流となります。A0サイズを印刷するプリンターは、A1印刷用に比べ、当然筐体のサイズも大きくなります。海外の場合、プリンター専用の部屋で印刷が行われるなど、スペースを気にしないケースも非常に多い。日本のお客様の場合、自動車業界などいくつかの特定の業界を除いては、A1サイズまでの大きさでの出力が主流です。訪問させていただくと、社員の方の机の隣に置かれている場面もよく見かけます。ずらっと机が並び、その列の前にあるお誕生日席のようなスペースに置かれているのです。
実はLP-1140の開発段階で、開発者と共にお客様のところを回りました。プリンターを置くスペースがないだけでなく、「オフィスに通じる階段が狭くて、大きなプリンターを搬入できない」というお客様もいらっしゃいました。日本のお客様の環境を踏まえて開発したのがLP-1140になります。
トナーや紙の補給が前面からになっているのも、お客様からの要望で実現しました。狭いスペースに置かれているプリンターは壁に接して置 かれていることが多かったのです。ロール紙のセッティングを後ろや横で行う仕様では不便が多いという声もありました。そ こで前面からロール紙のセットをはじめ、トナーの補給、パネル操作と、ほぼ全ての操作を前面から行える仕様としました。
前面操作を実現するとともにA2サイズのプリンター並に小さな筐体の中にA1サイズの印刷ができる機構をレイアウトした省スペース設計を実現したのは、開発スタッフの苦労がつまっている部分であります。
大和久氏排紙機構についても、上段トレイを装着するとA1とA2、A3とA4を併用して図面を印刷する場合、サイズごとに自動仕分けできます。「小さい紙が大きな紙の間に挟まって、行方不明になってしまうことが多い」というお客様の声を聞いたからです。お客様の声に応えた仕様となっています。
有償保守サービスにご加入いただくと、交換用の感光ドラムカートリッジをお渡しします。カートリッジの構造をできるだけ シンプルにすることで、お客様自身で簡単に感光ドラムの交換ができるようにしました。
この仕様としたのは、この製品が業務用プリンターだからです。業務に利用する以上、できるだけダウンタイムが少ないにこしたことはありません。プリンターの故障の原因はさまざまありますが、圧倒的に多いのが感光ドラムまわりに起因する画質トラブルです。画質トラブルが起こった際、第一段階として感光ドラムをお客様自身で交換して頂く。この結果、ダウンタイムが大幅に減っています。
日本で数十年にわたり、ビジネスを展開してきた当社だからこそ、お客様の声を反映させることが出来た製品、それがLP-1140です。販売店の皆さんにも、「日本のお客様向け製品です」と自信をもって販売していただければと思います。